話すのが苦手でも大丈夫!会話を盛り上げる「うなずき効果」とは?

家族や友達など身近な人たち、職場の上司や取引先の人、学校や地域での交流、私たちは常に他人とコミュニケーションを取りながら生活をしています。ですが多くの人と会話をする中で、「全く話が弾まない」「すごく話しづらい」と感じたことはありませんか?

話すのが苦手な人にとっては大きな悩みとも言える会話問題。一体どうすればスムーズなやり取りが実現できるの?と、つい考えてしまいますよね。

今回のコラムでは、話し下手の人でもすぐに実践できる会話盛り上げテクニック「うなずき効果」について、心理学の観点から解説していきます。

 

話が続かない・会話が弾まない人の特徴とは?

話が続かない、会話が弾まない人には特徴があります。
まずは自分に当てはまるかチェックしてみてくださいね。

■「あいづち」や「うなずき」を全くしない

会話の最中に「あいづち」「うなずき」をしない人は話し手にとって「話しにくい相手」と感じさせてしまう傾向があります。たとえ真面目に話を聞いていたとしても、無反応という態度が話を聞いていない・関心がないという意味に捉えられてしまいます。

■「あいづち」や「うなずき」を頻繁にする

全くしないのもNGですが、多すぎる「うなずき」「あいづち」も拒否反応の表れです。これ以上話を聞きたくない、さっさと話を切り上げてほしいという心の状態から出てくる言動ですので、クセになっている人は要注意。極端に多いうなずきは話し手に不快感を与えてしまう可能性があります。

■自分の話をしない

どんなに小さな情報でも自分のことを一切話さない人は他人も心を開いてくれません。会話が続く、会話が弾む人の多くは自分の話を上手に伝え、そこから話が盛り上がるもの。話をしない=警戒心が強いとネガティブに思われてしまうケースもあります。

いかがでしたでしょうか?思い当たる人は自分の言動を見直してみましょう。

 

なぜ「うなずき効果」で会話が盛り上がるの?

日常会話を楽しく盛り上げる人は上手にうなずき効果を取り入れます。ここでは、ではなぜ「うなずき」がコミュニケーションに効果的なのでしょうか。3つまとめてみました。

1. 承認欲求を満たしてくれる

「うなずく」という行為は、相手に自分という人間が認められたという合図の1つです。多かれ少なかれ人は誰でも他人から認められたい・肯定してほしいという承認欲求を持つもの。
今年注目を浴びた何でも肯定してくれるゆるキャラ「皇帝(肯定)ペンギン」が流行ったのも、このような心理が働いているからです。
頷いてもらえることで承認欲求を満たし、もっと話したい!と会話の盛り上げに繋がるというわけです。

2. 安心感を与えてくれる

「うんうん!」「ほんとそうだね!」「それで?」「それから?」このような頷きに関する言葉や態度を会話の間に挟むと、前述の承認欲求が満たされる他、話し手に安心感を与えることができます。「ちゃんと自分の話を聞いてくれる」と感じるだけでなく、「そう思いますよ」という同調や「続きを話してください」という許可を示すサインにもなるのです。

3. 心理学研究の実験でも証明されている

うなずき効果が会話を盛り上げると言われているのは、心理実験でも実証されています。アメリカの心理学者マタラッツォ氏が実際に行った方法は以下の通り。45分間の面接を3つのカテゴリに分けて行ったところ、面白い結果が出ているのです。

〈45分間面接実験〉

  1.  最初の15分は普通にうなずいて面接をする
  2.  次の15分は面接官がうなずく回数を増やす
  3.  最後の15分は元に戻し普通にうなずく

上記の実験から面接を受けた参加者20人の発言時間をチェックしたところ、うなずく回数を増やした[1]の15分間は、20人中17人の発言時間が長くなりました。このような実験からも相手にたくさん話してほしい場合に「うなずき効果」が有効であることが分かります。

 

さらに会話を盛り上げるなら自分から話しかける!を意識する

会話の中での「うなずき」が話を盛り上げることができたら、さらに一歩踏み込んだコミュニケーションを実践してみましょう。

相手が話をしている間は「うん、うん」「それで?」「どうなったの?」「そうなの?」と、うなずき&あいづちでOKですが、相手の話が一息ついてしまったら?次の話題を効果的に聞き出すネタが必要ですよね。相手の話が落ち着いて沈黙が訪れてしまったら……

「自分の話をする」

こちらを実践してみましょう。相手が自身のことを話した場合、それを聞いた人も自分を話そうとする心理を「自己開示の返報性」と呼びます。恋愛相談の話をされた場合、経験や記憶から自分の恋愛話をしてもいいと思うようになる心の動きが会話に繋がりますので意識してみましょう。

とはいえ、初対面の人にいきなり身の内の話や重い話をされては相手側も困ってしまいます。心理学者アルトマンが提唱した3つの段階レベルを参考に、相手との親密度を上げていくと相手との関係値を深めていくことができます。

レベル1「表面レベル」

スタートは自分の名前や出身地、天気など誰でも関心のある話題など。出会いから挨拶を交わした初対面の状態。

レベル2「親密レベル」

好きな事や趣味など、もう少しプライベートに立ち入った話題。よく顔を合わせて長話をする友人クラスの状態。

レベル3「親密レベル」

普段では人に言わない話を共有する親密度の高いレベル。お互いに何らかの依存がある状態。秘密を共有する仲間や恋人がこのクラスです。

人との会話が苦手という人は、今回ご紹介した「うなずき効果」からぜひ挑戦してみてください。そして少しずつ会話レベルを上げ、上手に自己開示ができるようになると、これまで以上にコミュニケーションもスムーズになるはず。苦手意識を克服して、素敵な人間関係を築いてくださいね。


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部