SNSとウェルビーイングの関係

SNSの最適な利用時間は?

私たちの生活にすっかり定着したSNSは、離れていても、人とつながっていられることがメリットですが、皮肉なことに、SNSの利用時間が長いほど、孤独感を強めることがわかってきました。

アメリカのペンシルバニア大学のメリッサ・G・ハント博士らは、143人の学生を対象に、SNSの利用時間がウェルビーイングに与える影響について調査を行いました。調査では、参加者を以下の2つのグループに分け、3週間過ごしてもらいました。

① Facebook、Instagram、Snapchatという、アメリカの3大SNSの利用時間を1日30分に制限するグループ

② SNSを制限なく利用できるグループ

また、最初に参加者全員の孤独感や抑うつ傾向を測定し、3週間後にも、再び、同じ測定を実施しました。

分析の結果、SNSの利用時間を1日30分に制限されたグループは、SNSを制限なく利用できたグループよりも、3週間後の孤独感や抑うつ気分が抑制されました。特に、もともと抑うつ傾向が強かった人は、SNSの利用を制限することで、他人と比較することが減り、抑うつ気分が約37%減少しました。

この研究では、SNSの利用時間を、参加者の主観的なアンケートに頼らず、iPhoneでカウントされる各アプリの使用時間という客観データを使用していますが、自分が思っているSNSの利用時間と、実際の利用時間の間には、ゆるやかな相関しかない、つまり、自分が思っているSNSの利用時間はあまり当てにならないこともわかりました。

この研究からは、1日のSNSの利用時間は30分程度が良いことが示唆されましたが、同じ時間、SNSを利用していても、その利用の仕方によって、ウェルビーイングが大きく異なる可能性があるという研究結果もありますので、次に紹介します・・・

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中