肌へのセルフタッチで安心感アップ。緊張で活性する脳部位を沈静化することを確認

<コロナ3年を経た春の新生活とストレスの意識調査>
・60%以上が不安や緊張などの“新生活ブルー”を感じ、新生活ストレスで約70%が肌に不調を実感。
・3人に1人はコロナ禍を経た新生活で、新たな出会いに対してハードルを感じている。
・5月以降のストレスにも要注意?約50%が「コロナ5類引き下げでも日常のストレスは変わらない」。

(株)資生堂は、東京都立大学との共同研究により、肌へのセルフタッチ(自分で自分の肌に触れること)で幸福感が増大することを解明しました。また、新生活におけるストレス状態を調査すべく、20代から60代の女性を対象とした「コロナ3年を経た春の新生活ストレス実態調査」を実施。60%以上が新生活で不安や緊張などの“新生活ブルー”を感じ、新生活ストレスで約70%が肌トラブルを経験したことがわかりました。また直近での新生活の始まりにストレスを感じたことがある人(N=298)の80%は、新生活の時期はいつもより丁寧にスキンケアをしたいと回答しました。
このことから、ストレスを感じる生活にて自分をいたわる「セルフケア」にニーズが高まっていると明らかになりました。

<研究サマリー>
・東京都立大学との共同研究により、自分で自分の肌に触れることのポジティブな効果を脳の活動で発見
・肌にセルフタッチしたとき、緊張時に活性化する部位や交感神経系と関わる部位の活性化の鎮まりや、危機感、不安感を抑制する効果を発見
・肌にセルフタッチするスキンケアを通して安心感を得ることは、幸福感にもつながることを解明

<調査TOPIC>
・60%を超える人が新生活の始まりに「不安」や「緊張」などの新生活ブルーを感じている。
・約3人に1人はコロナ禍で新たな出会いに高いハードルを感じるように。
コロナ禍での「出社意識」や「ソーシャルディスタンス」など周りの人との価値観の違いを感じたことがある人の85%は、その価値感の違いにストレスを実感。
・新型コロナが5類に引き下げられても、約50%は「コロナ関連のストレスは変わらない」と回答。
・約70%は新生活ストレスで肌トラブル経験あり。 起きやすい肌トラブルは肌荒れ・乾燥・ニキビ。

<コロナ3年を経た春の新生活とストレスの意識調査>

60%を超える人が新生活の始まりに「不安」や「緊張」を抱えた “新生活ブルー”状態。
「新生活」と聞いて浮かぶ感情を聞くと、ワクワク(38%)や期待(32%)といったポジティブな感情を挙げる人がいる一方で、不安(44%)や緊張(44%)といったナーバス気味な回答が上位に入る結果となりました。
(図①)
不安・緊張・憂鬱といった感情のいずれかを選んだ人は61%にのぼり、2人に1人以上は“新生活ブルー“の状態であることが読み取れます。 (図②)

約3人に1人はコロナ禍で新たな出会いに高いハードルを感じるように。
コロナ禍での「出社意識」や「ソーシャルディスタンス」など周りの人との価値観の違いを感じたことがある人の85%は、その価値感の違いにストレスを実感。

直近の新生活の始まりで、ストレスを感じることがあったという人は全体の60%。(図③)
コロナ禍を経た新生活で新たに気を遣うようになったこと・ストレスを感じたことを聞くと、「新しく出会った人と仲を深める(14%)」「マスク越しに初対面の人とコミュニケーションをとる(11%)」に対して気遣い・ストレスが生じたと答えました。コロナ禍以降の新生活では、コロナ禍ならではのコミュニケーションに難しさが生じていることが考えられます。(図④)

コロナ禍で新しい人と出会うことに対し、「緊張するようになった」「少し緊張するようになった」と答えた人は33%で、3人に1人は新たな出会いにハードルを感じているようです。(図⑤)

コロナ禍の「出社意識」や「ソーシャルディスタンス」などに関し、同僚や家族など周りの人との価値観の違いを感じたことがあるかを聞くと、「ある」・「少しある」と49%が回答し、約2人に1人が価値観の違いを感じたことがある実態がわかりました。さらに、価値観の違いを感じたことがあると答えた人を対象に、その価値観の違いに対してストレスを感じたことはあるかを聞くと、「ある」・「少しある」と答えた人は85%に。コロナ禍ならではの価値観の違いもストレスの要因の一つと考えられます。(図⑥)

約50%は「新型コロナが5類に引き下げられても、コロナ関連のストレス状況は変わらない」と回答。
「2023年春に新型コロナが5類に引き下がることで、コロナ関連のストレスは軽減されると思うか」という問いに対し、「変わらないと思う」と答える人が49%と最も多い結果になりました。一方「軽減されると思う」は6%、「やや軽減されると思う」は24%となり、新型コロナの5類引き下げを前向きに捉える人も見られます。(図⑦)

