日光浴で身体とメンタルの不調を改善

パソコンやスマホ、インターネットの普及により、昔に比べてデスクワークが増えたと言われている現代。
メールやSNSを上手に活用することで離れた相手とも仕事ができるようになり、外に出なくても仕事ができる便利な世の中になりました。

さらに、これまでスーパーやショッピングセンターまで足を運んでいた買い物も、今やオンラインショップで購入から支払いまでの全てが完結。
外に出て買い物に行くという概念が少しずつなくなりつつあることを実感している人も多いのではないでしょうか。

このような働き方や生活環境が身近になる一方で登場した新しい問題が「太陽不足」。現代人の大半は1日に必要な日光量を浴びていないと言われ、とりわけ室内で働くデスクワーカーの9割はビタミンDが慢性的に不足しているという調査結果も出ています。
近年では深刻な社会問題として取り上げられている「太陽不足」について解説していきます。

 

太陽不足が身体に与える悪影響とは?

太陽の光は私たちにとって欠かすことのできない大切なエネルギーです。日光を浴びることでビタミンDが体内で生成され、健康で元気な身体をつくりだしています。では、この太陽の光が不足した場合、どのような悪影響があるのでしょうか。まずは3つのポイントをチェックしていきましょう。

1. メンタルの不調を招く

体内のビタミンDが低下するほど、私たちのメンタルはストレスに弱くなり気分の落ち込みやうつ病を発症してしまう可能性が高まります。太陽の光から得られるビタミンDは、脳神経の発達にも深い関わりがあります。

2. 吹き出物や肌荒れの原因に

ビタミンDは細胞の増殖を促す大切な役割を担います。つまり、ビタミンDは健康的な肌をキープする役割もあるということ。吹き出物やニキビに悩んでいる人はビタミンDが不足しているかもしれません。

3. 身体の免疫力が低下する

疲れやすく、ちょっとした階段の昇り降りでも「しんどい」と感じてしまうのもビタミンDが不足している症状の1つです。太陽の光は身体の免疫システムを健やかに保つ役割も担うのです。
ビタミンDは食事からの摂取が難しいため、基本的には陽の光を浴びるのがベストです。ネットワーク社会という便利な時代が太陽の光を遠ざけてしまった1つの要因であると言えるでしょう。

 

「喫煙」と「太陽不足」は同等レベル

本当に太陽不足が身体に悪影響を与えるのか?この疑問を実際に証明したのがスウェーデンの研究チーム。25〜64歳のスウェーデン人女性2万9,518人を20年間にわたり日光浴の頻度を調査するために、「全くしない(日差しを避けている)」と「ある程度する」「かなりする(積極的に日光浴する)」の3グループに分類。
データを分析したところ、日差しを避けているグループが心臓病を含むガン以外の病気で死亡する危険性が高く、平均寿命が0.6〜2.1年短いと推測されたことが検証結果からわかりました。

また、「喫煙習慣なし+日差しを避けている」と「喫煙週間あり+積極的に日光浴する」のグループでは、平均寿命がほぼ同じ長さになることが判明。
つまり、日差しを避けることと喫煙の影響力は同等レベルの悪影響を与える可能性がある、というわけです。

紫外線を避けるため、陽の光を浴びないことが良いとされている現代ですが、太陽不足も身体の不調を引き起こす1つの原因です。健康を維持するためにも適度な日光浴の習慣を意識して取り入れていきましょう。


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部