お風呂やトイレで「ひとり時間」を持とう【#02 おうちでストレスオフ】

愛情ホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が注目を集めています。親しい人との触れ合いで分泌が促され、ストレス状態を緩和する効果で知られている物質です。家族で過ごす時間の長い今は、オキシトシン活動のチャンスではありますが、一方で「ひとり時間」を持つことも大切です。

■ストレスオフ県第1位。“人とのつながり”を大切にする鳥取女性

オフラボでは、全国の女性7万人(20~69歳)におこなっている「ココロの体力測定」調査をもとに、女性のストレスオフ県ランキングを発表しています。2019年は3年ぶり2度目の第1位に鳥取県が輝きました。
第2位の広島県の35.5を大きく引き離し、ストレスオフ指数61.2という好成績だったストレスオフ要因を探るため、0~10点で主観で満足度を点数付けした「生活状況ストレス」12項目を全国平均と比較(9~10点の割合から0~6点の割合を引いた数値は、マイナスの値が小さいほどストレスオフできている)。
鳥取女性はワークライフバランスのほか、「家族・身近な人との時間」「人とのつながり方(リアルな人間関係)」「職場や自宅に協力体制がある(ワンオペでない)」と、人とのつながりを大切にする“オキシトシン生活”を送っていることがわかります。

ストレスオフ県第1位 鳥取女性の生活状況ストレス

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■楽しい人間関係も度を超すと、自律神経の緊張から疲労に

さて、鳥取女性の分析から、もう一つ見えてきたことがあります。「自分のプライベートな時間」に対する満足度の高さです。
家族と過ごす団らんの時間が増えたことはオキシトシン生活としては好ましい一方、おうちで過ごす時間が長引くと「家族疲れ」という言葉も聞こえてくるようになります。一番安心できるはずの家族と一緒の時間が疲れてしまうなんてちょっと寂しいような気もしますが、実はごく自然なことです。

ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車やママ友づきあいなど、四六時中誰かと関わり合っている現代人の生活。こんなに多くの人と、しかも狭い空間の中で接することは大昔では考えられませんでした。また「連れ立って○○する」という、日本人特有の気質もあります。叱られたり、イラっとしたときのようなわかりやすさはないかもしれませんが、どんなにストレスを感じていないようでも、他人との関わり合いの頻度や時間が増えれば増えるほど自律神経は緊張し続け、気づかぬうちに疲労を招いているのです。

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■童心に戻って押し入れの中はいかが?時には「ひとり時間」を大切に

一人になって何もしない時間を過ごしましょう。なぜ“何もしない”か? 例えばスマホゲームに熱中していては、交感神経の興奮は収まらないからです。ストレスオフの定番のお風呂の時間や、就寝時間を家族と少しずらしてリビングで、あるいは童心に戻って押し入れの中はどうでしょう。また、あまり居心地がいいとは言えないかもしれませんがトイレの個室もありますね(人によっては一番安心できる場所かも?)。
受けてしまったストレスによる疲労は睡眠でしか回復しませんが、「ひとり時間」は、疲れを蓄積させない予防になります。たとえ1日5分間でもOK。ぜひ実践してみてください。

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「おうちでストレスオフ」とは?
模様替えをしたり、本格的な料理にチャレンジしてみたり。長いおうち時間をどうやって過ごすか? みなさん、さまざまに工夫して毎日を送っているのではないでしょうか。もちろん、自分が「好き」であったり「癒やされる」と実感できることは大切ですが、一時的に気分がよくなっているだけで、実はストレスオフされていないことも……。
そこでストレスとの上手な付き合い方をご紹介しているオフラボでは、全国14万人におこなっている「ココロの体力測定」から見出した低ストレス者の傾向や、有識者への取材を基に「今おうちでできるストレスオフ」のアイデアをまとめました。#STAY HOMEが、少しでも快適で楽しい時間になりますように。

執筆・監修:ストレスオフラボ