新型コロナ5類引き下げのあと、増やしたいもの、取り入れたいものがある人では、「ランチ・食事(29%)」、「少人数の飲み会・会食(17%)」が上位に。これまで設けづらかったコミュニケーションの場を積極的に増やしたいと思っている人が多いことがわかります。(図⑧)

約70%は新生活の時期に肌トラブルを経験。起きやすい肌トラブルは、肌の乾燥・肌荒れ・ニキビ。新生活ストレスがある人ほどケアへのモチベーションは高い傾向

新生活の時期に肌トラブルが生じたことが、「よくある・たまにある・一度はある」のうちいずれかを答えた人は全体の68%。(図⑨)

肌トラブルが「よくある・たまにある・一度はある」と答えた人のうち、新生活に対して不安・緊張・憂鬱といった感情のいずれかを浮かべる人は76%。肌トラブルがないと答える人では24%で、肌トラブル経験者ほどナーバス気味な感情を浮かべる人が多いという結果になりました。(図⑩)コロナ禍で新しい人に出会うことにより「緊張する・少し緊張する」と答えたのも42%で、肌トラブルの経験がない人では14%だったのに対し、約30%上昇しています。(図⑪)

肌トラブルが「よくある・たまにある」と答えた人(N=290)に、新生活の時期(春頃)に生じた肌トラブルを聞くと、特に多かった肌トラブルは、肌荒れ(40%)、肌の乾燥(40%)、ニキビ(27%)でした。(図⑫)

年代別に見てみると、20代ではニキビが圧倒的に多く、約60%が悩んだ経験ありと回答。
30代になると肌荒れ(51%)・肌の乾燥(43%)という回答が上位にランクインしました。心理的なストレスの他季節の変化による外的要因も相まって、肌がゆらぎやすい状態と考えられます。
40代以上では肌の乾燥や肌荒れのほか、しわ・たるみ(29%)やシミが濃くなった(24%)など、年齢に伴う肌悩みの回答も増える傾向にあります。(図⑬)

ほかにも40代以上では肌のくすみと透明感のなさについてあげる人も多く、20代で6%、30代で10%だったのに対し、40代以上では21%とそれぞれに対し約2倍以上の差が開きました。(図⑬)

直近での新生活の始まりにストレスを感じたことがあると答えた人(図③)のうち、90%を超える人がストレスと肌トラブルに関係があると知っている・なんとなく知っていると回答しました。(図⑭)
また、新生活の時期はいつもより丁寧にスキンケアをしたいと思う・少し思うという人も80%おり、ストレスで肌のコンディションがゆらぎやすいからこそ、丁寧に肌に向き合う時間を作りたいと考える人は多いことが明らかになっています。(図⑮)

【調査概要】
・調査名:コロナ3年を経た春の新生活とストレスの意識調査
・調査期間:2023年3月8日(水)~9日(木)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:20~69歳の女性
・対象エリア: 全国
・有効回答数:500名

<資生堂・東京都立大学の共同研究>

資生堂、東京都立大学との共同研究で新発見
「脳科学の観点から、肌のセルフタッチで幸福感が増大する」
セルフタッチによるスキンケアは前向きな気持ちで日々を過ごすことにつながると期待

資生堂は東京都立大学 名誉教授 菊池吉晃先生との共同研究により、自分の肌に触れること(セルフタッチ)のポジティブな効果を、脳の活動から新発見しました。

自分で自分の肌に触れると、触れる動作と心地よい感覚を脳内で統合し、ストレス状態における過剰な交感神経の活性を鎮めます。また、外部に対する注意や意識を低下させるとともに、危機感や不安感を抑制する効果も示されました。

実験では、実験参加者が自身の左手の甲を単純な動きでソフトに触れることで、脳の変化をfMRIにて測定しました。
その結果、外界に対する注意や警戒に関与し、交感神経の活性化に関与する前帯状皮質(ACC)、扁桃体の活動の低下がみられました。さらに、血圧を上げる中枢がある吻側延髄腹側部(RVM)の活動の低下も確認できています。

セルフタッチによるこのような反応は、「自分は安全な環境にいる、大丈夫」という感情に繋がると考えられます。肌にセルフタッチするスキンケアを通して安心感を得ることは、前向きな気持ちで日々を過ごせる幸福感にもつながると期待できます。

■共同研究者 プロフィール

東京都立大学 名誉教授&客員教授
菊池吉晃(医学博士、工学博士)

研究テーマ:「人間性」の神経基盤とは
人間の認知・情動・行動の様々な特性を脳科学的に探究し、愛とは?美とは?共感とは?などの基本的「人間性」の科学的理解を目指しています。その研究成果は、high impact journalsなどにおいて公表され(Scientific Reports, Biological Psychiatry, SCAN, PLoS ONE, Neuroimage, Social Neuroscience, etc)、その独創性と重要性は世界的に多くの注目を浴びています。また、Frontiers in Psychologyなどの国際学術誌Editorや日本学術会議「心と脳など新しい領域」委員などを務めています。

 


 

掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部