クッション型セラピーロボット。シニアの心の動きと行動を促し、ポジティブ反応は3週間も継続!
※調査実施:社会福祉法人東京聖新会/データ分析解析:一般社団法人ユニバーサルアクセシビリティ評価機構
※補足:この内容の一部は、9月4日から7日まで行われる第37回日本ロボット学会学術集会にて発表されます。詳細はこちら(https://ac.rsj-web.org/2019)
Qooboがなにを変えたのか。
高齢者の介護現場における「ポジティブ効果」を実証。
特別養護老人ホームおよび介護老人保健施設の男女40名に対して、Qooboのしっぽの動きによる効果を検証しました。
高齢者のQooboに対する感情面や表情を観察することはもちろんのこと、下記の項目をカテゴライズし、総体的に「その人がどう変わったか」を評価しました。
・感情的な反応「怒り」「不安・恐怖」「中立」「喜び」「悲しみ」
・言葉による反応
・視覚による反応
・行動にみられる反応
・他者やグループとしての反応
・動揺・興奮(の軽減)
※今回の研究調査では、VC-IOEを参考としてVC-IOE(J)を作成し、指標とした。
(VC-IOE:the Video Coding Protocol-Incorporating Observed Emotion)
その結果、しっぽが動かないQooboとしっぽが動くQooboの高齢者に対する効果を比較した時、総合点ではしっぽが動くQooboによる効果が明らかに高く、人の「心を動かし」、発話や撫でるなどの「行動を促し」、他者との活動と参加を促す契機となっていることがわかりました。
ポジティブな効果が3週間後も持続
Qooboがもたらすポジティブな効果は、初めてQooboを見て触れたときだけに留まらず、その後3週間も持続したことが確認されました。
従来のコミュニケーションロボット導入時の長期間利用に懸念されている「飽き」による効果の低下が見られず、ポジティブ効果がさらに大きくなる傾向が見られ、Qooboは「継続的に使用し続ける」ことが可能なツールであると期待されます。
Qooboはあえて特定の動物の顔をデザインせず、丸いクッションにしっぽがついているような仕様のため、しっぽが動かない状態では、ただのクッションのように見なされます。ですが、撫でると「しっぽが動く」というQooboならではの要素が最大の癒しのきっかけになります。
ペットが飼いたくても飼えない集合施設や賃貸物件、体調不安などの様々な状況においても、Qooboは言葉を交わさずともペットに代わる癒しの存在となる唯一無二なロボットです。
例えば、普段は視力や体力の低下で寝たきりの生活を送る女性にQooboを渡すと、抱いて撫で、しっぽが動いた途端に表情もリラックスしたものへと変化。聞くと、昔飼っていた猫を思い出し、懐かしい気持ちになったというエピソードも。
これらのQooboがもたらす効果を生かし、今後、福祉機器の認定など幅広い用途で活用できるよう若年層から高齢者層に至るまで、笑顔を生み出すセラピーロボットとしても普及して参ります。高齢者施設への広がりはもちろんのこと、敬老の日をきっかけにシニアのご家族への贈り物としてもご利用いただきたいプロダクトです。
尾林和子 日本福祉大学 福祉経営学部 教授
2014年日本社会事業大学専門職大学院福祉マネジメント研究科修了。社会福祉法人東京聖新会理事、特養施設長、老健副施設長として介護現場を運営しつつ、ロボットやICTを高齢者医療福祉領域に導入する研究を行う。内閣官房タスクフォースでの提言や福祉現場の人材育成を目的として東京都、東京都社会福祉協議会、全国社会福祉協議会を始めとする各種団体にて活動、FTIC理事を務める。2019年日本社会事業大学より福祉領域研究で高評価を得た研究者に与えられる木田賞受賞。日本老年医学会、アイルランド老年学会、EuGMS、日本遠隔医療学会、日本ロボット学会、日本認知症ケア学会等。
尾林和子教授コメント
「これ、オタマジャクシ?ネコ?あら、しっぽを振ってる!おもしろいっ!!!」これは、高齢者の方々がQooboに初めて会った時の感想の一部です。コミュニケーションロボットの中でもQooboは「つい、言葉が出てしまう」「つい、撫でてしまう」等、行動を「自然に引き出す」トリガーとなるところが印象的。人の心を動かし、高齢者ご本人だけでなく、周囲にも笑顔が広がることを確信した瞬間でした。「飽きない」存在であることも素晴らしいです。
