マインドフルネスと「きく」(後編)
ジャズという音楽
ジャズという音楽は即興性を重要にする音楽です。ジャズは基本的には曲の始めにテーマといわれる曲のモチーフを演奏します。そして、そのモチーフのコードの進行に則って即興演奏(今瞬間を感じた音)を表現し展開していく音楽です。
例えばサックス、ピアノ、ドラム、ベースでセッションする場合は、始めテーマを演奏したらサックスがソロをとり即興演奏、次にピアノ、ベース、最後にドラム以外の楽器とドラムソロの掛け合いのバースといわれる即興演奏を行います。終わりのテーマへと曲が進行してエンディングとなります。
ジャズという音楽はこのように今の瞬間を大切にする音楽です。同じ曲を演奏しても毎回違った展開になり常にその音楽は瞬間瞬間に変化していきます。ソリストの音やそれ以外の演奏者に常に気づきを向けつつ自分自身の音も捉えられている状況を創りだすと初めて良い演奏ができます。そして、自分自身も自分の演奏を楽しみ周りの演奏者を尊敬し音を聞き調和するように演奏するとよいセッションができたことをよく覚えています。逆に自分が自分がといった我の強い演奏ばかりしているとその気持ちは音にも反映されて、自分は良くても仲間との演奏も楽しいものにはなりません。
さて、私はプロのジャズ奏者ではありませんが楽器を演奏する上で、経験上以下のようなポイントがあると感じています。
楽器の演奏する上でのポイント
・楽器の基本的なコントロール
・自分をきき、周りをきく
・全体へ気配り
・調和をはかり、展開し即興を楽しむ
・余裕をもつ
このポイントはマインドフルネスを行う上でも大切なことだと思います。
ジャズに興味のある方は自分で演奏してみたり、ジャズバーやジャズ喫茶に足を運んでみてください。
きくということ
マインドフルネスの瞑想トレーニングでも音を聞く練習は大切な要素の一つと捉えられています。マインドフルネスストレス逓減法(MBSR, Mindfulness Based Stress Reduction)でもありのままに音を聞くということがメディテーショントレーニングにも含まれています。
音を聞くということは面白いものです。先日、子供がガラス爪をあてキッーという私が不快に感じる音を出していました。ただの音であるのに私の身体は緊張し不快な感情がでてきました。以前なら子供に止めさせるか耳を塞いでいましたが、その時は自分自身の状態をよく観察してみました。その不快な音は聞くと身体がムズムズと反応して耳を塞いでやり過ごしたい衝動がでてきたのを感じました。音も注意を向けてみると、楽しい音、うれしい音、感動する音、不快な音、どちらでもない音、いろいろな音があることに気づきます。
是非、いろいろな音をよくきいてみてください。
今回はこの辺りで失礼します。
お読みいただきありがとうございました。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
ヨガプラスはマインドフルムーブメントにフォーカスしたクラスを行うヨガ専門スタジオです。
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<ライター>
長谷川 洋介
医療法人和楽会 ヨーガ講師。東京マインドフルネスセンターにて指導。
法政大学卒業。2006年ヨーガを始める。「マインドフルネスは今を大切に生ききることです。そして、マインドフルネスは生活の中で実践していくことがとても重要です。センターではヨーガやメディテーション等を通じ今に意識を向け、いろいろな気づきを得る練習をします。マインドフルネスを皆さんと一緒に実践し心と体を調えていきましょう。」
(社)ヨーガ療法学会 ヨーガ講師養成講座修了
東洋鍼灸専門学校卒業
鍼灸師(国家資格)
あんまマッサージ指圧師(国家資格)
ジョン・カバットジン博士「MBSRワークショップ」修了
介護予防運動指導員
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