生涯健康脳とは?運動、趣味、コミュニケーション、そして主観的幸福度が大切

首都圏・近畿圏を中心に介護付有料老人ホームを運営する株式会社チャーム・ケア・コーポレーション(本社:大阪府大阪市 / 代表取締役社長:下村隆彦 / 以下チャームケア)が主催する認知症改善プログラムの一環として第二回「チャーム・カレッジ」を、2019年10月18日(金)にチャームプレミア 永福にて開催いたしました。

本カレッジは、介護の質を向上させるためにチャームケアが取り組んでいる「認知症改善プロジェクト」の一環であり、東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターの村田裕之特任教授に監修頂いています。第二回となる今回は「生涯健康脳の実現に向けて」をテーマに、東北大学加齢医学研究所の瀧靖之先生より講義頂きました。
当日は、ご入居者様やご入居者様のご家族様をはじめ、総勢30名が参加。受講者は約1時間に渡る講義に真剣に耳を傾け、講義後の質疑応答の際には独自の観点から質問を投げかけるなど、スマートエイジングの重要性について理解を深めました。

 

  • 講義内容のトピックス

■子供の脳の発達と高齢者の脳の加齢は表裏一体であることがわかってきている。
そのため、認知症予防の研究と同時に脳の発達におけるメカニズムを知ることも重要。
■「健康寿命」は一人一人が自立して生活を送ることのできる期間。
この維持が難しいのは認知症や脳卒中といった、加齢による衰弱が原因。
■「健康脳」を維持し、認知症を予防できる方法は大きく3つある。
■ “幸せでいること“が認知症予防にも繋がる。

  • 講義内容①:子供の脳の発達と高齢者の脳の加齢について

脳の発達と加齢のメカニズムは類似しており、子供の脳の発達について知ることは認知症予防について知ることにも繋がります。子供が獲得しやすい能力は年齢ごとに違いがあります。0歳頃は笑顔を向けて愛情を伝える機会を増やすことが効果的であり、その後は読み聞かせ、知的好奇心を大切にすること、運動や音楽、英語に触れること、コミュニケーションを取ることなどが脳の発達において重要な項目となります。また、その中でも特に、大人になっても必要なことが”知的好奇心を持つこと” です。子供の模倣の対象は大人であることから、親が楽しんでいる姿を見せることは大人にとっての認知症予防に繋がるだけでなく、子供の発達にも繋がります。

 

  • 講義内容②:加齢と共に起こる脳委縮とその予防

どれだけ健康な脳でも、加齢と共に脳は萎縮していきます。脳が萎縮すると、記憶力、判断力の欠如に繋がり、ひいては認知症のリスクを高めてしまいます。しかし、加齢による脳萎縮は避けられないため、注目すべきは加齢以外に脳を萎縮させる原因となる、飲酒、喫煙、肥満などとなります。高齢者の多くの方は高血圧、糖尿病、高コレステロール血症など何らかの病気を抱えている人は多くいます。脳を若く保つためには、食事や運動、薬などを上手くコントロールすることが重要となります。

  • 講義内容③:「健康脳」を維持するために必要な“脳に良い3つのこと”

認知症のリスクを下げて、「健康脳」を維持するために必要な方法は大きく3つあり、運動、趣味・知的好奇心を持つこと、コミュニケーションを大切にすることがこれにあたります。共に、食事、睡眠にも気を遣うことで認知症の予防効果も期待できます。以下に各ポイントを整理しました。

1.運動
激しい運動をする必要はなく、1日30分程度の散歩など(息の弾む早歩きくらいがより効果的)できる範囲で構いませんので運動を習慣化することが重要となります。決して高度なことではなく、ご自身が無理なく続けられることが大切です。

2.趣味・知的好奇心を持つこと
趣味を持っている人は認知症になるリスクが低いという研究結果も出ており、知的好奇心を持ち続けることは脳の健康に良い効果をもたらすことがわかっています。知的好奇心が高いほど脳の加齢は抑えられ、記憶の定着も良くなるため、様々なことに興味を持つことが重要となります。趣味がないという方は、日常の些細な行動でも良いので、“楽しい”という感情を増やすことから始めましょう。

3.コミュニケーション
社会と関わり、コミュニケーションの機会が多い人ほど、認知症リスクが低いと言われています。趣味活動を起点にコミュニティ広げるなど、会話をする機会を増やすことが認知症リスクを下げることに繋がります。
■食事
特定のなにかを食べ続けるのではなく、バランスが大事です。ある程度カロリーの低いものが推奨されていて、具体的には「地中海食」「和食」などは脳・身体の健康に良いと言われています。
■睡眠
一般的に必要とされる睡眠時間は、成人だと7~9時間、高齢者だと7~8時間となります。
一方で寝すぎても睡眠の質は下がるので、ほどほどが一番です。

  • 講義内容④:“幸せ“でいることの重要性

近年の研究では、「ストレス」「幸せ」「我慢する力」など、人の内面にも着目することで、医学と心理学を融合して考える方法が主流となってきています。また、幸せとは「主観的幸福度」のことで、他人と比べてどうか、といったことではなく、自分自身が幸せかどうかが大切です。ストレスホルモンレベルが低く、副交感神経系が優位である人は認知症のリスクが明らかに低いこともわかっており、主観的幸福度が高い程、平均寿命が長く、その差は10年近くに達することもわかっています。運動、趣味、ご家族やご友人との会話などを通して、自己肯定感を高めたり、お互いに認め合い褒め合ったりすることで、日々の生活をささやかながらも幸せと感じることが重要なポイントとなります。

 

  • イベント開催概要

日程:2019年10月18日(金)
時間:14:00~15:30
会場:チャームプレミア 永福 〒168-0064 東京都杉並区永福四丁目25番18号
内容:1.子供の脳の発達と高齢者の脳の加齢について
2.加齢と共に起こる脳委縮とその予防
3.「健康脳」を維持するために必要な“脳に良い3つのこと”
4. “幸せ“でいることの重要性
5.生涯健康脳を構築し、その維持のために
講師:東北大学加齢医学研究所 瀧 靖之 先生

瀧 靖之 先生
東北大学加齢医学研究所 機能画像医学研究分野
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター
副センター長
医師、医学博士

93年東北大学理学部卒、同年東北大学医学部入学。03年東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。東北大学助手、助教、准教授を経て、12年より東北大学東北メディカル・メガバンク機構教授、13年より現職。大規模脳画像データベースを用いて、脳の発達、加齢を明らかにし、どのような生活習慣が脳の華麗を抑えるかを明らかにしてきた。これまで学会賞、論文賞など多数受賞。日本医学放射線学会代議員、日本核医学会評議員、日本老年医学会代議員。

【主な著書】
「生涯健康脳 こんなカンタンなことで脳は一生、健康でいられる」(ソレイユ出版)、16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる研究のコツ(文響社)など、多数

第三回は、2019年12月7日(土)にチャームプレミア田園調布にて開催いたします。
次回は、第一回と同じく村田裕之特任教授をお招きし、「元気でいきいきと過ごすための秘訣」についての講義を実施いたします。

 

  • 会社概要

名称: 株式会社 チャーム・ケア・コーポレーション
所在地 : 大阪市北区中之島3丁目6番32号 ダイビル本館19階
代表者 : 代表取締役社長 下村 隆彦
事業内容: 「介護付有料老人ホーム」及び「住宅型有料老人ホーム」の運営ほか

 


掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部