呼吸法のエキスパートが見た現代人の不調とは? 呼吸アドバイザー 椎名由紀さん Vol.1


現代はストレス社会と言われますが、適度なストレスはヒトの成長に欠かせません。日々「こころを整える」ためにどうすればいいのか、COCOLOLOマガジン編集部が様々な分野で活躍する人物からそのヒントを探る「こころトーク」。

今回のゲストは、江戸時代の呼吸法をアレンジした独自のメソッド『ZEN呼吸法』を提唱する椎名由紀さんです。15年に渡る不調と戦う中で自身の身体と向き合うことの大切さを痛感し、今では過去を忘れるくらいの健康に感謝しながら、全国の不調で悩む人たちに精力的にレッスンや指導をされています。
4回にわたってお届けする第1回は、呼吸法を人々に伝える中で感じる、現代人ならではの不調とその背景にある要因についてお話を伺いました。

編集部:『ZEN呼吸法』を読ませて頂きとても興味を持ちました。いろいろお話を伺うのを楽しみにしています。

椎名:ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

 

多くの人が「病気未満の不調」で苦しんでいる

編集部:椎名さんは全国で『ZEN呼吸法』を教えていらっしゃいますが、どんな方が受講されるのですか?

椎名:「病気未満の不調」を抱える方が多いです。病院に行っても治らない冷え性、便秘、肩こりなど、「○○症」とか「○○症候群」といって症状に名前がついたような状態に悩んでいらっしゃいます。病院ジプシーが私の教室やレッスンに辿り着くというケースは多いです。

 

編集部:それらの「症状」に共通することはあるのですか?

椎名:みなさん、呼吸が浅くて、血液が身体に充分行き渡っていない、身体がガチガチな状態です。そして、その状況を作り出しているのは「自分」だという自覚がないのも共通点ですね。
例えば女性に多い「末端冷え性」。中にはシルクやウールといった高級な靴下を8枚重ねるという方もいらっしゃいます。でもこれは逆効果。なぜなら呼吸が浅くて血液が末端まで届かない状況を作り出しているのは「自分」ですから、靴下に頼る前に、呼吸を深めて身体をゆるめて、血液を末端まで送らないと冷えは無くなりません。

 

 

自分のからだは自分でしか変えられない

編集部:そういう方たちがレッスンを受けられるとき、椎名さんが必ず伝えるメッセージはありますか?

椎名:「今の不調は病気じゃないんだよ。自分で作りだしているんだよ」「自分のからだは、自分でしか変えられないんだよ」ということをお伝えします。
都会で暮らしていると、知らないうちに身体に力が入って、自ら「ゆるめる」ということを忘れてしまいます。
そして、不調に気づいた時、自分と向き合う前にお医者さまへ行ったりして外の力に頼ってしまいがちです。

でも、不調は、身体を不自然に使って生まれた「不調和」であって、本来自分の身体を変えていかないともとに戻りません。なによりも自分の身体と向き合う努力が必要なのです。

 

からだの声を感じづらい男性たち

編集部:レッスンに来る方を見て、未病ケアの意識は高まっていますか?

椎名:それは感じません。結局、人は不調にならないと自分の健康を考えたりしませんね。

 

編集部:男女の違いはありますか?

椎名:レッスンに来る方は少なからず何か不調を訴える方ですが、9割が女性です。この10年間変わりません。女性は生理という自然のリズムを持って生きていますから、自分のからだに意識を向ける機会が多いです。
そういう意味でも、自分のからだに向き合うのが苦手で責任が持てない人は男性の方が多いのではないでしょうか。

 

編集部:からだと向き合うのは難しそうですが・・・・・・。

椎名:自分と向き合うのが、毎朝1時間のランニングと言われると大変ですが、その点、呼吸は誰もが毎日、今もしているものですから、難しいことではありません。
毎朝数分、いつもの呼吸に改めて意識を向けて自分を見つめる。そして、それをきちんと続ければ、みなさん健康が手に入るのですよということを、いつもお伝えしたいと考えています。

 

病気未満の不調・・・・・・身につまされる方も多いのではないでしょうか。
とてもよく通る声で溌溂とお話をして下さった椎名さんですが、実は高校のときから15年も不調に悩まされていたのだそうです。次回は、ご自身の不調時代を、誰にでも起こりうることとして教訓を交えて回想していただきます。どうぞお楽しみに。

 


椎名 由紀 (しいな ゆき)
ZEN呼吸法呼吸アドバイザー / 体内対話 株式会社 代表

1975年生まれ。早大一文哲学科 卒業。第40代ミス東京第1位。
10代半ばより15年間続いた原因不明の不調を、江戸中期の 禅僧「白隠」の呼吸法で完全に克服。『ZEN呼吸法」』としてメソッド化。現在は、一般向けのレッスン、企業や団体の講演を多数行う他、代々 木studioを中心に、京都の禅寺など全国を飛び回る。湘南と信州の二地域居住、無農薬無肥料のお米を生徒たちと共に育てている。
http://www.zenkokyu.com/


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部


関連コンテンツ