新生活のリズムを整える!モーニングルーティンに1杯のジュースを
●緊急調査レポート
新生活シーズンの疲れの原因は、“生活リズム”の変化にあった!?
●有名実業家たちも実践!?生活リズムを整える新習慣、いま話題の“モーニングルーティン”とは?
●朝の過ごし方で1日が変わる!モーニングルーティンで家族みんなの“働き方改革”
〜脳神経科学 枝川義邦先生解説〜
●専門家がさらに解説!モーニングルーティンに“果汁”がおすすめな3つの理由
〜健康科学 福田千晶先生解説〜
●TOPIC
実証実験でも効果を確認!あの学習塾も“果汁”に注目しています。
緊急調査レポート
新生活シーズンの疲れの原因は、“生活リズム”の変化にあった!?
昨今ますます注目が高まる“働き方改革” 、時を同じくして小中学校では新学習指導要項の移行措置期間がスタート。ただでさえ環境が変化しがちな新生活シーズンですが、今年は例年にも増してあわただしい春を迎える人が多くなりそうです。そこでトロピカーナでは、新生活シーズンに関する緊急調査を実施。今回はその調査結果からご報告します。
<調査概要>調査対象:全国の20~50代の男女200名 調査方法:インターネットによるアンケート調査 調査時期:2018年2月
新生活シーズンは疲れやすいと感じる人、過半数超!
新生活シーズンになると、「どうもからだの調子が悪い」「疲れやすい」といった言葉をよく耳にしますが、実際のところ、どのくらいの人が新生活シーズンは疲れやすいと感じているのでしょうか。そこで、全国の20〜50代の男女200名に、新生活シーズンは他のシーズンと比べて疲れやすいと感じたことはあるかどうかを調査。今回の調査では、過半数を超える52%の人が「ある」と回答する結果になりました。
新生活シーズンの疲れの原因は、生活リズムの変化にあった!?
さらに、新生活シーズンの疲れの原因をたずねたところ(※1)一番多かった回答は「生活リズムの変化」でした。新年度、新学期を迎え、自分自身はもちろん家族をとりまく環境が大きく変化する新生活シーズンを軽快に過ごすための鍵は、どうやらこの“生活リズム” にありそうです。
※1)前問で「新生活シーズンは他のシーズンと比べて疲れやすいと感じたことはない」と答えた人は、一般的な新生活シーズンの疲れの原因として考えられるものを回答
生活リズムを整えたい人、87%!9割の人が朝型にしたいと回答!!
なお、別の問では、87%の人が新生活シーズンにむけ「生活リズムを整えたい(※2)」と回答。
また、生活リズムを考える際、朝型か夜型かというのはよく議論されることですが、今回の調査では実に9割の人が「生活スタイルに朝型にしたい(※3)」と考えていることがわかりました。
※2)すでに実践しているので保ちたい(31%)、実践したい(25%)、実践したいが難しそう(31%)の合計
※3)すでに実践しているので保ちたい(39%)、実践したい(26%)、実践したいが難しそう(25%)の合計
有名実業家たちも実践!?生活リズムを整える新習慣、いま話題の“モーニングルーティン”とは?
多くの人が取り入れたいと考えている朝型の生活スタイル。数年前には“朝活”のキーワードで、早朝からビジネススクールやエクササイズジムなどに通い、朝の時間を有効に使おうとする人たちの姿が話題となりましたが、さらに新しいムーブメントとして、いま、 “モーニングルーティン”という言葉がインターネットを中心に広がりをみせています。
海外のYoutuberから火がついたと言われる“モーニングルーティン”。やや聞きなれない言葉ですが、世界の有名実業家やアスリートたちの多くが公言している“ルーティン”をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
“モーニングルーティン”は、言い換えれば朝の習慣です。おおまかには、毎朝、決まった時刻に決まった行動をとることを指していますが、実践者として知られる著名人の多くが、早起きで、朝のうちに実に多くのことを済ませ、1日24時間を規則正しく、有効に使っていることも注目すべき点です。それはまさに、多くの人が理想と考える朝型の生活です。
“働き方改革”などを背景に時間の効率化に人々の関心が高まるなか、“モーニングルーティン”は、やはりいま最も注目すべきキーワードのひとつだと言えそうです。
朝の過ごし方で1日が変わる!