<評価方法詳細>
評価基準と定義
それぞれの項目を5段階評価とする。
・それぞれの項目を、5段階評価(-2,-1,0,+1,+2)して効果度を数値化する。
評価の方法
・Qooboを一人に一つずつ提供し、その際の反応を10分間撮影する。
・この映像を評価者3人(介護現場スタッフ、主任クラス、評価指標改定担当者) がVC-IOE(J)指標を用い評価する。最終評価値は3者が合議し確定する。
・①初印象と②本調査をおこなう。
① First challenge impression(初印象調査)
対象者40名に対し、しっぽが動かないQooboとしっぽが動くQooboを初めて見たときに「どのような反応をされたか」を調査(マンツーマンでQooboをセッティングし、それぞれのリアクションを観察記録する)。
② 本調査
対象者20名(ひとりずつ一台のQooboをお渡しし、3週間24時間共に生活する)。
・個別に決められた時間に約10分Qooboを目の前に置いて、観察し、その映像を記録する。
・3週間の間に3回評価を行い、平均値を得る。
VC-IOE(J)指標を用いて評価し、導入前と導入後を比較する。
結果1:First challenge impression
両方を行った40名を比較すると…
しっぽが動かないQooboとしっぽが動くQooboの効果比較。
総合点では、しっぽが動くQooboによる効果が明らかに高かった。
結果2:First challenge impression各項目
各項目いずれの反応も、しっぽが動かないQooboの効果より、
しっぽが動くQooboによる効果が高かった。
このうち、
・言葉による肯定的反応
・視覚による肯定的反応
・他者やグループとしての反応
は、統計学的に意味のある変化であった。
結果3:3週間後の効果は?
3週間後の評価は、3日間3回の評価の平均を用いた。
・対象者20人名。うち3週間継続評価できた対象者17名。
・効果度は、平均5.7から7.8点へと上昇(ただし、paired t-test ではp=0.06)。
Qoobo効果は3週間たっても保たれている(上昇傾向)、といえる。
※詳細な実証結果は別紙資料をご参照ください。
※実証実験協力施設:老人保健施設「ハートフル田無」/特別養護老人ホーム「フローラ田無」
※関連動画「Qooboの実証実験視察」:http://tokyo-seishinkai.or.jp/20190809/
※この研究は、社会福祉法人東京聖新会の倫理委員会により承認を得たものです。また、調査対象者の選定基準は「ご本人とご家族の承認を得られること」また、「意思の疎通が図れること」としています。
◾️Qooboの歩み
2017年10月の発表からわずか1週間で動画再生数1,000万回を突破し、クラウドファンディングプロジェクトでは目標額の247%(12,360,156円)を達成。国内外の多くのメディアでも話題となった「Qoobo」は、発表から約1年の開発期間を経て、2018年11月より一般発売を開始。
2017年12月末から予約販売サイトで世界中から受付を開始し、発売前時点で国内外からの予約・受注数は併せて5,000匹を突破。一般販売開始後、AmazonのコミュニケーションロボットカテゴリーでAmazon売れ筋ランキング1位(2018年12月30日〜2019年1月5日実績)を達成。
現在までの出荷台数は10,000匹を超え、引き続き売り上げを伸ばしている。(2019年6月現在)
また、これまで多くの賞を受賞し、発売後も購入者によるSNSでの投稿や、メディア、店頭でも多くの反響を得ている。
◾️受賞歴
・2018年度 GOOD DESIGN賞/「グッドデザイン・ベスト100」
・2019年度 Red Dot Award/「Product Design 2019」 ほか
◾️ユーザーからの反響
各種SNSでの反響:twitter<#Qoobo>、Instagram<#Qoobo>
ユーザー様からの生の反響をまとめた動画:https://youtu.be/xWnn_ypoEoM
◾️Qooboによるストレスオフ効果を実証
