ダブルスペア潮田玲子さんとの共鳴体験とは?元女子バドミントン選手・小椋久美子さん

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現代社会はストレスとの闘いです。「こころを整える」ためにどうすればいいのか、各界の著名人をゲストに招いてCOCOLOLOライフmagazine編集部がメンタル面の変化に着目しながら切り込んでいく「こころトーク」。

今回のゲストは、前回に引き続きバドミントンの女子ダブルスペア日本代表として「オグシオ」コンビで世界中を沸かせた元女子バドミントン選手の小椋久美子さん。COCOLOLOライフmagazine編集部の板生研一(WINフロンティア㈱代表・医学博士)との対談形式で、当時のダブルスペア潮田玲子さんとの意外なやり取りについて語って頂きました。

 

ダブルス試合前の過ごし方は、リラックス派のレイちゃんと集中派の私

編集部:ダブルスペアを組まれていた潮田玲子さんとは試合でも息がピッタリでしたが、アスリートとしても同じようなタイプなのですか?

小椋:私はどちらかと言えばスポーツ選手に向いている身体じゃないかなって気がするんです。でも、レイちゃんはアスリート向き。私よりも体力あるし、試合前の準備もお互い全く違います。

 

編集部:では、前回お話されていた試合前の準備1時間はお二人とも別々に調整されるんですか?

小椋:別々ですね。でも私がそうしていたというのもあります。試合前に一人で集中しないと実際に試合が始まった時、トップスピードが出せないというか。自分の中で整理ができていないと怖くて…!周りから見ていても喋り掛けにくいというか、怖いというか…(笑)スイッチ入ったから喋り掛けないでおこう、みたいな雰囲気になります。声を掛けられても無視するとかはないんですけどね。そのまま別々にウォーミングアップをして、試合開始5分前にコーチと3人で相手選手の弱点や攻め方を話してから試合に臨みます。

 

編集部:例えば試合中で、お互いの調子が良い悪いが影響することってありますか?

小椋:あります!空気感で分かります。試合中は話さなくても緊張が伝わってくるんです。「あ、今すごく緊張しているな」とか。いつもならこの動きをするのに、急に動かなくなったな…と試合中に感じるものはあります。疲労が溜まっていたり緊張していたり、全てを含めてスピード感やコンビネーションの感覚が伝わるというか。その感覚が少しずれているとすぐに分かります。

 

ダブルス試合中のキーワードは「流れを変える言葉」を掛け合うこと

編集部:試合中でいつもと違う感覚に気付いたらフィードバックはしますか?

小椋:もちろん試合中でも伝えます。

 

編集部:ネガティブなことでも伝えますか?

小椋:言いますね。例えばレイちゃんが緊張していたら「私、思ったより緊張していないんだ!だからとりあえず1度自分の方にシャトル集めるね−!」と声を掛けてみるとか。流れを変える言葉を伝えます。でも、緊張するのは最初だけですね。試合が進めば緊張は取れているので。試合中は「もっと打ち込んでいこう!」とか、試合相手の心理状況を観察しながら戦術的なことを話したりしています。

 

編集部:北京オリンピック時の会話はどうでしたか?

 

小椋:会話していたかな…(笑)それすら覚えていないくらい、あの試合は怖すぎて覚えていません。未だにあの試合は絶対に見られないです。覚えていることと言えば会場の風がものすごく強くて、その風に煽られて緊張していたことくらいです。あの北京オリンピックは本当に何とも言えない状況でした。でも試合に立ててよかったとは思います。あの場所でしか味わえないものなので。伝えようにも伝えられないというか、そこに立った重みは今も感じています。

 

アスリートとして自分とは違うタイプだったと潮田さんのことを語ってくれた小椋さん。

ウォーミングアップや緊張の解し方は違いますが、試合になれば不思議と相手の感覚が伝わってくるようです。お互いの性格やプレーを理解しているからこそ、良い状況も悪い状況も瞬時に判断できる…そんなお二人の貴重な共鳴体験のお話でした。

次回のインタビューでは、現役引退後の新たなステージについてお聞きしていますので、こちらもどうぞお楽しみに!


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部

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