クリエイティビティとメンタルヘルス
クリエイティブな職業と精神疾患の関係
「クリエイティビティ」と聞くと、オシャレで気取った人が突拍子もないアイデアを発案し、それを聞いたその他大勢の人は困惑する、などというシーンが思い浮かぶ人もいるのではないでしょうか。私たちの心の中に、「クリエイティブな人=変わっている人=メンタルが不安定?」などという固定観念が多かれ少なかれあるかもしれません。では、実際にクリエイティブな職業についている人のメンタルヘルスの状況はどうなのでしょうか。
スウェーデンのカロリンス研究所のシモン・キャガ博士らは、117万人のスウェーデン人の職業データと精神疾患の罹患に関するデータを分析して、クリエイティブな職業についている人(芸術家や科学者など)が精神疾患を患っている割合を調査しました。
その結果、クリエイティブな職業の人は、双極性障害(そう状態とうつ状態とを反復する精神疾患)の罹患率は高かったものの、その他の精神疾患(統合失調症、単極性うつ病、不安障害など)の罹患率は特別高くはありませんでした。ただし、クリエイティブな職業の中でも作家だけは、統合失調症、双極性障害、単極性うつ病、不安障害などの罹患率が高く、一般の人と比較すると自殺率が約2倍であることがわかりました。
クリエイティブな職業の人は、些細な現象にも敏感に反応する繊細な心を持っている人が多く、人と異なる新たな発想を生み出すことで、驚きや喜びといった内発的報酬を得たいという欲求が強い傾向があるようです。だからと言って、クリエイティビティはメンタルヘルスを害すると考えるのは早計です。なぜなら、クリエイティビティはとても幅広い概念だからです。
4種類のクリエイティビティ
クリエイティビティはとても幅広い概念だと述べましたが、アメリカのカリフォルニア州立大学サンバーナーディノ校心理学部(2009年時)のジェームス・カフマン博士は、クリエイティビティを4つのタイプに分類する「4C理論」を提唱しました。4Cとは・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中