ネガティブ・ケイパビリティという能力
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは?
「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を聞いたことがありますか?これは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」を指します。(出典:『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』(帚木蓬生著/朝日新聞出版,2017)
別の言い方をすると、「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」となります。
「ケイパビリティ=能力」というと、何かを積極的に達成するために必要なものというイメージがありますが、「ネガティブ・ケイパビリティ」の場合、そのような積極的なものとは真逆の、「〜しない能力」を指します。
例えば、芸術家や作家が、芸術作品や本を創作・執筆するときや、研究者が研究テーマを探索するときなどに必ず遭遇する、「先が見えない宙釣りの状態」を支えるのに、ネガティブ・ケイパビリティが必要になります。そして、この能力は、芸術家や研究者に限らず、全ての人に必要とされる能力と言えます。
『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』の著者である、精神科医で作家の帚木 蓬生(ははきぎ ほうせい)さんは、作家としても精神科医としても、このネガティブ・ケイパビリティの必要性、重要性を痛感されており、著書の中で下記のように述べています。
分かりたがる脳とネガティブ・ケイパビリティ
このネガティブ・ケイパビリティは、私たちの脳の性質とは相容れないところがあります。私たちの脳は・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中