【論文検証】猫背の人はストレスが溜まりやすいって本当?堂々と胸を張る人と猫背の人のストレス度合いを検証!
学術論文:
Power Posing: Brief Nonverbal Displays Affect Neuroendocrine Levels and Risk Tolerance
Dana R. Carney1, Amy J.C. Cuddy2, and Andy J. Yap1
1Columbia University and 2Harvard University
Power Posing: Brief Nonverbal Displays Affect Neuroendocrine Levels and Risk Tolerance[PDF]
子どもの頃、親に「姿勢を正しくしなさい!」と注意を受けたことはありませんか?
ピンと背筋を伸ばした姿勢は、見た目も堂々としていて前向きな印象を与えます。しかし、スマホやタブレットが普及した現代では、胸を張る姿勢よりも猫背でいる時間の方が多いというのが現実ですし、それを実感している人も多いはず。そんな「猫背」ですが、実はストレスを溜める原因の1つであると言われているのをご存じでしょうか。
猫背ポーズで本当にストレスが蓄積されるのか?実証データを元に、姿勢とストレスの関係性を解説したいと思います。
普段の生活において、自分の立ち姿や座り姿を意識したことはありますか?スマホやパソコン、タブレットを見ている時。テレビを見ている時。電車などに乗った時。つい無意識にやってしまうクセが少なからずあるのではないでしょうか。
普段の自分がどのようなポーズをとることが多いのか、まずは、いつも自分がどのような姿勢が多いか客観的にチェックしてみましょう。
ハイパワーポーズ:手足を開いたり胸を張る姿勢
ローパワーポーズ:手足を閉じて、胸を狭める猫背系の姿勢
毎日を過ごす中で、どちらのポーズが多いでしょうか。
ローパワーポーズだったという人はハイパワーポーズの人に比べてストレスを溜めやすい傾向にあると言われています。
ローパワーポーズが本当にストレスを増やしてしまうのか?
その謎を解き明かすために行われたハーバード大学の社会心理学者エイミー・カディらが研究をした実証実験を見てみましょう。
実験方法は簡単です。女性26名、男性16名の計42名を対象に、それぞれ個室で「ハイパワーポーズ」と「ローパワーポーズ」を1分間続けるだけです。
この時、各姿勢での唾液中のテストステロン(男性ホルモン)とコルチゾール(ストレスホルモン)を検査し、ストレス度合いをチェックしていきます。たった1分間姿勢を変えただけで、どのような結果が出るのでしょうか。
[結果の詳細]
ハイパワーポーズ:テストステロンが増加し、コルチゾールが減少
ローパワーポーズ:テストステロンが減少し、コルチゾールが増加
実験結果を見てみると、見事に正反対の反応が出ました。男性ホルモンであるテストステロンはネガティブな感情に蓋をする働きを持つため、イライラや不安を和らげる効果が期待できると言われています。
それに対し、コルチゾールはストレスに反応して分泌量を増やす通称ストレスホルモンとも呼ばれているもの。
つまり、この実験結果から分かるのは、猫背より胸を張るような堂々とした姿勢や態度をとる方がストレスへの耐性が高いというわけです。
日常生活の中で不安やストレスが消えないという人は、もしかしたら普段から背を丸めているような姿勢がクセになっている可能性がありますので、ぜひこの機会に自分の姿勢を見直してみてください。
ストレスを軽減させ、気力を充実させてくれるハイパワーポーズを日常に取り入れて、活力のある毎日にしてくださいね。
編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部