「衝動のサーフィン」でセルフコントロールする

ビジネスで衝動的になる瞬間

「衝動」を感じる瞬間というと、一般的には、アルコール、たばこ、食べ物(ジャンクフード、スナック類、スイーツなど)、ゲーム、あるいは、怒りなどが挙げられます。ビジネスではどうでしょうか?ビジネスでは日々いろいろなことが起きます。スタートアップのビジネスでは尚更その傾向が強いです。私がスタートアップ経営で一番経験する衝動は、「スマホへの衝動」です。特に、頻繁にデータをスマホでチェックしたくなる衝動ですね。

 私の会社では、健康系のアプリを展開していますが、以前は、このアプリのダウンロード数やアクティブ利用者数のチェックに翻弄されておりました。何をやっていても、次の瞬間、すぐにデータをチェックしたくなる衝動に駆られるのです。これは、他の衝動でも共通して見られる現象でしょう。上場企業の社長でしたら、自社の株価の動きをチェックしたくなる衝動に常に駆られるかもしれません。

 神経科学の観点からみると、衝動は、脳の奥深くに位置する大脳辺縁系から生み出される反応です。大脳辺縁系は、意識的な処理を必要とせず、情動や直感を生み出す場所です。それに対して、脳の前方に位置している前頭前皮質(前頭前野ともいう)は、大脳辺縁系から送られてきた衝動をよく吟味し、適切な反応になるように調整します。そのおかげで、私たちは衝動をそのまま行動に移してしまうことを防げるのですが、疲れていたりすると、この前頭前皮質によるコントロールに失敗してしまい、衝動のままに暴走してしまうことがあるのです。では、前頭前皮質の頑張りを支え、衝動にうまく対処するには、どうしたら良いのでしょうか?

「衝動のサーフィン」とは?

例えば、お酒を飲みたいという衝動に駆られたとき・・・

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中