【眠れない悩み】対策② 夜中に目が覚める不眠には「足裏のツボ刺激」で睡眠力をアップ

夜、眠れない悩みを抱える人の中には、尿意もないのに夜中に目が覚めて眠れなくなったり(中途覚醒)、朝早く起きてしまったり(早朝覚醒)する人も多いそうです。実際、みなさんの中にも「年とともに夜中に何度も目が覚めることが増えた」「若いころに比べて早起きになった」という人は多いのではないでしょうか。このタイプの不眠の改善に役立つツボを明治東洋医学院専門学校教員養成学科長の矢野忠先生に解説していただきました。誰もが必ず改善できるわけではありませんが、お試しいただきたいと思います。
もちろん、不眠の人は一度専門医に診てもらうことを忘れずにお願いします。

中高年に多い【中途覚醒】の重大原因は、肉体の老化

中途覚醒と早朝覚醒は中高年に多いことから、私は「加齢型不眠」と呼んでいます。これは、肉体の老化が重大原因です。眠りつづけるための体力がなくなるせいで起こると考えています。

特に、加齢によって起こりやすい生命力(東洋医学では先天の原気という)の衰えは、体力の低下に直結します。そのため、加齢型不眠に悩んでいる人は、生命力をつけるためには消化機能の活性化が急務となります。

全身を活気づけて不眠を防ぐツボ【湧泉】

そこで私がおすすめするツボが、足の「湧泉(ゆうせん)」です。
湧泉は万能のツボといわれており、全身の気血(体内の生気と血液)の生成と流れをよくするのに役立ちます。そのため、消化器官を含めた体内の各臓器に新鮮な血液を運んで働きを向上させることにつながるのです。

湧泉を押して生命力を補い、消化機能の調子を整えれば、全身に活力がわいて安らかな眠りにつけるでしょう。
また、眠りが改善されれば自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを支配する神経)も整います。自律神経の乱れは不眠の原因となるため、その点でも、不眠の改善に役立つとされています。

夜中起きる悩みを改善させるツボ①「湧泉」の探し方

湧泉は、左右の足裏の中央部分、「人」の形をした2本のしわが交わるところにあります。

「湧泉」のツボ刺激のやり方

湧泉を押すときは、両手の親指の腹を使って、力を入れすぎないように行いましょう。皮膚が少しへこむ程度の弱い力で、親指の腹を使ってやさしく3秒押したら、3秒かけて指を離していきましょう。これを左右ともに5回ずつくり返すのを1セットとして朝・晩に1セットずつ行いましょう。

なお、湧泉は靴下を抜いでから押してください。毎日続けることで、夜中や朝の早いうちに目覚めることなく眠れるようになるでしょう。

自律神経機能を調整するツボ【太衝】

湧泉のツボ刺激だけでは中途覚醒や早期覚醒の改善されないという人は、もう一つの加齢型不眠におすすめのツボも押しましょう。それが左右の足の甲の「太衝(たいしょう)」です。

太衝は気の流れをよくし、抑うつやイライラを改善するツボです。太衝は自律神経機能を整えて胃痛や胸やけを和らげるほか、肝機能の調整と深く関係しています。

2つのツボを押せば、生命力を元気にする働きが高まって、グッスリと眠れるはずです。

夜中起きる悩みを改善させるツボ②「太衝」の探し方

太衝の位置は、足の第一と第二趾の間から、第一趾の骨をたどって、足首に向かっていくと見つかります。ちょうど、第一趾と第二趾の骨と骨とが交わって、少しへこんでいるところにあります。

「太衝」のツボ刺激のやり方

太衝は、親指の腹でやさしく押しましょう。3秒押したら、3秒かけて指を離していきます。これを左右の足の太衝に5回ずつ行うのを1セットとして、毎日朝・晩に1セットずつ行ってください。朝も晩も湧泉を押してから、続けて押すといいでしょう。

湧泉と太衝のツボ刺激は、夜中や朝の早くに目覚めてしまったときにも1セットずつ行うといいでしょう。そうすれば、また眠りに入りやすくなるはずです。

この記事は、医療や健康についての知識を得るためのもので、特定の見解を無理に推奨したり、物品や成分の効果効能を保証したりするものではありません。
写真/© Fotolia ©カラダネ

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