職場でもコミュニティでも。楽しく呼吸法を続けてストレスに負けない心身へ 健康経営アドバイザー 藤田友佳子さん 後篇


目覚まし代わりの音楽と呼吸法で、体調不良とは決別

編集部:では、藤田さんご自身は呼吸法をどのように取り入れていますか?

藤田:私はスマホに「目覚めスッキリ呼吸法」の音楽をダウンロードして、それを目覚ましに使って布団の中で呼吸法を3分間してから起きています。前回お話しましたが、以前の私は眠りが浅く朝もすっきり起きることができなかったのですが、今は毎朝すっきり目覚めて一日とても元気に過ごせます。その他の不調のオンパレードも今は何一つありません。

 

編集部:音楽と一緒に行う呼吸法ですが、セロトニン※とも関係していますか?
※セロトニンとは、脳内で働く神経伝達物質のひとつ。感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっている。興奮した時に分泌される「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」の働きを抑え、気持ちを安定させてくれることから、「幸せホルモン」とも呼ばれている。

藤田:実はボディリズム呼吸法は、日本ボディリズムマネジメント協会の顧問をしていただいている有田秀穂先生(東邦大学医学部名誉教授・セロトニンDojo代表)の元で脳波の検証も行っていて、この呼吸法の音楽を聴きながら1日1分呼吸をするだけでもセロトニンが活性することがわかっています。音があるのとないのとではセロトニン活性度が違ったことから、音を聞いて集中することがポイントだと考えられます。

 

いつもの「歩く」の質が高まるウォーキング呼吸法

編集部:企業でセミナーをされるときに喜ばれるプログラムはありますか?

藤田:先日も、健康経営の一環でウォーキングキャンペーンをされている企業にうかがったのですが、既にみなさんがやっている「歩く」ことに呼吸法を組み合わせるご提案をしたらすごく喜ばれました。
実際にやってみると、ただ歩くだけだと実は色々な考えごとをしてしまって歩くことに集中できていなかった、ということに気づかれました。
ボディリズム呼吸法の歩く呼吸は、考案された音楽とリズム、吐いたり吸ったりするサイン音があるので、余計なことを考えず集中してウォーキングができるのです。
脳科学的にも、無意識の呼吸は生命維持のためのもので脳幹が働きますが、意識して行う呼吸は大脳皮質や前頭葉が活性されるという違いがあります。せっかく歩くなら、使っている筋肉を意識してリズムよく歩く方がより効果的と言えるでしょう。

 

編集部:受講者は男性と女性でどちらが多いのでしょうか?

藤田:自由参加の場合、結構男性の方が多いです。会社がいろいろ準備しているメニューの中で「健康ウォーキング」というと受講しやすいようですね。ヨガだと少し構えてしまうけれど、ウォーキングは普段もしていることですし、セルフでやる健康法の取り掛かりとしてハードルが低いのだと思います。

 

 

わざわざ加えるのではなく、習慣に溶け込ませるのがポイント

編集部:私もCDを聞いてやってみましたが、歩きながらの呼吸法は一駅歩くついでにできていいですね。他にも私たちが取り入れやすいものはありますか?

藤田:続けやすいのは「寝る前に布団に入って行うぐっすり呼吸法」です。みなさんに聞いてみると睡眠の質を上げたいという声はとても多いです。睡眠時間を増やすのは無理だから質をよくしたいと仰います。眠りが浅い、夜中に何度も起きる、朝すっきり起きられない…など、睡眠の質の低下を自覚されている方は本当に多いですね。

あと、お風呂タイムに呼吸法をするのもおススメです「疲労回復呼吸」は3拍子の音楽に合わせるもので、さらに眼球を左右に動かす動作を合わせます。現代人はスマホやパソコンなどを使って同じところをずっと見続ける生活をしているので目を動かす筋肉を使っていません。お風呂の中は蒸気もあるので目にはとても良い環境で、これをお風呂の中でやると目の疲れがとれて視界はスッキリ、脳の疲れもとれますよ。

 

3ヶ月先の理想の姿に近づくための呼吸法

編集部:藤田さんは呼吸法を続けて、かつての不調が今は何もなくなったと仰っています。継続するためのアドバイスはありますか?

