消費マインド変化アリ。最近「選び方を変えた」ものは、「趣味」「投資」「友人との付き合い方」
調査の方法:インターネット調査/調査の対象:全国の20~69歳の男女
有効回答数:1,000名(性年代均等割り付け)/調査実施日:2022年6月23日(木)~6月24日(金)
- 「消費・ライフスタイルに関する調査」サマリー
(1)2人に1人が、これまでの消費行動を変える意向。
コロナ禍やSDGsブームを背景に、自らのライフスタイルを重視する傾向に。
(2)「選び方を変えたもの」に、「趣味」「投資」「友人との付き合い方」が上位に。
一方で、自動車関連や教育系サービスは手つかずの状態に。
(3)今年の夏は記録的猛暑の予感!?それでもアクティブに楽しみたい!!
2人に1人が「アクティブに楽しみたい」と回答。「内から外」への意識の高まりが表れた結果に。
(4)「エシカル」や「タイパ」を重視した商品選びが今のトレンド!
「エシカル」は食品や生活雑貨選びで、「タイパ(タイムパフォーマンス)」はエンタメ系コンテンツのセレク
トで顕著に表れる結果に。
(5)今後は「コスト」と「自分の好み」とのバランスが選び方のポイントに。
コストも重視しながら、ライフスタイルの変化に合わせるなど、賢く消費を見極めていく傾向に。
【経済・経営コンサルタント 坂口孝則氏のコメント】
より自分らしいライフスタイルが実現する商品に切り換える『換え活』がこれからのトレンドに。
【人気ファイナンシャルプランナー 飯村久美氏のコメント】
商品やサービスの選び方を見直したい人が増えてきており「換え活」の兆しを実感。
(1)2人に1人が、これまでの消費行動を変える意向。
コロナ禍やSDGsブームを背景に、自らのライフスタイルを重視する傾向
商品やサービスなどの選び方を変えたり、変えたいと思ったと回答したのは52.1%となり、半数以上が回答しました。円安や 物価高騰、エシカル消費の浸透、さらにアフターコロナに向けて、今置かれている日本の状況を背景に、消費者の「選び方」に変化の兆しがあることが浮き彫りとなりました。
商品やサービスの選び方を変えた・変えたいと回答した方にその理由をお聞きすると、「ライフスタイルに適したものを考えるようになって」34.4%、「充実した毎日を過ごしたいから」31.1%、「自分の価値観・倫理観の変化に合わせて」28.8%と続く結果となり、より良い商品・サービスへの乗り換えで、自分らしいライフスタイルに変えたいという傾向が見えてきました。
商品やサービスの選び方を変えた・変えたいと回答した方に、新型コロナウイルス感染症やSDGsムーブメントがどの程度影響しているかをお聞きすると、新型コロナに関しては「影響した」18.2%、「どちらかと言えば影響した」34.7%と計52.9%が、またSDGsに関しては「影響した」11.5%、「どちらかと言えば影響した」22.8%と計34.3%が影響を受けていることがわかりました。
さらに、SDGsムーブメントが選び方に影響があったかを年代別でみると、20代、30代は計4割を超え、若年層に影響を与えていることがわかります。
(2)「選び方を変えたもの」に、「趣味」「投資」「友人との付き合い方」が上位に。
一方で、自動車関連や教育系サービスは手つかずの状態に。
実際に、「変えたい」、「変えた」と回答した方に、そのジャンルをお聞きしました。「変えたい」と思ったものは「趣味・レジャー」が27.4%で最多となりました。次いで「投資」25.7%、「友人との付き合い方」16.0%、「ファッション」14.8%、「光熱費」14.1%と続きます。
実際に「変えた」ものは「投資」21.6%、「友人との付き合い方」18.8%、「趣味・レジャー」14.4%と続きます。政府が「貯蓄から投資」への政策を推し進めていることや、新型コロナウイルス感染症の影響がうかがえる内容となりました。
多くの商品・サービスの選び方や消費の仕方が変わっていく中で、変わらないものはあるのでしょうか。選び方を変えたいと思ったもの・変えたもの下位を見てみましょう。
レンタカーなどに代表される「レンタル系サービス」「シェアリングサービス」や、「駐車場代」「自動車保険」がランクインしました。暮らし方に直結する要素であるにも関わらず、変え方の難しさや変更にかかる手間などが起因するためか、自動車関連に関しては手つかずな人が多いことがわかりました。また、教育サービスは、世相が変わってもむしろ意識して変えない意向が見えました。
(3)今年の夏は記録的猛暑の予感!?それでもアクティブに楽しみたい!!
「内から外」への意識の高まりが表れた結果に。
この夏は、「充実して過ごしたい」と思っている方は「そう思う」30.7%、「どちらかと言えばそう思う」48.8%と計79.5%となり、各項目の中で最も高くなりました。また、「節約したい」という方が計75.3%いる一方で、「アクティブに楽しみたい」計51.3%、「新しいことをしたい」計47.8%と、今年の夏は消費や行動を変える「内から外」への動きが見て取れる結果となりました。
(4)「エシカル」や「タイパ」を重視した商品選びが今のトレンド!
