これからのオフィスに求められるのは、スペースに対して得られる価値や成果=スペースパフォーマンス
オフィス回帰傾向と求められる“コミュニケーション機能”
- 現在、オフィスに出社している従業員は93.0%(完全出社: 61.5%、ハイブリッドワーク:31.5%)、従業員の72.0%が会社に勤める上でオフィスが必要と回答。
- 「今後オフィスに期待する役割」の第1位は「社員同士のリアルなコミュニケーションの場」
感染対策に伴う“圧迫”に課題感
- 一方、従業員の約4割が現状のオフィスの感染対策にストレスを感じており、その要因として最も多く挙げられたのが「アクリル板等仕切りによる圧迫感」31.8%。
- オフィス整備担当者も「感染対策の手間が増えた」37.7%「有効に使えるスペースが少なくなった」31.6%と時間とスペースの圧迫を感じている。
オフィスへ求めることの変化と“スペースパフォーマンス”への意識
- 「新型コロナウイルス感染症流行後の出社スタイルの変化に伴いワークスペースの在り方も変えるべき」と従業員の60.5%、オフィス整備担当者の72.5%が回答。
- 従業員の52.5%、オフィス整備担当者の76.0%が「スペースに対して得られる価値や成果を今後意識すべき」と考えていることが判明。
ヘルスケアの観点から空間除菌消臭装置などを提供する日機装株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 甲斐 敏彦)は、全国8大都市の企業で働く従業員200名及び、企業でオフィスの整備に携わる方200名を対象に「オフィスに関する意識実態調査」を実施しました。
新型コロナウイルス感染症の流行により従来のあたり前が一変し、オフィスと働く人々の関係は大きく変化しました。改めてオフィスの役割や意義が問い直されているように思われます。そこで、多角的な観点からオフィスに対する意識・実態を把握するため、企業の従業員と、オフィス整備担当者にアンケート調査を実施。オフィスの現状や今後の在り方を探りました。
Topic 01. オフィス回帰傾向と求められる“コミュニケーション機能”
- 現在、オフィスに出社している従業員は93.0%(完全出社: 61.5%、ハイブリッドワーク:31.5%)、従業員の72.0%が会社に勤める上でオフィスが必要と回答。
- 「今後オフィスに期待する役割」の第1位は「社員同士のリアルなコミュニケーションの場」で従業員(42.5%)、オフィス整備担当者(44.5%)の最上位回答が一致。
はじめに現在の出社スタイルと、オフィスの必要性について調査を行いました。その結果、アフターコロナと言える社会情勢の中で、従業員の9割以上(93.0% ※完全出社: 61.5%、ハイブリッドワーク:31.5%)が現在何らかの形でオフィスに出社していることが判明。オフィス回帰の傾向が見られました。また、7割以上(72.0%)が会社に勤務するうえでオフィスが必要と回答。今後もオフィス回帰の傾向が続くことが予想されます。
従業員がリモートワークで感じた課題で最も多いのは「見たい資料が手元にない」こと。続いて、社内コミュニケーションの「量が減る」、「質が低下する」といった、コミュニケーションの課題を挙げています。こうした傾向を反映するように、従業員、オフィス整備担当者ともに、「今後のオフィスに期待する役割」の第1位は「社員同士のリアルなコミュニケーションの場」。リモートワークの経験と課題から、より質の高いコミュニケーションを求めている傾向が伺えます。
【今後のオフィスに期待する役割】
Topic 02. 感染対策に伴う“圧迫”に課題感
- 従業員の約4割が現状のオフィスの感染対策にストレスを感じており、その要因として最も多く挙げられたのが「アクリル板等仕切りによる圧迫感」31.8%。
- 一方、オフィス整備担当者は、「感染対策の手間が増えた」37.7%「有効に使えるスペースが少なくなった」31.6%と時間とスペースの圧迫を感じている。
続いて、改めてオフィス勤務をする中で感じた課題感について調査を行いました。その結果、従業員とオフィス整備担当者はそれぞれ異なる課題感を回答しましたが、その回答からは“圧迫”という共通のキーワードが浮かび上がってきました。
従業員の4割近く(38.1%)がオフィスの感染対策にストレスを感じており、中でも「アクリル板等仕切りによる圧迫感」(31.8%)を挙げる声が最も多いという結果に。一方、オフィス整備担当者は、「感染対策の手間が増えた」「有効に使えるスペースが少なくなった」といった課題感を挙げており、時間やスペースの面で圧迫を感じていることが明らかとなりました。
Topic 03. オフィスへ求めることの変化と“スペースパフォーマンス”への意識
- 「新型コロナウイルス感染症流行後の出社スタイルの変化に伴いワークスペースの在り方も変えるべき」と従業員の60.5%、オフィス整備担当者の72.5%が回答。
- 従業員の52.5%、オフィス整備担当者の76.0%が「スペースに対して得られる価値や成果を今後意識すべきと思う」と考えていることが判明
