怒りはどう扱うべきか?感情の「抑えすぎ」と「出しすぎ」の落とし穴 〜リトルCで切り替える、しなやかなメンタルマネジメント〜

感情を抑えすぎると、むしろ心身に悪い?
日本では「感情を抑えること」が美徳とされる傾向が根強くあります。特に職場やビジネスの現場では、「感情的になるべきではない」「常に冷静でいるべきだ」といった価値観が暗黙の了解として浸透しており、多くの人が感情の表出を控えるよう意識しています。
では、感情を抑制すると心身にどんな影響があるのでしょうか?
米スタンフォード大学のグロス博士らは、興味深い実験を行なっています。実験では、180人の女子大学生に3種類の映像を見せ、一部の参加者には感情を抑えるよう指示しました。その結果、感情を抑制したグループは、楽しい・悲しい映像の後に交感神経の活動が高まり、ストレス反応が強くなることが判明しました。感情の抑制は、心身に負担をかけることが示されたのです。
ちなみに、感情を抑制するように指示されたグループでも、「中立」の映像を見た場合は、特に交感神経の高まりは見られませんでした。つまり、感情を揺さぶられたのに、それを抑制する場合に限って、交感神経の活動が高まったのです。
しかも、感情抑制は記憶力や判断力の低下にもつながるという報告もあります。つまり、「感情をなかったことにする」という習慣は、長期的には生産性や健康を損なうリスクがあるということですね。感情をただ押し殺すのではなく、「どう扱うか」の視点が求められます。

「怒りの発散」は逆効果になることもある
怒りを感じたとき、「発散すればスッキリする」「我慢するより出したほうがいい」と考える人は少なくありません。たとえば、サンドバッグを叩く、大声で怒鳴る、物にあたるといった行動は、心理的な開放感をもたらすように見えるため、かつては「カタルシス効果」として肯定的に語られることも多くありました。
しかし・・・
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【執筆者プロフィール】

板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中




