部下は上司よりテレワーク継続を希望する中、チーム間のコミュニケーション不足を上司より強く実感
人財サービスのグローバルリーダーであるアデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎 健一郎、以下「アデコ」)は、2019年末時点でテレワークの経験がなく、2020年4月発出の緊急事態宣言に伴いテレワークを実施したビジネスパーソンを対象に、テレワークについて意識調査を行いました。特に本調査では、テレワークの経験が少なかったビジネスパーソンのなかでも、「上司」と「部下」の意識の差を明らかにするため、管理職300人と一般職300人の計600人を対象に実施しています。
【調査結果のポイント】
- 緊急事態宣言下のテレワークで、約4割が、上司・部下間でコミュニケーションの頻度・時間ともに減少
- また、不安だったこととして、約5割の管理職が「部下の業務推進」、「部下とのコミュニケーション」、「他部署との連携」と、約5割の一般職が「同僚との連携」、「自身の業務推進」、「会社の将来」と回答
- 73.0%の管理職が「部下のテレワーク」の継続を容認する意向。一方で、一般職の「自身のテレワーク」の継続意向(83.0%)とは約10ポイントの開きがみられた
- 今後もテレワークをしたい理由は、「通勤しなくて良いから」(管理職87.6%、一般職96.4%)が最多。両者で16ポイント差がでたのが、「人間関係の煩わしさがないこと」(管理職34.7%、一般職51.4%)
- テレワークにおける最大の課題は「チーム間でのコミュニケーション不足」(管理職33.3%、一般職42.7%)。また、約3割が上司・部下間のコミュニケーションと回答。
- テレワークのメリットはともに「ワークライフバランスがとりやすい」が最多だが、管理職(47.0%)と一般職(67.0%)で20ポイントの開きが見られた
- 最適なテレワーク頻度は、管理職と一般職の各約4割が「週2~3日ほど」で、最も多かった
<調査結果についての見解>
調査結果について、アデコ株式会社取締役の土屋恵子は、次のようにコメントしています。 「今回の調査結果から、緊急事態宣言下では、管理職と部下とのコミュニケーションについて「時間・頻度」ともに減少していたことがわかりました。対面でのコミュニケーションに慣れ親しんでいた状況から、相手の状況が分かりにくいオンライン上でのやりとりに戸惑いが生じ、十分なコミュニケーションが図れなかった現状が伺えました。Withコロナの時代においては、上司・部下間のコミュニケーションをより円滑かつ的確に行うためにもチャット等のデジタルツールを活用しコミュニケーション手段を多様にしたり、短時間のミーティングや個人ミーティングの設定など、やり方にも工夫が必要です。オンライン上でのコミュニケーションは、対面であれば得られる相手の表情や身振り等の非言語情報が圧倒的に少なくなるため、コミュニケーションミスを低減するためにも上司である管理職は意識的に会話シーンを増やす等、相手に合わせた対応が求められています。
<調査結果詳細>
(1)緊急事態宣言下のテレワークで、管理職・一般職ともに、約4割が上司・部下間でコミュニケーションの頻度・時間ともに減少した
緊急事態宣言下でのテレワークにおける部下とのコミュニケーションについて、「頻度」が減った(38.3%)、「時間」が減った(41.7%)と、約4割の管理職が「部下とのコミュニケーション」の頻度・時間ともに減ったと回答しました。一方の部下の立場である一般職においても、「上司とのコミュニケーション」について、「頻度」が減った(35.3%)、「時間」が減った(36.3%)といずれも4割弱が減ったと回答しました。緊急事態宣言下で、上司・部下間でのコミュニケーションが減少傾向にあったことが伺えます。
(2)緊急事態宣言下のテレワークで、約5割の上司は「部下の業務推進」「部下とのコミュニケーション」「他部署との連携」「取引先との連携」に、約5割の一般職は「同僚との連携」「自身の業務推進」「会社の将来」に不安を感じた
緊急事態宣言下でのテレワークについて不安を感じていたことを聞いたところ、管理職が不安に感じたのは、「部下の業務推進(業務実施状況)」(50.0%)、「部下とのコミュニケーション」(49.3%)、「他部署との連携」(47.3%)、「取引先との連携」(46.3%)でした。一方で、一般職が不安を感じていた度合いが最も高かったのは「同僚との連携」(51.0%)、次いで「自身の業務推進」(48.0%)、「会社の将来」(47.7%)でした。