「エシカル」は食品や生活雑貨選びで、「タイパ(タイムパフォーマンス)」はエンタメ系コンテンツのセレクトで顕著に表れる結果に。
今後どのようなものを消費者は選んでいくのか、「環境」「SDGs」に焦点を絞り詳細を調べたところ、37.0%と約3人に1人が環境にやさしいものやSDGsを意識して選ぶようになったと回答しました。ジャンルでは「食品」が最も多く64.9%、次いで「生活雑貨」31.4%、「ファッション」25.9%と続き、エシカル消費への興味関心の高まりにより、一番身近で必要不可欠な「食品」をはじめ、乗り換え消費が進んで行くことが予想されます。
エンタメ系コンテンツの選び方・楽しみ方も「高効率」を求めてモノ・コトを見定めて選ぶ姿が見えてきました。「評判を見てからコンテンツを選ぶ」と回答した方が約4割と「失敗したくない」という意識がうかがえる結果となっています。
また、4人に1人が「2倍速などで動画を見る」、「ネタばれを見てからコンテンツを選ぶ」と短い時間で高い成果を得たいという、「タイパ」(タイムパフォーマンス)を意識した傾向であることがわかりました。さらに4人に1人が「サブスクサービスに加入する」など「持たない暮らし」への注目度も高まりそうです。
消費活動全般についてお聞きすると、やはり「失敗したくない」という意識は強く、計68.9%が「あてはまる」と回答しました。「タイパ」(タイムパフォーマンス)、「持たない選択肢」に関しても約半数以上が該当し、堅実に、そして後悔しない商品選びを意識している傾向が見られました。
(5)今後は「コスト」と「自分の好み」とのバランスが選び方のポイントに。
賢く消費を見極めていく傾向に。
商品やサービスの選び方は新型コロナウイルス感染症や物価上昇、SDGsなどの影響を受け、様々に変化しているようです。約4割の方が「コストも気にしつつ、自分の好み、価値観にあった選び方が強まっていく」と考えていることがわかりました。
- より自分らしいライフスタイルが実現する商品に切り換える「換え活」がこれからのトレンドに。
経済・経営コンサルタントのプロ 坂口孝則氏が解説
自律的な選択によって商品を選ぶ「消費3.0」時代へ。まさに今が「換え活」の時。
現代はVUCA(予測不能な時代)といわれます。まさにコロナ禍や急激な値上がりは象徴的です。
そのなかで商品を選ぶ軸が大きく変化しています。人気がある、コスパがよい、自慢できる、といった志向から、SDGsやタイパなどより良い社会や生き方を求める傾向への変容です。
アフターコロナにおける内から外に出て消費しようとする流れのなかでもこの傾向は変わりません。
限られた時間と収入をいかに振り向けていくか。食品や日用雑貨ではエシカルであることが求められ、投資や趣味・レジャーなども充実した人生への寄与が重要です。
商品が良ければいい時代(消費1.0)から、消費者が満足すればいい時代(消費2.0)を経て、商品選択によって自分を社会もよりよくしていく時代。これは消費3.0といってもいいでしょう。自律的な選択によって商品を選ぶ。まさに現在は「換え活」が必要な時代です。
※VUCA:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。
※タイパ:タイムパフォーマンス、時短を優先する志向(嗜好)
<坂口孝則氏プロフィール>
経営評論家、調達コンサルタント。大阪大学卒業後、企業で調達・購買・原価企画・仕入れ業務を経験。電機、自動車会社勤務を経て、現在は未来調達研究所株式会社所属。調達・購買・資材業務のコンサルティングと、仕入れ観点から商売とビジネスモデルの解説等を実施。書籍37冊。いまではコンサルティング、講演、研修などを行いつつ、メディアに登場したり、本を書いたりと活動。
人気ファイナンシャルプランナー 飯村久美氏も「換え活」の兆しを実感。
コロナや物価高など、社会情勢が大きく変わっている今、家計を見直したり、自分のお金と向き合ったりする人が増えてきたように思います。
ファイナンシャルプランナーのもとに相談に来られる方は、従来ライフイベントに備えるために支出を見直したいという人がほとんどでしたが、最近はライフイベントに関わらず、家計を気にしながら
商品やサービスの選び方を見直したい人が増えてきており、「換え活」ムーブメントの高まりを感じつつあります。
私がおすすめしたい「換え活」は、このところの物価高を踏まえ、食品は「プライベートブランド」の利用を増やしたり、またオーガニックなものや環境に配慮されたものにもこだわるような選び方に換えることです。
相談に来られる方の中には、スマホや電力会社選びにおいて、コストを気にしながらもご自身やご家族のライフスタイルとの相性を踏まえて契約サービスを考えている人も多いです。
家計の見直しをする時は、固定費から見直すとよいでしょう。固定費は、自動引き落としになっているため、見直しのメスが入りにくい支出です。
アンケートでも盲点になっていた自動車保険の見直しもおススメです。よくわからず勧められたまま継続している人も多いので、必要な補償を確認し、本当に自分に合ったサービスを探してみてはいかがでしょうか。
<参考>自動車関連を変えていない理由をお聞きすると、「難しそうだから」36.7%、「自分に合ったものがわからないから」26.7%、「安かろう悪かろうだから」26.7%と、内容をよくわからない状態でそのまま継続利用していることが想定されます。
<飯村久美氏 プロフィール>
FP事務所アイプランニング代表。ファイナンシャルプランナー。金融機関勤務を経てFPとして独立。家計から日本を元気に、という想いでお金の話をわかりやすく伝えている。テレビやラジオなどメディア出演多数。
近著に「お金の先生!できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。」(アスコム)。
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部