現実を受け入れてストレスを受け流す

アップダウンへの対処

 どんなビジネスでも同じかもしれませんが、スタートアップのビジネスは、特に、アップダウンが激しいと思います。昨日良いことがあったと思ったら、翌日は悪いことが起きて、ジェットコースターに乗っているような気分になることが結構あります。このジェットコースターに振り回されていると、メンタルのリソース(資源)がとても消耗するため、私はある段階から、ひとつの習慣を身につけました。それは、ビジネスのアップダウンに対して、「喜びも落ち込みも、半分に抑える」ということです。

 落ち込みを半分に抑えるのは、意識すると比較的実行しやすいのですが、喜びを半分に抑えるのは、結構難しいと感じました。喜びはとことん味わう(セイバリング)方が、ポジティブ心理学の考え方に従えば、ウェルビーイングが高まっていいかもしれませんが(詳しくは、「今この瞬間を、味わう」をご覧ください)、スタートアップビジネスの中では、喜びをとことん味わうと、その後、ちょっとネガティブな出来事が起きただけで、喜びの感情が大きく毀損されてしまうように思います。

 したがって、喜びも、落ち込みも半分ぐらいに抑えておけば、アップダウンに対して、メンタルのリソース(資源)の消耗をかなり抑えることができると考えるようになりました。これは、学術的には、感情を評価せず、ただ受け入れる、「自己受容」という概念に近いと思います。

 

「自己受容」と心拍数の関係

 ストレスを低減する有効な手段として、「今ここ」に意識を集中するマインドフルネス瞑想がありますが・・・

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中