(3)上司である管理職の73.0%が「部下のテレワーク」継続を容認しているが、一般職の83.0%がテレワークの継続意向。両者で約10ポイント差
今後もテレワークを続けたいか聞いたところ、管理職では、自身について75.0%が継続意向で、部下のテレワーク継続については73.0%が継続意向でした。これは部下にあたる一般職の83.0%と比較すると、10ポイント差となりました。
(4)テレワークを続けたい理由は、「通勤しなくて良いから」が管理職・一般職ともに最も高かった。ポイントに差異があったのは、「人間関係の煩わしさがないこと」(管理職34.7%)に対して、一般職(51.4%)と16.7ポイント差
テレワークを続けたいと思う理由を聞いたところ、「通勤しなくて良いから」が最も高く、管理職で87.6%、一般職で96.4%に上りました。一方、管理職と一般職の回答で最も差が明確だったのは、「人間関係の煩わしさがないから」で、管理職でこの項目を挙げた人は34.7%にとどまりましたが、一般職では51.4%と半数があげ、16.7ポイントの差異がありました。
(5)テレワークの良かったところは、管理職・一般職ともに「ワークライフバランス」が最多。ただし、両者では20ポイントの開きがあった
テレワークを実施して良かったところに関して、ともに最も高かったのは、「ワークライフバランスがとりやすい」でした。管理職においては「部下のワークライフバランスがとりやすい」は47.0%にとどまった一方で、一般職の67.0%がワークライフバランスをあげており、両者で20ポイントの開きが見られました。また、両者ともに次に回答が高かったのは「無駄な業務が減少する」で約4割に上りました。
(6)テレワークにおける課題は、両者ともに「チーム間」あるいは「上司部下間」でのコミュにケーション不足。また、「健康状態の変化への気づき」や、「サボり」に対しては両者で10ポイント以上認識差があった
テレワークにおける課題については、両者ともに「チーム間でのコミュニケーション不足」が最も高く、次に「上司」「部下」とのコミュニケーション不足をあげている結果となりました。
一方で、両者で10ポイント以上の開きが出て、認識に差があることが伺えたのが、管理職が「部下の心身の健康の変化に気づきにくい」(31.3%)をあげているのに対して、「心身の健康の変化に気づかれにくい」と考える一般職は18.0%にとどまった点です。また、管理職で「部下がサボっていないか気になる」を挙げた人はわずか14.3%にとどまったのに対して、一般職が「サボっていると思われないか気になる」は28.0%に上り、一般職の方が過度に気にしていることがわかりました。
(7)最適なテレワーク頻度について、管理職・一般職ともに約4割が「週2~3日ほど」で最多
テレワークの最適な頻度について質問したところ、「週2~3日ほど」の回答がいずれも最も高く、管理職(43.7%)、一般職(43.3%)でした。次に、「週4日以上」の回答が高く、管理職(29.3%)と一般職(36.7%)でした。また、「日本の社会全体で、テレワークを拡大すべき」という回答は、管理職で75.3%、一般職で81.0%と7割以上を占めました。
※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
【調査概要】
調査対象:日本全国の20歳~59歳の男女で、50人以上の従業員がいる会社に勤めている正社員。かつ、2019年末時点でテレワーク未経験で、2020年4月の緊急事態宣言後に週4日以上テレワークをしたビジネスパーソン。
① 管理職(3人以上の部下がいる)
② 一般職
サンプル数:600人(管理職:300人、一般職:300人)
調査方法:インターネット調査
実施時期:2020年7月25日~27日
▼プレスリリース
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2020/0821
■アデコ株式会社について
アデコ株式会社は、世界60の国と地域で事業を展開する世界最大の人財サービス企業、The Adecco Groupの日本法人です。コンサルテーションを通じ、働くすべての人々のキャリア形成を支援すると同時に、人財派遣、人財紹介、アウトソーシングをはじめ、企業の多岐にわたる業務を最適化するソリューションを提供します。アデコはより働きがいを感じられる社会の実現を目指し、さらなるサービスの強化に取り組んでいます。当社に関するより詳しい情報は、www.adeccogroup.jpをご覧ください。
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部