子どもの睡眠負債が危ない!世界と比べて1-2時間少ない日本の子どもの睡眠
各方面で活躍中の公益財団法人日本テニス協会強化本部副本部長・松岡修造さんや、“睡眠負債”を提唱した睡眠研究の第一人者・スタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治氏、太田睡眠科学センター所長で医学博士の千葉伸太郎氏、学校法人西大和学園理事長・田野瀬太樹氏をお招きし“睡眠と子どもの健全な成長”をテーマに、パネルディスカッションが行われました。
セミナー冒頭には、西野氏による基調講演「脱・睡眠負債:子どもの睡眠が危ない」が行われ、実は睡眠に悩みをもつ子どもたちが多いこと・睡眠と成長ホルモン分泌の密接な関係性・睡眠には時間に限らず“質”が重要であることなどについて語られました。
- パネルディスカッション①:睡眠の重要性
西野氏の講演を聞き、“睡眠の重要性”について松岡修造さんは、「睡眠の良い習慣を子どものうちから、癖づけていくためには、親の存在が大事。親の口癖で“早く寝なさい”と子どもについ言ってしまうが、子どもにとって寝やすい方法を考えていきたい」とコメント。
「1日の睡眠が8時間とすると、毎日3分の1を睡眠ですごしている。睡眠は敵にも味方にもなることがあり、睡眠を敵にまわすとうまくいかないことが沢山でてくる」(西野氏)
- パネルディスカッション②:子どもの睡眠における現状
2つ目のテーマに関して千葉氏が“世界と比べた日本の子どもの睡眠時間”について、「日本の子どもの睡眠時間は、世界各国の子どもと比べ1~2時間ほど少ない。衛星写真を見てみると、日本列島は夜になっても明るい。我々大人の社会活動が子どもの睡眠に影響を与えている」と言及しました。
松岡さんは、自身が育成している選手たちにも良い睡眠をとることの重要性をジュニアの頃から伝えるようにしているといいます。
- パネルディスカッション③:エアウィーヴと睡眠研究とは
3つ目のテーマとして、株式会社エアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州から、研究結果などが発表されました。
「これまでの睡眠研究は【時間】についてのものだけだったが、寝具メーカーとして“質の良い睡眠”を求めて、2010年に無名の企業が西野氏と千葉氏に研究をお願いしました。」と高岡。エアウィーヴの原点ともいえる“睡眠の質”の大切さに誰よりも早く気づき研究を進めたことで、多くの有名アスリートたちに愛用される寝具メーカーへとエアウィーヴは進化を遂げたのです。
- “睡眠の質”にこだわり学園寮にエアウィーヴを導入
わずか20数年で京都大学進学者数ナンバー1を競う進学校として知られる存在となった西大和学園(奈良)の理事長でもある田野瀬太樹氏は「眠りの質の向上が生徒の充実した学校生活のために必要だと感じ、学園寮にエアウィーヴを導入した」といいます。その結果、西大和学園では通学生と比べ、寮生の成績が伸びるなどしたため、生徒の睡眠に対する意識が高まっているといいます。
- パネルディスカッション④:より良い睡眠にするために
パネルディスカッション最後のテーマとして「より良い睡眠にするために」登壇者の方々が心がけていることや医学的側面からの意見交換がされました。
「早寝・早起き・朝ごはん!規則正しい生活リズムを心がけ、いかに質の良い睡眠をするかが大事」(千葉氏)
「とにかくメリハリをつける!寝る場所に勉強机を置いたりすると気になってしまうので場所にもメリハリを」(田野瀬氏)
寝つきが悪かったという松岡さんは独自の“睡眠技術論”をもっているようで…
「1回、本当に眠れないとき“笑顔”になってみた。笑顔のときは基本的に前向きになれるから。」
と“寝るためのモチベーションコントロール”の重要性を語りました。
- スタンフォード大学教授・西野氏によるセミナーのまとめ
『睡眠を犠牲にしてまで勉強(仕事)するのはもうやめよう!』
セミナーでは2010年~11年にかけて西野氏と千葉氏が行った、睡眠の質に関して、エアウィーヴとウレタン素材の低反発マットを比較した研究が、アメリカの科学誌「PLOS ONE」に掲載される予定となったことが最新ニュースとして報告されました!
Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部