「がんばれ」は曖昧な言葉。本当に言うべきこと、伝えるべきこととは?アイドルプロデューサー・めんそ〜れ愛菜さん Vol.4

現代社会はストレスとの闘いです。「こころを整える」ためにどうすればいいのか、各界の著名人をゲストに招いてCOCOLOLOライフmagazine編集部がメンタル面の変化に着目しながら切り込んでいく「こころトーク」。

今回インタビューをさせて頂いたのは、女性エンターテイメント集団で世間を賑わした元あやまんJAPANのメンバーであり、現在は株式会社ぶるーおーしゃんの代表としてご活躍されている、めんそ〜れ愛菜さん。「病んでいる人」限定で構成されたアイドル「病ンドル」のプロデューサーとして、資金調達からメンバーのケアまで一生懸命こなす明るく元気な姿が印象的ですが、病みを抱えた経験があるからこそ、ここまでやってきたと、これまでのインタビューで語って頂きました。ラストとなる今回のコラムでは、病ンドルを続ける意味、そして世の中の病んでいる人たちに伝えたいことをお聞きしました。

 

病ンドルの心をケアしたいからこそ、ファンと一緒に飲んで直接話を聞くことも

編集部:メンバーにトラブルがあったときのコミュニケーションはどうされていますか?

めんそ〜れ愛菜:メンバーが本気で病んでいる状態だと、まずグループLINEは既読になりません。そういう時は無理に聞き出そうとはせず、「どうしたの?」と個人のLINEアカウントに連絡を入れて既読になるまで待ちます。話してくれる雰囲気であれば、何があったのかを聞いてアドバイスをするようにしていますね。ファンからの言葉で落ち込んでしまうこともあるので、そういう場合はファンに直接、メンバーが傷ついていることを伝えます。

とはいえ、ファンの存在はメンバーにとってすごく大切。私のおごりでファンと一緒に飲みに行くこともありますよ。ファンの言葉でメンバーが傷ついたとはいえ、彼らも悪気はないと思うので。「最近の病ンドルはどう?」と、率直なファンの反応を聞いています。

 

編集部:病んでいる人たちと話をする時、言葉を選ぶことはありますか?

めんそ〜れ愛菜:「がんばれ」という言葉だけでは曖昧になるから、理由とその裏付けまで伝えています。時としてそれが毒と思われるかもしれませんが、本当にその子と真剣に向き合うなら厳しい言葉も愛情だと思います。分かってもらえない部分もあるかもしれないけど、曖昧な言葉は使わず、はっきり具体的に言葉にするように努力しています。

 

編集部:愛菜さんご自身のメンタル管理はどうされていますか?

めんそ〜れ愛菜:私自身、アイドルが大好きだから友人もアイドルばかり。頭の中は常に病ンドルなので一緒に飲みにいくと、つい病ンドルの話に(笑)とはいえ、気兼ねなく話せる友人たちとお酒を飲む時間が自分の中で息抜きになっています。それから恋をすること!好きな人ができると自然に頑張れるというか。家族や友人とは違う心の支えになってくれます。恋愛に執着しすぎてしまうと活動に集中できなくなってしまう可能性があるので、自分の気持ちをコントロールしながら恋をしてほしいですね。

 

編集部:卒業したメンバーはその後どうされていますか?

めんそ〜れ愛菜:ドクターストップがかかってしまったり、逃亡したりと大変なこともありましたが、その一方で人生が良い方向に変わったメンバーも沢山います。好きな人と出会い結婚をして幸せになった子、物販のデザインなど裏方で手伝うようになってくれた子、病みから解放されてアイドルやグラビアの活動をしている子、病ンドルを卒業して後もライブを見に来てくれる子……。昔を振り返ると、成長してくれたなと嬉しく思います。

 

 

出会えて良かったと思えるように。心に病みを抱える人たちの居場所が病ンドルであって欲しい

編集部:愛菜さんにとって病んでいるアイドルを続ける意味とは?

めんそ〜れ愛菜:病ンドルは今年7月で3年目になります。病ンドルがいることが私の居場所であり、メンバー、そしてファン、みんなの居場所でもあるんです。

グループを結成した当初はライブに来てくれるようなファンも少なくてメンバーも苦労をしました。でも、病ンドルが成長するにつれ、笑顔が出てくるようになって。ライブに遊びに来てくれるファンも少しずつ増えて、ようやくここまでたどり着きました。現在の病ンドルが3名ですので、#111111sickが早く正規メンバーになってもらえたらなと思います。今は年に1〜2回がワンマンライブで、それ以外が対バンですが、大きな箱でワンマンライブツアーができたらいいですね!

 

 

編集部:今回、病ンドルについてお話を聞かせて頂きましたが、病みがあるこの時代をどのように感じますか?

めんそ〜れ愛菜:病みを抱えながら人生を生きている人は本当に多いです。その背景には、昔よりも承認欲求が増えてきたことがあるのかなと。例えば身近なところで言えば、携帯やスマホからできるSNS。流行で盛り上がりを見せる反面、病みの属性を増やして細分化させているようにも思えます。

 

編集部:病ンドルを通して世の中にどんなことを伝えたいですか?

めんそ〜れ愛菜:病んでいる人たちに伝えたいことはシンプルです。「わたしなんか」と悲観しないでほしいということ。「こんな私でも、居場所はちゃんとある」と少しでも前向きな気持ちを持ってください。もし、SNSに「死にたい」と投稿する勇気があるなら、私に会いにきてほしい。私も病ンドルたちも大変な思いをしましたが、お互い出会えて良かったし、今とても楽しく過ごしています。

以前、病ンドルのメンバー・ファン・スタッフ陣で誰でも参加ができる無料会議を開催したことがあるのですが、たくさんの人が参加してくれました。「次の新曲の振り付けは?」「病ンドルにやってほしいことは?」「衣装のテイストは?」普通なら運営側が会議で決める内容を、ファンを巻き込んだ公開会議に仕立てて。反響も良かったし、ファン同士が結束した感触もありましたので、開催して良かったと思います。こんな自由に言い合える場は、今後も提供していきたいですね。

 

病ンドルを通じて病みと向き合い、新しい出会いと可能性を見出そうとしているめんそ〜れ愛菜さん。今の自分を少しでも変えたい……と感じている方は、ぜひ病ンドルの活動をチェックしてみてはいかがでしょうか。きっと新しい刺激を与えてくれるはずです。

 


めんそ〜れ愛菜 (めんそ〜れあいな)

Twitter:https://twitter.com/ainamnsl
病ンドル:https://yandoll.tokyo/
#111111SICK:https://yandoll.tokyo/111111sick/
オーディション情報:http://blue-ocean-inc.tokyo/entry/


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部

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