最後に、これまでに明らかになった課題を踏まえ、今後のオフィスに対する意向を調査しました。両者ともに、アフターコロナのオフィス回帰という大きな変化に伴い、ワークスペースの在り方を変えるべきと考えていることが分かりました。オフィスで改善したいことの上位には、従業員で「人が動きやすいレイアウト」「常に快適な空気の維持」「圧迫感を感じさせない空間づくり」。オフィス整備担当者においては「人が動きやすいレイアウト」「スペースの効率的な活用」「オフィスの整備、管理の低コスト化」という結果が挙がりました。従業員においては、リモートワークで感じた課題を踏まえてか、コミュニケーションの促進につながる環境整備を求めていることが伺えます。一方のオフィス整備担当者は、そうした環境を実現するだけではなく、スペースの効率活用・コスト削減と両立させていくことを重視しているという傾向が見えてきました。
また、従業員の半数以上(52.5%)オフィス整備担当者の7割以上(76.0%)が「スペースに対して得られる価値や成果を今後意識すべきと思う」と回答。オフィス空間から得られる効果やその空間で生み出す成果に対する関心が高まっています。ビジネス現場では「コストパフォーマンス(コスパ)」があたり前に意識されていますが、アフターコロナ時代を迎え、スペースそのものや、空間づくりに関わるコストに対して得られる価値や成果、すなわち「スペースパフォーマンス(スペパ)」を重視する傾向が明らかになったと言えるのではないでしょうか。
【オフィスで改善したいこと】
<専門家コメント>
岡田 大士郎氏(一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム シニアアドバイザー)
これからのオフィスに求められる「スペースパフォーマンス」を向上させる「場」つくり
日機装が行った調査では、従業員とオフィス整備担当者の両者が、「働く空間が生み出す効果を意識する」と回答しています。オフィスに対して求めるものが、単なる作業の場ではなく、より良質なコミュニケーション、ひいては、パフォーマンスを生み出す場所という認識に変質したのでしょう。
こうした中で、これからの時代のオフィス整備担当者には、従業員のワークスタイルやワークモードを実践的に演出してゆくクリエイティブデザイナーとしての役割が求められます。オフィスにおける「価値創造」をプロデュースすべく、機能的且つ効果的で、働く人々が「心理的安全性」や「居心地の良さ」を感じられるオフィス空間を設計していくのです。また、調査の結果から「スペースに対して得られる価値や成果」に対する意識の高まりが見て取れるように、オフィススペースの効率性を追求することも重要です。まさに「スペースパフォーマンス(空間対効果)」とでも表現すべき考え方を追求する必要があるのです。
この「スペースパフォーマンス」を最大化するには、働く人々の「感性」を刺激し偶発的なものまで含めた価値創造を誘発させるアフォーダンス(※)を最適化すること。そして、クリエイティブな思考を高めるようなウェル・ビーイングな仕掛けを構築する必要があります。“最適化”や“仕掛け”の具体例としては、外光の取り入れ方や時間帯に合わせたオフィス内の「照明・照度マネジメント」、不快音の除去と適度なホワイトノイズやハイレゾサウンドBGMによる「空間音マネジメント」、オフィス空間の「クリーンエアマネジメント」といったものが挙げられます。
クリーンエア対応は、床置きの「空気清浄器」「除菌脱臭機」が一般的ですが、「スペースパフォーマンスを高める」という観点ではオフィス空間の効率化に繋がる天井対応型やダクト組込型の製品なども注目すべきアイテムです。また、フィルター交換有無やメンテナンスの簡単さなども製品選びにおいて重要なポイントになります。交換費用や手間も空間づくりのコストとなりますので、フィルター交換の必要がなく、メンテナンスの簡単なものを選ぶことが重要になると考えます。
コミュニケーションと躍動感に溢れ、安心安全の「居心地」を提供してゆく「場」としての「リアルオフィス」プロデュースする。オフィス整備担当者が意識すべき「戦略総務」の視点と言えます。
※環境がそこに生活する動物に対して提供(アフォード)する「価値」や「意味」
岡田 大士郎
一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム シニアアドバイザー
株式会社HLD Lab 代表取締役
日本興業銀行(現・みずほ銀行)へ入行。2005年にスクウェア・エニックスに入社し、2007年まで米国Square Enix, Incの社長(COO)として米国事業に携わった後、「組織風土並びに 働き方改革」をミッションとして総務部長に就任。クリエイティブ・ワークプレースダイナミクスの実践と、コンテンツ制作業務における価値創造支援を行う「場」つくりに取り組んだ。2019年1月に株式会社HLD Labを創業。並行して、一般社団法人日本ライフシフト協会理事、一般社団法人ファシリティ・オフィスサービスコンソーシアム(FOSC)副代表理事など、様々な社会活動に取り組んでいる。
<フロアの効率的な使用につながる 天井設置型・ダクト組込型エアロピュア>
「スペースパフォーマンス」を高めていくためには、その空間において質量ともにすぐれたアウトプットを生み出すための創意工夫に加え、スペースの効率性を追求することも重要となります。感染対策の一環として空気清浄機や除菌脱臭機を導入している企業も増えてきましたが、スペースの効率性を高めていくためには、床置きタイプではなく天井や空調設備に設置するタイプを導入することもひとつの方法です。また、本調査では、従業員の約半数、オフィス整備担当者の約7割が、「オフィスの空気環境はパフォーマンスに影響を与える」と回答。生産性向上の面においても空間の除菌・消臭ができる機器の導入は、重要な役割を果たすと考えられます。
