不調は「がんばりすぎ」への全身からのクレーム 呼吸アドバイザー 椎名由紀さん Vol.2


現代はストレス社会と言われますが、適度なストレスはヒトの成長に欠かせません。日々「こころを整える」ためにどうすればいいのか、COCOLOLOマガジン編集部が様々な分野で活躍する人物からそのヒントを探る「こころトーク」。

『ZEN呼吸法』を提唱する椎名由紀さんへのインタビューの第2回目です。今回は、ご自身が高校時代から15年間体験してきた壮絶な不調期の辛さや葛藤について語っていただきます。決して他人ごとではなく、誰の身にも起こりうる貴重な体験談です。

 

自身の絶不調の背景にあった「がんばりすぎ」

編集部:本を読んで驚いたのですが、(こんなに元気そうな椎名さんが)実は長年不調に悩まれ、壮絶な思いを経験されていました。

椎名:そうなのです。日本の社会は、がんばらないとダメっていうところがありますよね。私は特にそうでした。がんばることがマストだと思っていて、幼少期からパワー全開で生活していました。だからがんばっていることが普通でがんばっているつもりもありませんでした。

 

編集部:親もなにかにつけ「がんばって~」って言ったりしますものね。

椎名:そうです。がんばることってとても大事なのですが、頑張った後はちゃんとゆるめないといけないのです。
私は、中学生にしてピアノの免状を取ったり、勉強も運動もなんでもトップを目指し、高校では生徒会役員をやって部活をやって受験勉強もしていました。それでも、自分では頑張っている自覚はなくて、まだまだ出来る!くらいに思っていましたから(笑)。

 

16歳のある朝、突然ドン底へ落っこちた

編集部:不調になったのには、何かきっかけがあったのですか?

椎名:それが、高校2年生16歳のある朝、突然、「ド~ン」と落っこちた感じです。頭が割れるように痛くて起きられなくなって、その後15年間、起きている時に頭が痛くない時間はなかったです。
その日以来、診断もつかない25の不調に悩まされることになりました。

 

編集部:突然発症して15年間ですか、、、。長いですね。その間お医者さんへは行かれたのですか?

椎名:起きている間じゅう地獄でしたからね。病院ヘは行きました。検査もたくさんしました。でも、どこへ行っても「異常なし」「原因不明」で、薬も処方してもらえませんでした。

今思えば、自律神経の活力自体が極端に低くて生命力がヤバい状態だったのだと思います。毎日襲う「痛い」「痺れる」「起きられない」「過食」「拒食」「冷え」「のぼせ」「吐き気」etc.といった症状は、全身から懸命に発せられていた「なんとか自然に戻してくれよ~」というクレームだったわけです。

世間ではまだ「自律神経失調症」という言葉が出だした頃で、更年期の女性に使われたりしていました。今思えば、そのひどい版みたいな症状だったと思います。

 

 

母の「仮面うつ」をきっかけに心療内科を受診

編集部:当時は、「自律神経が乱れていますよ」とか、「ストレスですね」なんて誰も言ってくれませんよね。

椎名:そうです。生徒会が忙しくなり夜遅くまで学校に残って仕事をし、毎日具合が悪いのにがんばって学校ヘ行っていました。その中で部活仲間からのいじめ、受験勉強の疲れ、「なんでこんなに頑張っているのに?!」という怒り、身体の痛みや不調が他人にわかってもらえない苛立ちなどが全て重なって、徐々に心理的なストレスも大きくなりました。

 

編集部:まず身体の不調があって、それに心のダメージが加わって、ある日ドカーンっていう流れですね。

椎名:今整理するとそういう流れですね。それで、そうこうしているうちに、私のコピーみたいな母が、私よりもひどい状態になって、まだ数少なかった心療内科を受診したのです。その時、母は自律神経失調症から来る「仮面うつ病」だと診断されました。

それで、母から「薬を飲んだら調子がいいから、あなたも病院へ行きなさい」と促されて、心療内科に診てもらうようになりました。とてもよく話を聴いてくれる女医さんで、弱めの筋弛緩薬を飲んだりしているうちに少し身体が緩んだのでしょうか、、、。最悪期のレベルを10とすると5くらいまで楽になりました。

 

思い出すと今でも涙が溢れてくる当時のことを丁寧に回想してくださいました。「全てはがんばりすぎが高じて乱れた自律神経のせいだった」という言葉には、説得力があり、現代人への教訓でもあります。
次回は、そんな椎名さんの人生を180度変えた呼吸法の出会いへとお話を進めます。どうぞお楽しみに。

 


椎名 由紀 (しいな ゆき)
ZEN呼吸法呼吸アドバイザー / 体内対話 株式会社 代表

1975年生まれ。早大一文哲学科 卒業。第40代ミス東京第1位。
10代半ばより15年間続いた原因不明の不調を、江戸中期の 禅僧「白隠」の呼吸法で完全に克服。『ZEN呼吸法」』としてメソッド化。現在は、一般向けのレッスン、企業や団体の講演を多数行う他、代々 木studioを中心に、京都の禅寺など全国を飛び回る。湘南と信州の二地域居住、無農薬無肥料のお米を生徒たちと共に育てている。
http://www.zenkokyu.com/


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部


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