高まる「デジタル認知症」のリスク!?「動画視聴」や「SNS」利用増で記憶力・集中力の低下等を警告

アクサ生命保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:安渕聖司、以下、「アクサ生命」)は、20代~60代の男女1,000名を対象に、「ニューノーマルと認知症に関する意識調査」を実施しました。本調査では、新型コロナウイルス感染症の影響による行動やメンタルの変化と、自身や周りの人々の「認知症」に対する意識について聴き、現代の認知症リスクと課題を考察します。
※スマートフォンやパソコンなどデジタル機器への依存によって、記憶力・集中力・注意力の低下や、言語障害といった認知症に似た症状がでること
【調査トピックス】
▶行動やメンタルの変化

-「コミュニケーションや運動の減少」、「スマートフォン利用の増加」が認知症やデジタル認知症のリスクを高める
-SNSや動画といったWebサービスの利用が増えた人は、孤独感やストレスが増加
▶認知症に関連しうる自覚症状
-約4割の人が「自覚症状が増加した」と感じている
▶認知症への不安と対策
-本人・家族の認知症に対する不安は大きい一方、未対策は9割にのぼる
▶認知症の共生と予防
-「認知症との共生」に対する不安は半数以上に
▶世界的な脳科学の第一人者 川島隆太博士コメント「外出自粛や行動制限で、脳の機能低下を懸念している」【調査概要】
調査名:ニューノーマルと認知症に関する意識調査
調査期間:2020年12月
調査方法:ウェブアンケート
調査対象:20代~60代の男女
回答者数:1,000人
※複数回答の場合は、回答者数を100%として算出しています。
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100%とはなりません【調査背景】
認知症は、日本が抱える大きな課題のひとつです。総務省の推計(※1)では、認知症高齢者は平成24年で約462万人存在し、令和7年(2025年)には約700万人に達すると予測されています。この課題に対し、政府は認知症への理解を深めるための普及・啓発や、認知症の人やその家族の視点を重視した施策の推進を進めています(※2)。アクサ生命は、お客さまから信頼いただける「パートナー」として、お客さまに自信をもってより良い人生をお送りいただけるよう寄り添い、大切なものをお守りするという使命のもと、日々、商品やサービス、アドバイスの提供に努めています。「認知症との共生と予防」という社会的な課題については、2019年より革新的な商品・サービスの提供や情報コンテンツの拡充、発信に取り組んでいます。一方、私たちの生活は新型コロナウイルス感染症の影響により、外出自粛や新しい生活様式「ニューノーマル」に沿った行動によって、以下のような変化が起きています。

・「巣ごもり」により運動機会は減少傾向
・食事の買い置きによって栄養が偏りがちに
・対面コミュニケーションの減少により脳の認知機能が低下傾向
・テレビなど受動的なメディアとの接触が増加、暗いニュースにより気持ちが低下し、ストレスが増加

これらは認知症のリスクを高める要因と合致します。「アクサの脳トレ」を監修する株式会社NeU(以下、NeU)取締役CTOの川島隆太博士は、「対面コミュニケーションの減少は、脳の前頭前野の活動が低下する懸念がある」とし、「長期的視座に立つと認知機能の低下の懸念は増加していく可能性が高い」と指摘。また、「テレビやスマートフォンなどの長時間視聴は、前頭前野の血流が低下し、働きに抑制がかかり、脳の衰えを加速させる懸念がある」と示唆しています。

こうした行動の変化と川島隆太博士による研究結果を踏まえ、アクサ生命は新型コロナウイルス感染症の影響下における、認知症のリスクと意識に関する生活者調査を1,000名を対象に行いました。この調査結果が、「認知症との共生と予防」と向き合い、その課題解決を通じて、私たちのよりよい未来づくりにつながる契機となることを願っています。

(※1)総務省による試算(https://www.soumu.go.jp/main_content/000686983.pdf
(※2)新オレンジプラン(https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12304500-Roukenkyoku-Ninchishougyakutaiboushitaisakusuishinshitsu/01_1.pdf

【調査詳細】
▶行動やメンタルの変化
-認知症やデジタル認知症のリスクを高める「コミュニケーションや運動の減少」、「スマートフォン利用の増加」
-SNSや動画といったWebサービスの利用が増えた人は、孤独感やストレスが増加

まず、新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて、私たちの様々な行動に対する変化を調査しました。「旅行する」、「対面コミュニケーション」、「スポーツをする」、「映画・演劇鑑賞」といった、外出や人との接触を伴う行動は大幅に減少し、運動量や対話による刺激が低下している傾向にあることが改めて浮き彫りとなりました。これは、脳機能の維持に大切な有酸素運動や、コミュニケーションによる能動的な刺激の減少を示唆しており、認知機能低下のリスクの高まりが懸念されます。

