5月病は燃え尽き症候群? ~その原因と対処法~(後編)

5月病改善<3つ>の心がけ~自律神経にはらたきかける~

前回の事を踏まえると、カラダとココロの調整が必要だということがわかります。ココロは「見えない」ものですから、なかなかコントロールするのは難しいのです。しかしココロが脳である以上、カラダの構造の一つだということは言えます。

健康科学を考える際に重要な思考として「心身相関」という言葉があります。「ココロはカラダに影響し、カラダはココロに影響する」というものです。

いきなりココロを変えるのは難しいのです。我々が簡単に日々取り組めることとしては、カラダを変えていくことという結論が導き出されるのです。具体的な方法は以下3つのようになります。

・生活にメリハリをつける
・一日を太陽の動きに合わせていく
・過剰な負担をかけない

これらの方法がなにに影響をあたえているのかというと、大脳から伸びてきている「自律神経」になります。

自律神経の特徴は、太陽のリズムに直結し、明るい時は活動的に、暗くなれば不活動に、活動的な時間は筋肉活動が向上し、不活動な時間は内臓の活動が活性化します。例えば、明るい時間に睡眠をとってしまうと、カラダの中にある体内時計が狂ってしまい、さらに調整が効かなくなるのです。

 

乗り越えるべく与えられた<5月>の試練?

この5月病とは1960年に大学生の心理状態として研究が始まり、社会人にも散見されるようになりました。一方、季節的に春は不穏な状況に陥りにくいという研究結果も同時にでています。

これらから考えられることとしては、日本人は季節を理解している人種であるということです。新年度を4月からと設定するのも、大きな環境が変化し心的・身体的にストレスを感じる状況をあえて「春」に持ってくることで乗り越えようとしている先人の知恵ではないでしょうか。

「春」は様々な可能性と希望にみちている季節です。周囲に目を向けて、心と体の栄養を貯蓄できるよう生活されてみてはいかがでしょうか。

<ライター>

田中一秀


高校生から生物に興味を持ち、「将来は海洋生物学者になる!」と決めていたものの、知らぬ間に生物が医学に変わり、理学療法士を目指すこととなる。

在学中はスポーツ・リハビリテーションに傾倒し、筑波大学体育専門学群の様々な授業に参加し、スポーツリハビリテーションの基礎を学ぶ。その後、幼児の発育・発達に興味を持ち、卒業後は肢体不自由児施設、身体障害者擁護施設、高齢者施設などを並行して関わり、ヒトの奥深さを体験する。

学位では放送大学で学士を取得後、修士課程(保健医療学)、博士課程(心身健康科学)に進み、運動学習を中心テーマに研究を続ける。

解剖学、生理学、運動学、教育学、組織論などを中心に研究範囲を広げ、それらを基盤に介護施設を運営している。高齢者・障害者に対して適切な運動指導を行い、結果を出すことを目的に日々奮闘中。

現在のモットーは「心身相関(ココロが変わればカラダも、体が変わればココロも)」。

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