洞察瞑想で感覚を研ぎ澄まし、クリエイティビティを高める

脳のデフォルト・モード・ネットワークとマインドワンダリング

デフォルト・モード・ネットワーク」(Default Mode Network)という言葉をご存知でしょうか。これは、ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動を指し、1990年代後半に発見されました。私たちがボーッとしながら散歩をしたり、掃除をしたり、一息ついている時に、とりとめのないことが浮かんでくるのは、この「デフォルト・モード・ネットワーク」の働きによるものです。

そして、近年の脳活動の測定技術の発展により、この「デフォルト・モード・ネットワーク」がクリエイティビティと関連していることがわかってきました。つまり、「デフォルト・モード・ネットワーク」が活発になるとクリエイティビティが高まり、アイデアが生まれやすい可能性があるのです。

ただし、「デフォルト・モード・ネットワーク」が活発になりすぎると、頭の中を様々な考えがよぎり、注意力が散漫になります。そして、過去のネガティブな出来事や将来の不安などに苛まれることになりがちですので、注意が必要です。また、「デフォルト・モード・ネットワーク」は脳の総エネルギーの60~80%を消費するため、活発になりすぎると、脳疲労を感じやすくなります。

ちなみに、心理学では、物事を何度も繰り返し考え続けることを「反芻」(はんすう)と言いますが、特に、自分の抑うつ気分や,その状態に陥った原因などについて,ネガティブに考え続ける抑うつ的反芻は,抑うつ気分を持続させる要因になるため、注意が必要です。(詳しくは、「反芻思考はクリエイティビティには役立つ!?」をご覧ください。

では、抑うつ的反芻にならずに、適度に「デフォルト・モード・ネットワーク」を活性化させ、クリエイティビティを高めるにはどうしたらいいのでしょうか。次に、その解決策となる瞑想法について説明します。

2種類の瞑想法

マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか。マインドフルネスとは・・・

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中