“マインドフルネスのお坊さん”山下良道さんにピラティスをやってもらったら・・・(前編)

ピラティスに継続的に取り組んでいる人であれば、1時間のクラスを終えた後に、「頭の中がクリアになった」とか、「抱えていたはずの心のモヤモヤがなんだかスッキリした」といった感覚を覚えたことがある人は少なくないのではないだろうか。

ピラティスメソッドの創始者であるジョセフ・ピラティスも、当初から「ボディ・マインド・スピリット」を一体で扱うものであると公言していたという。これは、世の中にある多くのトレーニングメソッドとは明確に異なる、ピラティスのユニークなところの一つではないだろうか。

一方で、近年は頭や心の問題を解決する方法として、「マインドフルネス」という言葉を聞く機会が増えた。マインドフルネスというと、一般的には静かに座って行うものというイメージが強いが、そこで得られる効果として挙げられていることは、私たちがピラティスをすることで感じていることと非常に似ているようにも見える。

そこで今回は、マインドフルネスの大家である鎌倉一法庵住職の山下良道さんに、1時間のピラティスのマットレッスンを受けてもらい、その感想を聞いた。山下さんがピラティスをやるのは、もちろんこれが初めてのことだ。果たして、ピラティス≒マインドフルネスということはできるのか?

ピラティスとは、身体の動きに注意を向け続ける訓練である

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——初めてピラティスをやった感想は?

そんなに派手に動かないのに、ものすごく汗が出ましたし、ものすごくエネルギーを使っていると感じます。体幹を集中的にやるというのは知っていたんですけど、まさに根っこを動かしている感じがしますね。

それにこれだけやれば、当然、呼吸も深くなっていきますよね。特別に呼吸法とかやらなくても、ピラティスをやっていれば自然と改善されていく。

体幹という人間にとって一番大事なことをやっていて、なおかつ呼吸も改善されていく。だから健康のためには間違いなくいいと思います。

——マインドフルネスに通じるところは感じましたか?

ピラティスがやっていることというのは、身体が動いていくのを感じ取っていくという作業でもありますよね?

単に身体を動かす訓練をしているのではなくて、同時に、この1時間の間、身体の動きにずっと注意を向け続ける訓練をしているのだと思います。

マインドフルネスというのは「今ここ」に意識を向けることですから、その点では、ピラティスでやっていることというのはマインドフルネスそのものでしょう。

ただ、ピラティスではどうしても身体の動きのほうが強調されてしまいますから、身体の動きに注意を向け続けるということが何を意味しているのか、それが心にどのような影響を与えるのかということは、すべてのインストラクターがしっかりと理解している必要がありますし、生徒さんにも少し説明してあげる必要があるでしょうね。

そうすれば、ピラティスのこのクラスが、そっくりそのままマインドフルネスのクラスになりますよ。

続きは後編で。

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