実践!マインドフルネス~「歩く」編~(前編)
マインドフルネスの実践方法には、多くの種類がありますが、「歩く」瞑想、「食べる」瞑想などの実践方法があることをご存知ですか?瞑想は決して、座禅をして座って行うだけではないのです。
マインドフルネスの語源は、 漢語で『念』。『念』とは、「今」やっていることに「心」をこめるという意味です。食事をつくるのも、食べるのも、お皿を洗うのも、掃除するのも、やっていることにすべての注意を向けて取り組めば、それがマインドフルネスの実践になります。
今回は、日常生活で実践できるマインドフルネスとして、「歩く」瞑想についてお伝えします。
「心のお稽古」~マルチタスク→シングルタスクへ~
「今」やっていることに100%注意を向ける(これをシングルタスクと言います)。
文字にすると簡単ですが、これってなかなか難しいことだと思います。
特に、忙しい現代人は、常にやるべきことに追われ、「未来」のことを考えたり、「過去」のことを考えたりするのが当たり前になっています。
仕事のことを考えながら、ご飯を食べたり、人と話したり、常にいろんなことを同時進行でこなしています(これをマルチタスクと言います)。そんな中、マインドフルネスでは、意識を「今、ここ」において、たった一つのことに心を向けます。見方を変えると、マインドフルネスとは、
「マルチタスク」 → 「シングルタスク」
にモードを切り替える「心のお稽古」だと言えます。つまり、歩く瞑想では、頭で仕事のことを考えたり、スマホをみながら歩いたりするのではなく、「歩く」という行為だけに、100%集中すること、を行うことになります。
「歩く瞑想」の実践
歩く瞑想、と聞かれて「????」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やり方は、とても簡単。歩く時、その五感の刺激に意識を向けるだけです。注意の対象は、足の裏の感覚・呼吸の感覚(触覚)・周囲の音(聴覚)・景色(視覚)など、何でも構いません。
中でも、下記3つは意識を向けやすいので、是非試してみてください。3つをすべて同時に行うのではなく、どこに集中するか1つに決めて行いましょう。
1.「足の裏の感覚」に意識を向ける
正式な歩く瞑想では、足の裏の感覚(触覚)に意識を向けることが推奨されます。できるだけスローモーションで行うと、より感覚に集中しやすいです。歩くときの、足の裏のセンセーションをしっかりと受け取りながら歩きます。
歩いている際にも、様々な思考が駆け巡ってくると思いますが、その雑念を静めるためには、「ラベリング」が有効です。「ラベリング」とは、気づきを、心の中で確認するテクニックです。
<ラべリング:例>
「(足が)つきます」
「(足が)離れます」
といったように、心の中で確認していきます。これにより、連続した気づきを保つことができます(ラベリングは、実感してから心の中で唱えます。呪文や掛け声のようにならないように気をつけましょう)。
ただし、街中や人の多いところで、スローモーションで歩くのは難しいですよね。ですので、日常生活での練習では、通常のペースで大丈夫です。感じるポイントも足の裏ではなく、「歩いている」感覚全体に注意を向けるといいでしょう。
ラベリングする場合も、「歩いている」などの大雑把なものでいいと思います。
また、気持ちが焦っていることに気づいたら、「焦っている」などと、内面での気づきも是非ラベリングしていきましょう。
続きは後編で。
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