増加した項目には、デジタル機器の利用を伴う「動画視聴」や「SNS」があり、スマートフォンやパソコンなどデジタル機器への依存によって、記憶力・集中力・注意力の低下や言語障害といった認知症に似た症状がでる「デジタル認知症」のリスクが高まっていることがうかがえます。

認知機能の維持・向上には、「頭を使うことで脳の前頭前野の血流が上昇(=活性化)することが重要」ということが、研究からわかっています。川島博士の見解では、「前頭前野をしっかり活性化させるには、適度な負荷が重要でリラックスした状態では活性化しないと考えられています。たとえば、音読をする、簡単な計算問題を全力で解く、調理をする、楽器を演奏する、人と対面で会話をするなど、目的をもって能動的に脳を使うことで、適度な負荷がかかり認知機能の維持・向上につながります。」

一方、テレビやスマートフォンなどインターネット端末での「動画視聴」や「SNS」の利用は、視覚にかかわる「後頭葉」と、聴覚にかかわる「側頭葉」ばかりが使われ、前頭前野の血流はむしろ低下して働きに抑制がかかり、ぼーっとした状態になります。この、ぼーっとした前頭前野を使わない状態が毎日続くと、認知機能が次第に低下し、長期的には認知症リスクを高めることが懸念されます。

 

新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて、「孤独感」を感じることが増えた人は4人に1人、「ストレス」を感じることが増えた人は約半数にも上りました。その理由を伺うと、外出制限やリモートワークなどからの孤独感や、マスクの着用、新型コロナウイルス感染症に関するネガティブな報道、家族が日中一緒にいることによるストレス、といった声が上がりました。

川島博士は、「長期にわたるストレスや強度のストレスを受けると、記憶を司る海馬など脳に悪影響を及ぼすことがわかってきました。コミュニケーションに関する行動の減少以外に、このようにメンタル面からも認知症のリスクが高まっていることが懸念されます」と指摘しています。

行動の変化と、ストレス・孤独感との関係を見ると、全体平均と比べて「SNS」や「動画」、「スマートフォンのゲーム」といったWebサービスの利用が増えたと回答とする人は、「孤独感」や「ストレス」を感じるようになったと回答した割合が高くなりました。SNSやネットゲームなどのWebサービスの利用増加は、脳が同時処理しなくてはならないマルチタスク状態が続くことで脳が疲労しやすくなり、ストレス処理能力が低下することが示唆されています。

ニューノーマルの認知症対策のために→ https://www.axa.co.jp/prospect/brain-training/dementia

▶認知症に関連しうる自覚症状
-約4割の人が「増加した」と感じている

認知症に関連しうる自覚症状について伺うと、約4割の人が何らかの自覚症状が増えたと回答しました。「イライラ/怒りっぽい」、「無気力」、「日付が出てこない」、といった認知機能の低下を含む自覚症状が一定数上がっています。新型コロナウイルスの感染拡大は、単純な感染リスクだけではなく、副次的に発生した刺激の減少から認知機能の低下、そして長期的には認知症リスクにも影響を与えることが懸念される結果となりました。

▶認知症への不安と対策
-本人・家族の認知症に対する不安は大きい一方、未対策は9割

「自分や家族が認知症になること」への不安は、それぞれ約6割が「感じている」と回答しました。一方で、認知症への対策については、9割以上ができていないことがわかりました。「自分が認知症になるとしたら何歳くらいだと思うか」を伺うと、「70歳前後」の回答が多く、まだ先のこととして対策を後回しにしている実情がうかがえます。

認知症の対策をしていると回答した人に具体的な対策内容を伺うと、「貯金」、「保険」、「身辺整理」が上位となりました。「認知症になったら不安に思うこと」も伺うと、「周囲の人に迷惑をかけたくない」といった主旨の回答がもっとも多く、それを裏付けるような対策内容となりました。

「もし自分が認知症になったとしたら、一番不安に思うこと」回答抜粋

「家族に迷惑をかけること」(40代・男性)
「お金のこと」(50代・女性)
「愛する人たちを忘れてしまうこと」(30代・男性)
「介護してくれる人がいない」(30代・女性)
「介護施設に入れるかどうか」(50代・男性)

▶認知症との共生と予防
-「認知症との共生」、不安は半数以上に

認知症との共生社会に向けて現状の意識を伺うと、「認知症の人への対応に不安がある」が56.6%、「一緒に働くことを想像できない」が62.4%という結果になりました。認知症との共生社会を実現するためには、この数値を減らしていくアクションが社会全体で必要となります。