10代~30代の男女38人に対して、Qooboの有無による心理状態評価を実施した結果、「Qooboを持った場合」は「Qooboを持っていない場合」と比較して、ストレス軽減効果を持つことが示されました。特に、「緊張・不安」「抑うつ・落ち込み」「疲労感・無気力感」の3つの心理状態評価において高い軽減効果が確認されました。詳細はこちら
◾️Qooboとは
毎日の生活に癒やしを求める人や、ペットを飼いたくても飼えない人に使っていただきたいと考え、ユカイ工学の持つロボティクス技術を活用して開発したロボットです。
「Qoobo」は、そっと撫でるとふわふわと、たくさん撫でるとぶんぶんと、しっぽを振って応えてくれるロボットです。撫で方によって変化するしっぽの反応を、撫でる人自身が解釈して擬似的な心のやりとりを生み出します。
◾️Qoobo開発ストーリー
「疲れて家に帰った時、癒やしの存在が家にいてくれたら…」というユカイ工学の女性デザイナーの想いをきっかけにプロジェクトがスタート。犬や猫のように癒やしを与えてくれるロボットをつくろうと、動物の「しっぽ」に着目しQooboを開発しました。開発にあたっては、膝に乗せたり抱き上げたりするときにちょうどいい重さ・サイズ感や撫でた時の気持ちのいい手触りにこだわりました。また、実際のしっぽを研究し、その動きを再現する機構やプログラムの開発を行いました。
Amazon販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B07H9QDNHR
米国Amazon購入ページ
HUSKY GRAY https://www.amazon.com/dp/B07H9BJWZN
FRENCH BROWN https://www.amazon.com/dp/B07H96X7PT
◾️Qoobo購入者データ(shopify予約者属性データ)※2018年8月末時点
性別問わず、バランスのよい需要の高まりがあるのが特徴的。
◾️Qooboの中身・機構について
まるで生物のようにしなやかに豊かな表現ができるよう、しっぽの構造には、数多くの実験と試作を繰り返してきました。できるだけ自然な動きが再現できるよう、各部分ごとに最適な素材を選択し、しっぽの部分ごとに美しくしなるように調整しています。また、いろいろな環境で人と過ごすことを考え、耐久性も考慮されています。
◾️製品名の由来
「Qoobo(クーボ)」は、フランス語で“しっぽ”を意味する「クー(Queue)」と「ロボット(Robot)」を結びつけた名称です。
◾️製品概要
製品名:クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」
サイズ:幅320×高さ150×奥行き520(mm)
重量:約1,000g
価格:12,000円(税抜)/149USD
電源:充電池(ニッケル水素充電池)
付属品:取扱説明書・保証書・充電ケーブル・ACアダプター(日本国内専用※アメリカ・韓国販売分は専用アダプタ同梱予定)
電池持ち時間:約 8 時間(稼働頻度による)
◾️ユカイ工学株式会社
ユカイ工学は、「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げ、様々な製品を開発・販売するロボティクスベンチャーです。主な製品に、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」や脳波で動く「necomimi」、フィジカル・コンピューティング・ツールキット「konashi3.0」、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」、音声コミュニケーション開発キット「codama」などがあります。また、より身近に人に寄り添う“究極にエモい”(エモーショナルな)ロボットへ進化する次世代機「BOCCO emo」は2020年初旬のサービス開始を目指し、開発を進めております。
自社製品の製造、販売ノウハウを元に、ロボットやIoT製品のコンセプトデザイン、試作、量産、販路開拓までを一気通貫でサポートしています。
◾️企業情報
ユカイ工学株式会社(Yukai Engineering Inc.)
代表取締役:青木俊介
本社:東京都新宿区富久町16-11武蔵屋スカイビル101
TEL:03-6380-4710
URL:www.ux-xu.com
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部