セイバリング(味わう)能力を高めて、今を大切にする

起業家と休暇

 起業をしてから、サラリーマン時代との違いを強く感じる場面のひとつが、休暇の過ごし方です。休めない、長い休みが取りづらいなど、時間的制約もさることながら、精神面での違いの方が大きいと感じます。どういうことかというと、起業してからは、休暇中でも、あらゆることを仕事と関連づけて考えてしまいがちになるということです。

 しかし、これはポジティブ心理学でいうセイバリング(Savoring:味わうこと) という概念からは、とても良くないことです。

 「味わうこと(セイバリング)」という概念は、米ロヨラ大学の社会心理学者フレッド・ブライアント博士によって提唱されたもので、学術的には、ポジティブな出来事に対する自分の感情をしっかり意識し、それに対して心を込めて関与することとされます。つまり、ポジティブな出来事をしっかりと噛みしめるということですね。(詳しくは、「今この瞬間を、味わう」をご覧ください)

 休暇中にセイバリングできていたかどうかで、休暇が主観的健康(喜びや幸福感)やウェルビーイング、そして、睡眠に与える効果が違ってくることを明らかにした研究があるので、次にご紹介します。

休暇の効果を左右するセイバリング

欧米では、2週間以上の長期休暇を取ることが一般的ですが・・・

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中