ポジティブになれないのは自尊心が低いから?──“小さな創造”から始める心の再起動

自尊心は、メンタルを支える“見えないエンジン”
ビジネスの現場では、結果や数字、他者評価に振り回される場面が少なくありません。そんな中で、私たちの行動や思考の土台として働いているのが「自尊心(self-esteem)」です。
自尊心とは、自分自身に対してどれだけ敬意を持ち、自分には価値があると信じられるかという感情的な態度のこと。心理学者モリス・ローゼンバーグは「自尊心が高いというのは、自分自身を尊重し、価値のある存在だと信じていること」と定義しました。
自尊心が高い人は、ポジティブな出来事が起きたときに、その出来事の喜びをじっくり味わい、内面化していく力を持っています。それは、自己肯定感の貯金のようなものです。
一方で、自尊心が低い人は、ポジティブな出来事があっても「自分にはふさわしくない」「これはまぐれだ」と感じてしまい、喜びの感情を早々に打ち消してしまいます。
カナダ・ウォータールー大学の研究でも、自尊心が低い人ほど、ポジティブな体験後のポジティブ感情を自ら弱めてしまう傾向があることが示されました。逆に、自尊心が高い人は、その感情を意識的に「味わう(savoring)」傾向が強く、気分の持続力が高いのです。
こうした「感情の取り扱い方」は、メンタルヘルスや日々のモチベーションに大きな影響を与えることが、さまざまな研究からわかってきています。つまり、自尊心は“心の健康”を支えるエンジンのような存在だと言えるのです。

自尊心が低いと、成果すら自分事にできなくなる
ビジネスパーソンとして成長していく上で、自分の成果や成長をきちんと「自分事」として受け取れるかどうかは非常に重要です。しかし、自尊心が低い人は、自分の成果すら自分の価値と結びつけられず、「評価されているのは一時的」「自分の実力じゃない」と感じてしまうことが多いのです。こうした傾向は、長期的に見ると自己効力感の低下や職場での燃え尽き、最悪の場合には抑うつ傾向につながることが知られています。
スイス・バーゼル大学のオルト博士らの研究では・・・
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【執筆者プロフィール】

板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中