モーニングルーティンで家族みんなの“働き方改革”
いま話題の“モーニングルーティン”。実際にはどんな効果が期待されるのでしょう。そこで、脳神経科学の権威で、昨今の睡眠負債や脳活などの解説でもご活躍の早稲田大学の枝川義邦先生にお話をうかがいました。
枝川義邦先生 早稲田大学研究戦略センター教授(早大ビジネススクール兼担講師)。1998年東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了、博士(薬学)。2007年早稲田大学ビジネススクール修了、MBA(経営学修士)。同年、早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定を受ける。脳の神経ネットワークから人間の行動まで、マルチレベルな視点による研究を進めており、経営と脳科学のクロストークを基盤とした執筆や研修も行っている。著書に『ぐっすり眠れる睡眠の本』、『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』、『記憶のスイッチ、はいってますか〜気ままな脳の生存戦略』など。2015年度に早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年度にユーキャン新語・流行語大賞を受賞。
1日の生活リズムを整える有効な手段、“モーニングルーティン”
適切な時間の睡眠をとったうえで、毎朝、決まった時刻に起き、決まった時刻にしっかりと朝食をとる、といった規則正しい生活は、1日を軽快にスタートするために非常に有効なことです。
最近は“モーニングルーティン”という言葉もあるようですが、生活リズムを整え1日のパフォーマンスをアップさせることはとても効果的な手段です。
“モーニングルーティン”の鍵は、朝食の時間と内容
脳への唯一の栄養分、“ブドウ糖”の補給は特に意識して!
人間の体内時計は実は、1周が24時間よりやや長く設定されているので放っておくとどんどん1日24時間のリズムから遅れていってしまいます。このリズムを整える最も効果的な手段として、朝起きたら太陽の光を浴びるとよい、というのは聞いたことがある人も多いと思いますが、実は毎朝決まった時間に朝食をとり、
脳や身体のスイッチを日中モードに切り替えることも、体内時計(1日の生活リズム)を整えるうえでは非常に重要なのです。
特に脳にとっての唯一の栄養分である“ブドウ糖”は、寝ている間のプチ断食状態で不足しがち(※4)なので、しっかり朝食で補充することが重要です。なお、“ブドウ糖”は、炭水化物や果物、はちみつなどに多く含まれています。ダイエットのために朝食、特にカロリーが気になる糖類はとりたくない、という人もいるかもしれませんが、ダイエット目的ならばむしろ朝食は食べることをおすすめします。朝食でとったカロリーは1日の生活のなかで大半が消費されるものです。逆に摂取カロリーを低く抑え続けていると、脂肪を蓄えやすい身体になってしまいます。蓄えた内臓脂肪が血管内に溜まり、脳の血管を詰まらせたりすると、それこそ脳を老化させ、思考やそれにともなう行動のパフォーマンスを落としてしまうことにもつながります。
※4)Best Pract Res Clin Endocrinol Metab. 2010 October ; 24(5): 687–702. doi:10.1016/j.beem.2010.07.005.
“モーニングルーティン”は、“働き方改革”にもつながる!?
朝食を中心とした“モーニングルーティン”で脳のスイッチを日中モードへとスムーズに切り替え、その日1日の思考やそれにともなう行動のパフォーマンスをアップさせることは、作業の効率化にももちろんよい影響を与えます。時間を効率良く使うことは、それこそ長時間労働の改善などに代表される“働き方改革”にもつながっていくのではないでしょうか。
時間を効率よく使うことで長時間労働は改善され、余った時間を自分の趣味や家族とのコミュニケーションの時間にあてられるかもしれません。
“主婦の働き方改革”や“シニア世代の働き方改革” があったっていい。
これからは、家族みんなの“働き方改革”で、充実した毎日を!
時間を効率良く使い自分自身や家族との時間を充実させることは、なにもビジネスマンやビジネスウーマンだけに必要なことではありません。世に言う“働き方改革”の“働き”をかなり拡大解釈した言い方で実際の意味とは異なるのかもしれませんが、“主婦の働き方改革”や “シニア世代の働き方”があったっていい。家族みんなの“働き方改革”は、ビジネスマン・ビジネスウーマンの“働き方改革”同様に、今後、重要視されるべきことなのではないでしょうか。
コラム
見直したい、日本ならではの習慣! “おめざ”は、理にかなった先人の知恵
昔の日本には、子どもが目を覚ますとすぐに少しの甘いものを与える“おめざ”という習慣がありました。子どもの栄養状態がよくなった現代では、あまり聞くことがなくなった言葉ですが、眠っている間に脳の栄養分である“ブドウ糖”が消費されて不足した状態にある子どもの脳を活性化させるために、寝起きに少量の甘いものをとることは、今でもとても有効なとても理にかなった習慣だと言えるのではないでしょうか。また子どもに限らず、目が覚めた後に頭がぼーっとするような人は、“おめざ”をとってみるのもよいかもしれません。
手軽なおめざとして、果汁を取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか?
専門家がさらに解説!