藤田:私はみなさんに習慣化シートというものを作ってもらいます。
4つポイントがありますのでご紹介します。

  1. 「3ヶ月先の理想の姿を設定する」:これは呼吸法自体の上達とかではなく、理想の自分像や生活像を設定して、そのための手段として呼吸法を取り入れてもらいます。3ヶ月続ければかなり心身に変化が感じられます。
  2. 「チェックシートをつける」:毎日呼吸法をやった、やらなかった、をマーキングします。
  3. 「50%でOKとする」:習慣化にあたって完璧である必要はありません。3分の予定が1分になったり、朝やるつもりが昼休みになったり…。予定通り行かなくても50%出来ていれば○をつけましょう、という緩さを大切にします。
  4. 「誰かに宣言する」:やはり周りに宣言すると続けやすくなります。一緒にやる人を見つけたりコミュニティを作っている方もいらっしゃいます。

 

「やっているうちに健康になっちゃった」が理想。現代のラジオ体操を目指したい

編集部:キッズ向けの呼吸法もされていますね。

藤田:協会では講師養成をしていて、キッズインストラクターを取得した人たちがPTAや地域で広げてくれています。
子どもたちにも呼吸法が必要だと思った背景には、呼吸はクセになっているので大人になって呼吸法をやってもなかなかうまくできないということもありますし、子どもたちの口呼吸も増えています。また、今の若い人たちは就職をしてもちょっとしたことで辞めたくなってしまうなど、心が折れやすい傾向も指摘されており、子どもの頃からストレスを上手にコントロールできる習慣を持ってストレスに負けない耐性を作っておくことが大切だと思ったことなどがあります。

私自身、子育て中はコミュニティを作ったりもしていましたが、そういう場を通してお母さんが呼吸法をして、それを子どもにも伝えることができれば、まずはお母さんのイライラが減ってその結果子どもも落ち着いて、さらに家庭ではお父さんも一緒にできるといういい循環が生まれるでしょう。そんな風にみんなで一緒に楽しくできる現代のラジオ体操みたいになってほしいと願っています。

 

編集部:家族のコミュニケーションを深めながら心身健康になれるのはいいですね。

藤田:成績にはとてもこだわるけれど、そのわりにコンビニのお弁当で塾へ行かせたり、睡眠時間が極端に短かったり…。基本の生活環境が乱れているようでは本末転倒ですし残念です。
呼吸法を通して、集中力もつけばお母さんも「勉強しなさい」と口やかましく言わなくてもよくなります。呼吸法を通じてお母さんたちのヘルスリテラシー※も高まって好循環が生まれるようにお伝えできたらいいなと思っています。
※ヘルス・リテラシー(health literacy)とは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、得、理解し、効果的に利用する個人的能力。

 

編集部:それでは最後に、藤田さんの今後の目標をお聞かせください。

藤田:健康寿命の延伸が課題となっている今、ひとりひとりの負を解消して、健康の土台となる基礎代謝を上げたいです。社員が健康になって生産性が上がるよう企業サポートにももっと力を入れたいと思っています。
ボディリズム呼吸法は、きちんとした専門家の方々に監修をしていただいた音楽や動きに合わせるだけで、誰もが楽しくできる難しくない健康法です。
「楽しくやっていたら、結果的に健康になっちゃった!」を目指して、これからもどんどん輪を広げていきたいです。

 


藤田 友佳子(ふじた ゆかこ) YUKAKO FUJITA

健康経営アドバイザー。1日1分でココロとカラダを整える呼吸法「ボディリズム®」の専門家、株式会社Tree of Heart代表取締役並びに日本ボディリズムマネジメント協会の代表理事。
自身の体調不良を呼吸法とストレッチ運動によって改善した経験から「呼吸」「運動」の効果を身をもって体感。いつでも・だれでも・どこでも楽しく出来る呼吸法「ボディリズム®」は生産性が向上する健康経営の具体的な施策として高く評価され、全国各地、様々な業界の企業で登壇している。


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部


関連コンテンツ