仕事に没入するために必要なこと
時間感覚を失うほど没入する
時間を忘れて仕事に没入した経験は、どれくらいありますか?
米国の心理学者ミハイ・チクセントミハイ博士は、時間感覚を失うほど、何かに没入している状態を「フロー」と呼びました。スポーツ選手やクリエイターは、この「フロー」という状態を経験しやすいと言われています。そして、スタートアップビジネスも同様だと私は思っています。自分たちのサービスをローンチするという目標に向かって、例えば、プロダクトを企画したり、ユーザーのログデータを分析したり、あるいは、投資家や潜在顧客へのプレゼン資料などを作っていると、「フロー」を経験しやすいと思います。
「フロー」の状態のときは、称賛や金銭的報酬といった外部からの利益は一切関係なくなり、活動それ自体が楽しく、自分の全ての意識がその活動に向けられている状態になります。
チクセントミハイ博士は、第二次世界大戦後に荒廃した祖国ハンガリーで、仕事や家などを失い、生きる希望をなくしてしまった大人達の姿を見て、「生きる事とは何か」「幸せとは何か」を考えるために、アメリカに移住し、心理学を学びました。そして、いつどんなときに人は幸せを感じるのかを、芸術家や科学者、スポーツ選手を対象として、インタビューを繰り返したのです。その結果、明らかになったのが、この「フロー」という状態です。
「フロー」になるための条件とスタートアップビジネス
チクセントミハイ博士は、フローが起きやすい主な条件として、次の7つを挙げています*。・・・
↓↓↓
【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中