糖尿病予防にも!「海藻ファースト」な食べ方で食後の血糖値上昇を抑制

海藻製品シェアNO.1を誇るカネリョウグループのカネリョウ海藻株式会社(本社:熊本県宇土市笹原町1544、代表取締役社長:髙木 良樹)は、和洋女子大学 家政学部 健康栄養学科(千葉県市川市国府台2-3-1 、学長:岸田 宏司)の多賀 昌樹 准教授と共同で、第16回 日本機能性食品医用学会(新潟市中央区 朱鷺メッセ:平成30年12月15日~16日開催 大会長:曽根 博仁 新潟大学大学院 医歯学総合研究科 血液・内分泌・代謝内科 教授 )において、「メカブの食後血糖値抑制作用について」の学術発表を行いましたので、お知らせ申し上げます。
背景
現在、糖尿病などの生活習慣病の増加に伴い、国民医療費は増大しています。厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成28年)」でも糖尿病が強く疑われる者は1,000万人を超えている現状がございます。食後高血糖状態(140mg/dl以上)が続くと、血糖値を元に戻す働きをするインスリンの分泌に異常をきたすことで糖尿病を発症しやすくなることが問題となっています。そのため、食後の高血糖を抑えるために、野菜の先食べ(ベジタブルファースト)が広く推奨されています。弊社では、褐藻類であるワカメのひだ状の胞子葉であるメカブに着目し、メカブの先食べが食後の血糖値上昇を抑制すること、さらにその効果は、同量の野菜を先に食べた時よりもはるかに強いことを、今回、日本で初めて見出しました。
*ベジタブルファーストとは*
空腹時の食事で一番最初にご飯や麺類、パンなどの糖質を食べてしまった場合血糖値が急上昇してしまい、それに合わせてインスリンも急激に分泌されます。インスリンには糖質を脂肪に変化させる働きがありますので、食べ過ぎて消費されないと脂肪がつきやすい体質になってしまいます。

ベジタブルファーストとは、食物繊維を多く含む野菜から先に食べることによってインスリンの分泌のスピードを緩め、血糖値の上昇を穏やかにする方法のことです。

試験について
食後の高血糖を抑制することで糖尿病の予防や、糖尿病患者においても重症化の予防になるとされています。海藻抽出物(フコイダン等)での食後血糖値抑制作用は多く報告されていますが、日本において日常的に食べられているメカブの生食による食後血糖値抑制作用は、ほとんど研究されていません。そこで、健常者において、メカブの生食摂取による食後血糖値抑制作用について検討を行いました。

方法
被検者:健常成人女性7名(21.4±1.0歳)
試験食:(A)白飯群(白米200gのみ) (B)メカブ群(白米+メカブ 40g)(C)キャベツ群(白米+キャベツ 40g)
検査項目:(A)、(B)、(C)ともに摂取前、摂取30、60、90、120分後に血糖値を測定
結果

メカブ群では食後30分、60分で、白飯のみと比較して、血糖値の上昇を抑える傾向がみられました。また、食後60分ではキャベツ群と比較してもメカブ群は低値でした(図1)。
血糖上昇曲線下面積(AUC)についても、メカブ群は他の2群に比べて有意に低い値でした(図2)。
メカブ1食分(40g)を白飯の前にツルっと食べるだけで食後の血糖値が抑制され、食後の血糖コントロールを改善することが示唆されました。カネリョウ海藻では海藻の新しい食べ方として “食べる前に海藻を食べる”、「シーベジタブルファースト(海藻ファースト)」の実践を提唱します。
*血糖上昇曲線下面積(AUC)とは*
時間経過に伴う血糖値増加量の面積を指し、食品の血糖値上昇を比較する指標として用いられます。「血糖値上昇曲線下面積が小さいことは、糖質の吸収が抑えられた」ことを表しています。

【和洋女子大学 多賀准教授のコメント】
今回の試験結果から、メカブ摂取による食後血糖上昇抑制作用が、初めて確認されました。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)に食物繊維の目標量が示されていますが、「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)をみると、70代女性以外は目標量を下回っています。近年、食物繊維の摂取量が減少している中でメカブは、水溶性食物繊維であるフコイダンやアルギン酸ナトリウムを豊富に含む食品であり、不飽和脂肪酸も多く含むことが知られています。メカブ摂取による血糖上昇抑制作用が示されたことから、海藻を中心とした和食文化の見直しにもつながればと考え、今後も研究を進めてまいります。

*食物繊維の目標量*
日本人の食事摂取基準(平成27年)では、1日の食事から摂る食物繊維の目標量を、18~69歳では男性20㌘以上、女性18㌘以上としています。
若いほど摂取が少なく、20代では男女とも目標量の約7割しか摂取できていません。

カネリョウ海藻は、今後も海藻をはじめ、現代社会に必要とされる商品を生み出し、食を通じて社会貢献ができる商品作りを目指し、日々研究を進めてまいります。

 


掲載元:PR TIMES

Selected by COCOLOLO ライフ magazine 編集部