反芻思考はクリエイティビティには役立つ!?

反芻(はんすう)思考とは?

反芻(はんすう)」という言葉を聞いたことがありますか?広辞苑*によると、「反芻(はんすう)」には、以下の2つの意味があります。

①一度のみこんだ食物を再び口中に戻し、噛み直して再びのみこむこと。

②二度三度くりかえし思い、考えること。

 1つ目の意味に関しては、典型的には、牛などの哺乳類がう行為です。今回取り上げるのは、2つ目の意味の方です。「二度三度くりかえし思い、考えること」は、その内容がポジティブなものである限りは、プラスに働くことでしょう。以前に、「味わうこと(セイバリング)」という概念について書きましたが(詳しくは、「今この瞬間を、味わう」をご覧ください)、「味わうこと(セイバリング)」は、ポジティブな出来事に対する自分の感情をしっかり意識し、それをしっかり噛みしめることですが、そうすることで、ウェルビーイング(幸福感)が高まるという研究結果が多数あります。

 しかし、繰り返し考える対象が、ネガティブなものになってしまったら、どうでしょうか。スタートアップビジネスでは、ジェットコースターのように目まぐるしく状況が変わることがあり、当然、ネガティブなことも多々起きます。私の場合は、一晩眠ると大体気持ちを切り替えることができるのですが、稀に、一晩眠っても、気分を変えられない(そもそも良く眠れない)ことがあります。これは精神的に一番キツい状態ですが、この時、まさに反芻思考が起きています。同じネガティブなことを考え続けてしまうわけですね。これが続くと、「メンタルが危ないんだろうな」と思いながらも、その思考からなかなか脱却できなくなるのです。

反芻はなぜ起きる?

心理学の研究では、「反芻」(rumination)とは、物事を何度も繰り返し考え続けることと定義されますが、・・・

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中