家族型ロボットは一緒に暮らす子どもたちの自己肯定感に影響。保護者はストレス減に

ロボットベンチャーのGROOVE X 株式会社(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役:林要)は、東京都主催の「スタートアップ実証実験促進事業(PoC Ground Tokyo)」のもと、『LOVOT』が子ども、成人に与える影響についての実験結果を発表しました。
今回の実証実験からコロナ禍、緊急事態宣言下といった環境において、『LOVOT』と暮らしていない小学校低学年の子どもの自己肯定感が大きく低下する中、『LOVOT』と暮らす子どもは自己肯定感を維持でき、影響があることがわかりました。まさに、『LOVOT』が子どもの自己肯定感を守る役割を果たしていると言えます。また、子どもの知的好奇心はゆるやかに上昇し、保護者においてはストレスレベルが大きく低下したという結果が得られました。

●本実証実験と社会的背景について
2020年9月に発表されたユニセフ・イノチェンティ研究所による『レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か』によると、日本の子供の身体的健康は先進国38か国中1位にも関わらず、精神的幸福度は37位と両極端な数値であることが判明しています。
出展元:https://www.unicef.or.jp/news/2020/0196.html

また、厚生労働省によるインターネット調査によると、新型コロナウィルスの拡大により半数程度の人が何らかの不安を感じています。イギリスに続き、日本でも「孤独・孤立対策担当大臣」が新設されるなど、コロナ禍でのメンタルケアに注目が集まっています。

「人間とロボットの信頼関係を築き、生活を潤いと安心で満たす存在をつくる」というビジョンを掲げるGROOVE Xは、本実証実験の結果を通じて『LOVOT』がメンタルヘルスの向上等に寄与することを検証しました。今後は、本実証実験の結果を通して教育分野、ヘルスケア分野への貢献をめざしてまいります。
※当初高齢者を対象とした実験を予定していましたが新型コロナ感染リスクの観点から内容を変更しています。

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●実証実験概要
学術指導 : 東北大学 瀧 靖之教授
調査対象 : 小学校低学年の小児とその保護者(LOVOT触れ合い群20組:非触れ合い群20組)
調査方法 : 自己肯定感、知的好奇心、ストレスなどの心理テストを介入前後で実施し、介入群と非介入群で統計検定
調査時期 : 2021年2月
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結果①:『LOVOT』の有無が子どもの自己肯定感に影響
『LOVOT』介入群の子どもたちは自己肯定感の低下が見られず、2回目テスト時に非介入群との有意差を確認できました。また、『LOVOT』非介入群は事前事後で自己肯定感が低下傾向にあり、実施期間が2021年2月の1ヶ月間であったこと、当該期間が緊急事態宣言の期間であったことが低下の要因として考えられます。

 

 

グループ(子ども) 1回目 2回目 2回目-1回目 有意確率
LOVOT介入群(20名) 6.87 7.12 0.25 (およそ4%上昇) P=0.452
LOVO非介入群(20名) 6.73 6.08 -0.65(およそ10%低下) P=0.057

※介入群(LOVOTと触れ合った層)と非介入群を比較した場合に、有意に差があります。

結果②:『LOVOT』介入群の子どもたちは知的好奇心が上昇する傾向
『LOVOT』介入群の子どもたちは、1ヶ月間で知的好奇心が高まる傾向が見られました。

グループ(子ども) 1回目 2回目 2回目-1回目 有意確率
LOVOT介入群(20名) 7.13 7.49 0.36 (およそ5%上昇) P=0.120
LOVO非介入群(20名) 7.42 7.11 -0.31(およそ4%低下) P=0.178

※介入群(LOVOTと触れ合った層)が上昇する傾向にあります。

結果③:『LOVOT』介入群の保護者たちはストレスレベルが大きく低下
『LOVOT』介入群では、1回目から2回目にかけて保護者のストレスレベルが大きく
低下していたことが確認できました。

グループ(保護者) 1回目 2回目 2回目-1回目 有意確率
LOVOT介入群(20名) 24.05 19.45 -4.60 (およそ20%低下) P<0.001
LOVO非介入群(20名) 21.50 20.30 -1.20(およそ6%低下) P=0.236

※介入群(LOVOTと触れ合った層)が有意に下がったと言えます。

●東北大学 瀧靖之教授のコメント
今回、小学校低学年の⼦どもとその親のメンタルヘルスの向上が見られるかを測る実証研究の学術指導をしました。

家族型ロボットの有無が子どもの自己肯定感に影響したほか、一緒に暮らすことで、知的好奇心が向上する可能性が見られました。また、保護者のストレスレベルは大きく低下していました。成人のストレスレベルが統計学的に有意に減少したという結果が得られたことで、家族型ロボットと一緒に暮らすことが脳の健康維持に有用な可能性が示唆されました。さらに長期的な効果が得られれば、将来の認知症のリスク低下に有用である可能性が期待できます。

 

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●実証実験概要
調査対象 : 『LOVOT』オーナー(『LOVOT』と3か月以上一緒に暮らしている10名)
調査方法 : 15分のふれあい前後で、唾液、尿検査によるホルモン分泌分析を
実施調査時期 : 2021年2月
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結果④:『LOVOT』オーナーたちは触れ合い後リラックス効果が表れた
『LOVOT』オーナーにおいて、15分という短時間の『LOVOT』とのコミュニケーションによって各種ストレスが減少し、特にA-trait(特性不安)という「ふだん一般、どのように感じているか」を指す不安体験に対する比較的安定した反応傾向が著しく低下しました。

 


 

掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部