「足るを知る」とストレスは減る

どこで満足するか?

 スタートアップビジネスでは、足りないものだらけです。人、物、金、情報といった経営資源全てにおいて、不足している状態です。でも、これを全て満たそうとするのは、現実的ではありません。当社の健康アプリ開発を例にとると、アプリで実現したい機能が100あるときに、100を一気に実現するのは、経営資源的にとても難しいことが多いです。その時に、「どこで満足するか?」という観点がとても重要になります。

 これは、日常生活においても同じではないでしょうか。例えば、食べ放題のビュッフェに行った時に、あれもこれも食べたいけど、そんなに食べたら、体重が気になるという場合、まさに、「どこで満足するか?」という問題に直面することになりますよね。セール時期の買い物でも同じことが言えると思います。さらには、就職・転職活動などでも、同じことが起きます。「自分にとってベストな会社は本当にこの会社なのか、もっと良い会社が他にあるのではないか?」という葛藤に悩む人も少なくないのではないでしょうか。

 中国の春秋戦国時代の思想家、老子の名言の一つに、「足るを知る者は富む」という言葉がありますが、この「足るを知る」ことは、ストレスを低減し、人生の幸福につながることを科学的に示した研究があるので、紹介したいと思います。

マキシマイザー(追求者)とサティスファイサー(満足者)

アメリカの心理学者バリー・シュワルツは、最良のものを求める欲求の個人差による分類を行っており・・・

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中