また、認知症予防についても伺いました。予防のために取り組みたい行動は、「対面コミュニケーション」、「ウォーキング・ジョギング」、「散歩」、「買い物」、「旅行」といった結果が上位となりました。

年代別に見ると、「特にない」と回答した人は20代で35.5%、60代で13.0%と、60代の約9割は認知症予防に向けて何かしら取り組みたいと考えており、認知症予防に対する意識の高さがわかります。60代は他世代と比べて、「ウォーキング・ジョギング」、「買い物」、「旅行」、「料理」といった項目の回答率も高く、認知症予防のために、日々の行動をより良くしていこうという意志が見られます。

▶世界的な脳科学の第一人者 川島博士コメント「外出自粛や行動制限で、脳の機能低下を懸念」

「新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や行動制限で、脳の機能の維持に大切な有酸素運動やコミュニケーションの機会が減り、脳の機能低下が懸念されています。今回のアンケートからも、脳にマイナスな行動が増えるなどの変化が起きていることがわかりました。このままの生活スタイルが定着すると、脳の衰えを加速させる恐れがあります。

ご高齢の家族がいらっしゃる方は、認知症や軽度認知症害(MCI)の進行につながる心配がありますので、できれば人の少ない場所での散歩に誘ったり、電話やテレビ通話などでコミュニケーションの回数を増やしたり、脳トレアプリや脳トレドリルをプレゼントしたり、脳によい生活環境づくりをサポートしましょう。また、働いている人も、自宅で有酸素運動をしたり、在宅勤務でも同僚とのコミュニケーション方法を工夫したり、頻度も意識して、脳の機能を維持することを心がけてください。効果的に脳を鍛えるためには、1日10分、前頭前野を活性化させる脳トレも有効です。」

▶川島博士監修による「アクサの脳トレ」アクサ生命は、ご契約者さま向けウェブサービス「Myアクサ」を進化させた『Emma by アクサ(エマ バイ アクサ)』の提供を2020年11月より開始しました。その中のコンテンツとして、世界的な脳科学の第一人者である川島博士監修による「アクサの脳トレ」を展開しています。科学的研究に基づいて開発された「脳トレ」ゲームを継続的に行うことで、認知症の予防や日々の集中力を向上させる効果が期待できます。

アクサ生命は今回の調査結果を踏まえ、今後も認知症に向き合い、能動的な意志を持ち共生に向けて行動する人々を応援していきます。みなさまのライフマネジメントに寄り添い、よりよいパートナーを目指して活動を続けてまいります。

<川島隆太博士について>
株式会社NeU 取締役CTO(最高技術責任者)、兼東北大学加齢医学研究所所長
東北大学大学院医学研究科修了、スウェーデン王国カロリンスカ研究所、東北大学加齢医学研究所助手、講師、教授を経て、2014年より同研究所所長。任天堂DSゲームソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」、学習療法を応用した『川島隆太教授の脳を鍛える大人の音読ドリル』シリーズ(くもん出版)など脳トレの第一人者。脳機能開発研究の国内第一人者であり、研究で得た知見を産学連携に応用、その実績から総務大臣表彰、文部科学大臣表彰。

<株式会社NeUについて>
会社名:株式会社NeU(ニュー)
所在地:東京都千代田区神田司町 2-2 新倉ビル
代表者:代表取締役CEO 長谷川 清
資本金:3億5,900万円(資本剰余金含)
事業内容:脳科学の産業応用事業
URL: http://neu-brains.co.jp/

ニューノーマルの認知症対策のために→ https://www.axa.co.jp/prospect/brain-training/dementia 

アクサ生命について
アクサ生命はアクサのメンバーカンパニーとして1994年に設立されました。アクサが世界で培ってきた知識と経験を活かし、254万の個人、2,400の企業・団体のお客さまに、死亡保障や医療・がん保障、年金、資産形成などの幅広い商品を、多様な販売チャネルを通じてお届けしています。2019年度には、2,387億円の保険金や年金、給付金等をお支払いしています。

アクサグループについて
アクサは世界54ヶ国で15万3千人の従業員を擁し、1億500万人のお客さまにサービスを提供する、保険および資産運用分野の世界的なリーディングカンパニーです。国際会計基準に基づく2020年度通期の売上は1,032億ユーロ、アンダーライング・アーニングスは43億ユーロ、2020年12月31日時点における運用資産総額は10,320億ユーロにのぼります。アクサはユーロネクスト・パリのコンパートメントAに上場しており、アクサの米国預託株式はOTC QXプラットフォームで取引され、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)やFTSE4GOODなどの国際的な主要SRIインデックスの構成銘柄として採用されています。また、国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)による「持続可能な保険原則」および「責任投資原則」に署名しています。
*上記のアクサグループ数値は2020年度のもの

 

 


 

掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部