モーニングルーティンに“果汁”がおすすめな3つの理由
さらに、モーニングルーティンに果汁がおすすめな理由を、健康科学アドバイザーとして、講演活動やメディア出演など多方面で活躍されている福田千晶先生に教えていただきました。
福田千晶先生 医学博士・日本体力医学会健康科学アドバイザー・日本医師会健康スポーツ医・日本人間ドック健診情報管理指導士・日本リハビリテーション学会専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科に勤務。1995年に医学博士を取得し、翌年からフリーランスの健康科学アドバイザーとして講演や執筆を主体として活動する。日本テレビ「ヒルナンデス!」、TBSラジオ「生島ヒロシの健康広場」など、テレビ・ラジオ出演多数。毎日新聞「日曜くらぶ」にて「福田千晶、くらしの健美法」連載執筆中。近著に「どうしてもラーメンを食べたい人のための太らない食べ方」、「40代からはじめる もっと太らない体づくり」など。
■理由その1
エネルギー変換までのスピードが速い“果糖”などの単糖類は、朝にこそとり入れて!
“糖質”はとかく悪者にされがちですが、脳をはじめ身体のいろいろな部位でエネルギーが不足し低血糖になっている朝は、特にしっかり補充することをおすすめします。果汁に含まれる“果糖”や“ブドウ糖”といった糖質は単糖類といわれる最小単位の糖質なので、でんぷん(多糖類)などに比べるとエネルギーに変換されるまでのスピードが速く、朝、とりいれるのにはまさに最適な即効性のあるエネルギー源です。ただし、なにごとも適量が肝心。とりすぎは禁物です。推奨量はその人の体格や体調にもよるので一概には言えませんが、私の場合は毎朝必ず1杯の果実ジュースを飲んでいます。朝とったエネルギーは1日のなかで消費されやすいので、さほどカロリーを気にする必要もありません。そして、こうした習慣はなによりも続けることが大切。時間がない人は手軽に飲める市販のジュースなどでも十分です。
■理由その2
疲労回復に重要なクエン酸サイクルのスイッチを朝からオンに!
運動によって体内に発生する乳酸などの疲労原因物質を分解してエネルギー源へと変換するのにクエン酸は欠かせません。また、クエン酸には老廃物を体外に排出する働きもあります。日常生活のなかでこまめにクエン酸をチャージし、疲れない身体を目指す“クエン酸サイクル”は、アスリートや健康に関心の高い人を中心に注目されているキーワードのひとつです。
その“クエン酸サイクル”をしっかりオンにするために、朝、果汁などからクエン酸を摂取することはとても有効です。
■理由その3
目覚めの朝にうれしい!甘味と酸味、香りのリフレッシュ効果!
リラックスをしたり幸福感を感じることは、心の疲れを解消するのにとても効果的です。人間は経験値をメモリーして次にまたその行動を繰り返そうとするメカニズムを持っていますが、疲れたときに酸味や甘みがおいしく感じられるのは、過去にクエン酸などによって疲労回復が促進されたメモリーが残っているから。前日の疲れをリフレッシュして、新しい1日をスッキリはじめるためにも、朝の果汁から感じる甘みや酸味、そして香りはとても効果的だと言えます。
TOPIC
実証実験でも効果を確認!
あの学習塾も“果汁”に注目しています。
百ます計算で知られる陰山英男先生が監修する学習塾、陰山式スコーラ「考える子どもを育てる塾」の塾生を対象に、昨年11月から12月にかけての3日間、果汁が学習に与える効果の検証実験を行いました。
実験では、日頃百ます計算を行うのにかかる時間の平均と、オレンジジュース、お茶、水を飲んでから百ます計算を行うのにかかる時間の平均を比較しました(それぞれ別の日に実施)。その結果、オレンジジュースを飲んだ後はすべての塾生の計算時間が短縮。実験前の平均計算時間が133秒のところ、オレンジジュースを飲んだ後の平均計算時間は111秒と、20秒以上速くなるという結果になりました。
“果汁”が子どもたちの学習にもたらす良い影響に期待!
「子どもたち学習前に飲めるように、塾内にオレンジジュースを用意することにしました」
適量の糖分を最適なタイミングでとることは、学習能力の向上に効果的だと考えます。甘い果汁は嬉しい感情を抱かせやすく、リラックスすることで集中力がより高まることが期待できるからです。今回の実証実験でも、オレンジジュースを飲むことで実際に良い結果が得られました。スコーラではこの“果汁”の効果に注目し、学習前などに子どもたちが飲めるように、オレンジジュースを用意することにしました。
また、経験上、朝ごはんを食べない子どもには授業に集中できない子どもが多く、それが続くと基礎学力の低下や生活全般の乱れにも繋がると考えているのですが、素早く糖分を摂取できる果汁を朝食に加えることは、子どもの1日の集中力をアップさせることにもよい影響を与えるのではないかと思っています。
陰山英男先生 陰山ラボ・陰山式スコーラ「考える子どもを育てる塾」主宰、教育クリエイター。小学教員を経た後、「陰山メソッド」を確立。文部科学省中央教育審議会特別委員、立命館大学教授、内閣官房教育再生会議委員などを歴任。現在は学力向上アドバイザーとして全国各地を精力的に飛び回る。
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部