ウェルビーイングにも影響する職場の人間関係。「特に気にしていない」が約4割もいることが問題?!
調査結果トピックス
1. 職場の人間関係を良好と感じているのは全体で32.1%
2.年代別では20代が38.6%、30代が29.8%、40代が27.7%
3.職場の人間関係を理由に退職、転職を検討したことがあるのは58.5%
1.職場の人間関係を良好と感じているのは全体で32.1%
職場の人間関係について教えてくださいという質問には、「良好」が32.1%、「特に気にしていない」が38.7%、「職場の人間関係に疲れて悩んでいる」が16.5%、「職場の人間関係にストレスを感じている」が12.7%の結果となりました。「良好」「特に気にしていない」の合計は70.8%、「疲れている」「悩んでいる」「ストレスを感じている」の合計は29.2%で、約7割は人間関係に問題を感じていなく、約3割は人間関係に問題を感じていることがわかりました。退職動機の上位である「職場の人間関係」ですが、「特に気にしてない」が約4割で一番多かったのは意外で、コロナ禍の働き方改革により、テレワークの推進、飲みニュケーションが行えないなど、職場コミュニケーションが少なくなっていることが影響している様子が伺い知れます。
2.年代別では20代が38.6%、30代が29.8%、40代が27.7%
前項の職場の人間関係について教えてくださいという質問の年代別比率は、「良好」と回答した「20代」が38.6%、「30代」が29.8%、「40代」が27.7%、「特に気にしていない」と回答した「20代」が37.5%、「30代」が38.6%、「40代」が39.9%、「職場の人間関係に疲れて悩んでいる」と回答した「20代」が16.5%、「30代」が18.1%、「40代」が15.0%、「職場の人間関係にストレスを感じている」と回答した「20代」が7.4%、「30代」が13.5%、「40代」が17.3%でした。20代が「良好」の回答率が最も高く、年代が上がるに連れて「良好」の回答率が低くなっています。反対に「ストレスを感じている」は、20代の回答率が最も低く、年代が上がるに連れて回答率が高くなっています。20代は様々な接点を会社も用意し、多くの人と接する機会がありますが、30~40代になってくると、業務内容が固定化されて、グループのすみ分けも顕著になってくることで、人間関係の合う合わないや課題感がはっきりしてくる様子が伺えます。
3.職場の人間関係を理由に退職、転職を検討したことがあるのは58.5%
職場の人間関係を理由に退職・転職を考えたことがありますか?という質問には、「はい」が58.5%、「いいえ」が41.5%の結果となりました。職場の人間関係に課題を感じているのは29.2%でしたが、退職検討者は58.5%、約3割は退職を検討するような人間関係の課題を何らかの方法で解決したか、気にしなくなった状況が伺い知れます。この結果は人間関係に悩む会社員には非常にポジティブなデータではないでしょうか。
また年代別比率は、「はい」と回答した「20代」が54.0%、「30代」が62.0%、「40代」が59.5%、「いいえ」と回答した「20代」が46.0%、「30代」が38.0%、「40代」が40.5%でした。人間関係を「良好」と感じている人が少ない40代よりも、退職転職検討者では30代が最も多い結果となりました。40代に比べると30代は転職がしやすいこと、30代に比べると転職が難しくなる40代では、人間関係を我慢する傾向が数値に表れているのかもしれません。
4.職場の人間関係で印象に残ったエピソード ※一部抜粋
【人間関係:良好】
・女子で団結して上司に言い寄った
・仕事を手伝ったら後日お菓子をくれた
・退職時に拍手で見送られた
【人間関係:不良】
・体調が悪く上司にお休みの連絡を入れたら冷たい対応をされて「お大事に」の一言すら無かった
・退職を上司に相談したら同じチームの先輩が自分に一番に相談して欲しかったらしく激怒
・異動初日で初対面の先輩に挨拶に行ったら「AV女優やってるよね?」と聞かれた
【人間関係:中立】
・多忙すぎて関心を持つ暇さえない
・今はパワハラを気にして上司がキチンと怒れないから仕事の出来ない方が得をしている
・気が合わない人がいてもどちらかが異動すれば接する機会がなくなるので我慢する
まとめ.今こそ当たり前のコミュニケーションの基本「挨拶」と「感謝」そして「思いやり」を
今回の調査結果では、社会人の人間関係に関する考え方や現実が伺い知れる結果になりました。人間関係を気にしていないと回答した人が最も多く、テレワークの推進、業務効率の改善は今後も続いていくと考えられ、職場のコミュニケーションは、より必要最低限になっていくことが想定されます。その中でも一部抜粋のエピソードにも見られたように、ちょっとした感謝、気遣いをすることが重要と感じさせる結果で、コミュニケーションの基本である「挨拶」と「感謝」の声掛けを、組織の上長や管理者側が率先して行う雰囲気作り、そして相手への「思いやり」は当然ながら、当たり前の「常識」を弁えた、節度をもったコミュニケーションの注意喚起を定期的に促すことが大切ではないでしょうか。
日本労働調査組合では、定期的に労働調査結果を発表しています。
その他の労働調査結果は以下URLよりご覧いただけます。
URL:https://nichirou.com/category/reseach
【調査概要】
調査名:職場の人間関係に関するアンケート
調査対象:20~49歳の会社員520名
調査地域:全国
調査期間:2021年6月1日~2021年6日8日
調査方法:インターネット調査
日本労働調査組合について
日本労働調査組合は、仕事上で悩みを抱えているすべてのビジネスパーソンに寄り添い、労働問題、社会問題を改善していくことを目的として設立されました。執行委員長の安達自身、過去に職場の人間関係から精神的な病気になり、社会復帰まで二年間を要した経験から、支えてくれた方への感謝と、同じような悩みをお持ちの方をひとりでも多くサポートしたいという思いから設立。
主な活動内容は、インターネット上で労働調査を行い、メディアを通して情報発信を行います。労働者の方々、あるいは経営者層にデータで見ていただき、労働環境の改善、しいては社会に還元することを目的としています。また多くの労働者の方々に組合に参加していただき、労働環境の改善に努めていくサポートを行っています。
【団体概要】
団体名:日本労働調査組合
所在地:東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター10階
執行委員長:安達 雄也(アダチユウヤ)
設立日:2021年1月15日
団体URL:https://nichirou.com/
サポートURL:https://nichirou.com/taisyoku
主活動内容:労働に関する調査と情報発信