<システム天井対応型 除菌消臭装置 エアロピュア シリーズC>
エアロピュア※1は、医療機器メーカーである日機装がお届けする、除菌※2と消臭に特化した製品です。ノーベル賞受賞者と共同開発をした深紫外線LEDと、光触媒フィルターを組み合わせた除菌消臭技術で、空間をよりクリーンに保ちます。
シリーズCは、シリーズ初のシステム天井対応型。天井裏から天吊りするだけで設置可能。また、既設物件への設置も可能です。1台で約30畳(目安)の空間を清浄化します。
<ダクト組込型 除菌消臭装置 エアロピュア シリーズD>
シリーズDは、空調設備内のダクトに組み込むタイプです。ダクト内に取り込んだ空気を除菌・消臭し、室内へ放出。清浄化された空気が空調設備を通って室内を循環することで、空気環境が改善されます。
空調設備はそのまま、ダクトの改造工事のみでお使いいただけます。
※1:「エアロピュア」は、日機装株式会社の登録商標です。
※2:本製品は医療機器ではありません。実使用空間での実証効果ではありません。ご使用方法や状況によって効果は異なります。
<調査概要>
調査手法 | インターネット調査 |
調査主体 | 日機装株式会社 |
調査会社 | 株式会社ディーアンドエム(クロス・マーケティンググループ) |
調査期間 | 2022年9月27日~30日 |
調査対象 | 全国8大都市(東京都区部・大阪市・名古屋市・福岡市・静岡市・札幌市・仙台市・広島市)の企業で勤務する20~60代の ①企業で働く従業員200名※オフィスの整備などを担当する方200名※ ②オフィスの整備などを担当する方200名※ |
※職業を「会社勤務」又は「専門職」と回答した上記全国8大都市の企業・事務所で勤務する人のうち、「あなたご自身は「オフィスの環境整備」に関わる意思決定に、どの程度関与していますか。」という設問に対して「決裁権があり意思決定に関与している」または「決裁権はないが意思決定に関与している」のどちからかに該当する人を「オフィス整備担当者」とし、どちらも該当しない人を企業で働く「従業員」として調査。
<調査結果詳細>
Topic 01. オフィス回帰傾向と求められる“コミュニケーション機能”
- 01. 現在、オフィスに出社している従業員は93.0%(完全出社: 61.5% ハイブリッドワーク〔出社とリモートワークの組み合わせ〕31.5%)
- 02. 従業員の72.0%が会社に勤める上でオフィスが必要と回答。
- 03. 従業員がリモートワークで感じた課題で最も多いのは「見たい資料が手元にない」38.7%で社内コミュニケーションの「量が減る」35.5%「質が低下する」34.4%が続く
- 04. 「今後オフィスに期待する役割」の第1位は「社員同士のリアルなコミュニケーションの場」で従業員(42.5%)、オフィス整備担当者(44.5%)の最上位回答が一致。
Topic 02. 感染対策に伴う“圧迫”に課題感
- 05. 従業員の38.1%がオフィスでの感染対策にストレス。ストレスを感じる部分で多いのは「アクリル板等仕切りによる圧迫感」31.8%、「感染対策に対する意識の違い」27.3%
- 06. 新型コロナウイルス感染症流行前と比べて現在のオフィスに課題を感じるオフィス整備担当者は57.0%。課題上位3つは、「感染対策の手間が増えた」37.7%、「有効に使えるスペースが少なくなった」31.6%、「空気清浄機など感染対策用品がスペースを奪っている」31.6%。
Topic 03. オフィスへ求めることの変化と“スペースパフォーマンス”への意識
- 07.「新型コロナウイルス感染症流行後の出社スタイルの変化に伴いワークスペースの在り方も変えるべき」と従業員の60.5%、オフィス整備担当者の72.5%が回答。
- 08. オフィスについて改善の必要性を感じることとして従業員の上位3点は、「人が動きやすいレイアウト」26.5%、「常に快適な空気の維持」21.0%、「圧迫感を感じさせない空間づくり」20.0%。「特にない」という人は31.5%で、何らかの改善点を上げた人が68.5%。
- 09. オフィス整備担当者の上位3点は「人が動きやすいレイアウトづくり」27.5%「スペースの 効率的な活用」27.5%、「管理の低コスト化」27.0%でした。「特にない」という人は13.0%で、何らかの改善点を上げた人が87.0%。
- 10. 従業員の48.5%、オフィス整備担当者の74.0%がオフィス内の空気環境が仕事のパフォーマンスに影響すると回答。
- 11. 影響している点で多いのは従業員で「集中力」45.4%、「コミュニケーションの活性度」36.1%。オフィス整備担当者で「コミュニケーションの活性度」44.6%、「コミュニケーションの濃度」38.5%
- 12. 従業員の52.5%、オフィス整備担当者の76.0%が「スペースに対して得られる価値や成果を今後意識すべきと思う」と回答。
以上
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部