【論文検証】ガッツポーズが多い人は天然の幸せ体質!落ち込む時こそやってみよう

学術論文:
Body cues, not facial expressions, discriminate between intense positive and negative emotions.
Aviezer H1, Trope Y, Todorov A.
Science. 2012 Nov 30;338(6111):1225-9. doi: 10.1126/science.1224313.
http://science.sciencemag.org/content/338/6111/1225.full


あなたの周りに普段から「ガッツポーズ」をする人はいますか?どのような状況であれ、ガッツポーズをする仕草を見ると「この人、何か良いことがあったのかな?」と思いますよね。
私たちは相手の感情を判断する際、対象となる人の表情を基に判断していると考えてしまいますが、実は表情ではありません。

エルサレム大学のアヴィゼールらの研究によると、顔の表情よりも「身体のポーズ」が人の感情を判断する重要なポイントになることが、近年実証されました。
とはいえ、身体のポーズだけで相手の感情を判断できるのかと言われても、なかなかイメージができないものです。

今回は、彼らの研究実験の内容を解説するとともに「ガッツポーズ」が身体と心に与える影響をお届けします。

 

他人の心理状況を予測するために、アヴィゼールらの研究ではプロのテニスプレーヤーの試合中の姿に注目をしました。まずは実際に行われた実験内容を見ていきましょう。

 

① 勝って喜ぶ姿から負けて悲しむ姿まで、選手が試合中に見せる激しい感情を表した写真を用意します。

② 勝利をした時とそうでない姿、それぞれの「顔の表情」と「身体のポーズ」をバラバラにします。

③ バラバラにした「顔の表情」と「身体のポーズ」を組み合わせ、「勝利の表情×通常のポーズ」「敗北の表情×勝利のポーズ」というように、感情とポーズを変えた合成写真を作成します。

④ 被験者15名に、そのプレーヤーの感情(=勝敗)を判断させます。

 

さぁ、果たして結果はどうなったのでしょうか?

 

顔の表情と身体のポーズがバラバラになった合成写真を見たとき、人はどのような反応をするのか?被験者となった15名の総合的な反応結果をまとめてみました。

Aのポーズ写真をチェックすると、❶はガッツポーズ、❷は通常のプレー中です。一方で、Bは顔の表情のみをクローズアップ。これをランダムに組み合わせて勝った・負けたを判断してもらうと、表情に関わらず勝利のポーズ(ガッツポーズ)をした時に「勝った」というポジティブな反応を示しました。

つまり、表情よりも身体の動きによって「勝敗」を判断しているのです。
この結果から、脳は身体の動きにより騙されやすいことを示していることが分かりました。
ガッツポーズのような勝利のポーズ=無意識に脳をポジティブな方向に持っていくというわけです。

さらにガッツポーズは他人からポジティブに見られるだけでなく、自分自身のメンタルも前向きにしてくれます。仕事がうまくいかない、人間関係でストレスが溜まった、イライラが収まらない……、このような負の感情を抱いているときは、あえてガッツポーズをとってみましょう。沈んだ気持ちを引き上げる効果が期待できます。

いつでも、どこでも、誰でも簡単にできるガッツポーズ。幸せ体質になりたい人はぜひ、日常の動作にガッツポーズを取り入れてみましょう。

 


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部

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