「今の気持ち」を言葉にするだけで、創造性が高まる?──感情ラベリングがもたらす力 

感情に名前をつける、それだけで脳は変わる

感情ラベリング(affect labeling)」という言葉を聞いたことはありますか? これは、怒りや不安、喜びといった自分の感情を「言葉にして認識する」行為を指します。言葉にするだけで感情は整理され、私たちの脳と心に良い影響をもたらす可能性があることが多くの研究で示されています。

アメリカ・UCLAのマシュー・リーバーマン博士の研究では、怒りや恐怖の表情を見た後に、その感情を「怒り」「恐怖」と言語化することで、脳の情動の中枢である扁桃体の活動が抑制される一方、前頭前皮質(感情をコントロールする領域)の活動が活性化されることが確認されました。扁桃体の活動が鎮静化したということは、ネガティブな顔の表情(怒りや恐怖)を見た時のネガティブな感情が抑制されたということになります。

さらに、別の研究では、感情ラベリングが自律神経系にも影響を及ぼし、心拍数や皮膚電位の低下、つまり生理的なリラックス効果があることも報告されています。これは単なる気休めではなく、行動神経科学的にも裏づけられた感情のセルフマネジメント法なのです。

SNSで気持ちを投稿する、それも立派な感情ラベリング

では、感情ラベリングは「心の中で言葉にする」だけに限られるのでしょうか?

実は、SNSへの投稿もそのひとつです。北京航空航天大学のルイ・ファン博士らの研究では、Twitter(現X)の74,000人以上のユーザーを対象に、「I feel 〜」という形式で感情をつぶやいた投稿と、その後のユーザーの感情の変化を追跡しました。

その結果・・・

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中