マイカウンセラーが欲しかった!孤独で辛かった教官時代 心理カウンセラー 石田より子さん


現代社会はストレスとの闘いです。「こころを整える」ためにどうすればいいのか、各界の著名人をゲストに招いてCOCOLOLOライフmagazine編集部がメンタル面の変化に着目しながら切り込んでいく「こころトーク」。

女性のための電話カウンセリングで活躍する心理カウンセラー石田より子さんのこころトーク第2回です。CAをされていた石田さんがカウンセラーを目指すきっかけとなったのは、意外にも地上で新人訓練部の教官をしていた時に味わった辛い経験だそうです。自身のこころと向き合った当時のお話を、ふだん目にすることのない職場のエピソードを交えて話していただきました。

 

CA最大のピンチは、新人養成訓練部の教官時代

編集部:CAとして34年という長いキャリアをお持ちだったわけですが、そもそもCAからカウンセラーになろうと思われたのはどうしてですか?

石田:私がいた航空会社では、客室乗務員が新人養成訓練部の教官を担当しますが、25年ほど前に私も2年間経験しました。そのときは、男性も含め14人の外国人訓練生がいて、接客やサービスに関わる指導をしたのです。

航空業務の基礎知識、接客マナー、日本文化を教えるのが業務内容でしたが、なかなか手強い生徒たちで、授業中の態度から日常生活まで思いがけないことの連続に奮闘する日々でした。

訓練期間中に落第生になったら本国に帰すことになるので、教官は責任重大です。長い私のCA人生で最大のピンチは?と訊かれたら、迷わずこの時代になりますね。

 

声が出なくなるほどのストレスまみれの日々

編集部:訓練部の教官時代に経験されたピンチとは?どのようなエピソードがありますか?

石田:例えば、訓練生は寮に入っているのですが、週末、寮の屋上で日焼けして、月曜日に真っ黒になって仕事に来たことがありました。

彼女たちにとって日焼けはステイタスですが、日本では遊びを連想させるので、客室乗務員の日焼けは厳禁です。それで朝礼でその子たちに注意をしたら、どうしてなんだ!と逆に14人から問い詰められました。自信のない英語で説明するにはデリケートな内容で、朝礼の時間は延び、次の授業の教官を廊下で長く待たせて無力さを感じ、とても恥ずかったことを覚えています。

 

編集部:心身共にストレスが大きかったのでは?

石田:上司からは、「石田の指導力不足」だと指摘され、毎日身が縮む思いでした。朝は早くに家を出て、帰宅はどんどん遅くなり、、、。そんな毎日の繰り返しで心身共に本当にヘトヘトでした。私しか頼ることのできない異国から来た訓練生を守りたい思いと厳しく指導しなければならない立場の板挟み、訓練生と上司との板挟みを経験した、学びはありつつも中間管理職のような悲哀に満ちた2年間でしたね。

訓練生を送り出した後は脱力と同時に声が出なくなりました。身体は元気なのですが、声帯から声が全く出なくて口パクにしかならない。訓練期間中ものすごくストレスがかかっていたのだと思います。
そのとき、「ふつうの会社員として一生懸命働いて、こんなにもこころが疲れ果てるんだ」ということを身をもって体験したわけです。

 

 

誰にも相談できない日々、心底マイカウンセラーが欲しかった

編集部:その辛い日々の経験からカウンセラーに?

石田:そうですね。その当時を振り返ってみますと、自分の心の内で悩んでいることや、どうやって問題を解決したらいいのかを誰かにとても相談したかったのです。

でも、悩みを打ち明けるのは、自分の落ち度を明らかにするように思えて、先輩には絶対相談できませんでした。
かといって、部内で話せば誰かの悪口になってしまうし、家族に言えば余計な心配をかけてしまう。また、外部の人に職場特有の環境を理解してもらうのはなかなか難しいと思いました。そもそも毎日ヘトヘトで、一から状況説明する気力も残っていませんでしたし・・・・・・。

誰にも相談できず、自分で自分を責めてはひとりで落ち込んでいましたね。自分に自信がないから、逆に人前では突っ張って演技しちゃったりして。「自分は平気、大丈夫」「ちゃんと指導できるわよ!」って。それがどんどん自分を追い詰めていくのです。

 

編集部:相談したかったのですね。でも、25年前というと、カウンセリングは全然ポピュラーではないですよね。

石田:当時、日本でカウンセリングを受けると言うと病気の人というイメージでした。どうやってカウンセラーを探せばいいのかも、まったくわからない時代でした。

でも、アメリカでは日常的にカウンセリングへ行くという文化があることは知っていましたから、そういうカウンセリングルームやマイカウンセラーが欲しいな、と思っていました。
そして、仕事の環境とか、その人の置かれた状況をきちんとわかる、確かなカウンセリングの技術のある人が必要だと思ったのです。

 

カウンセリングがまだまだ特別視されていた時代から、働く人にはマイカウンセラーが必要だ!と確信された石田さん。

次回は、CAならではのストレスとの向き合い方、そしてご自身が心身バランスを取り戻したコーチングとの出会いなどについてお話を伺います。

 


石田より子
心理カウンセラー

航空会社のCAとして34年間勤務。会社在籍中6年間に渡り、コーチ仲間と共に社内コーチングセミナーを毎月開催。2013年、両親の介護のため退職。同時に心理カウンセラー、コーチとして独立。「気軽にカウンセリングを受ける文化」を日本に根付かせることを目標に活動中。著書に、『さぁ、運を引き寄せる達人になろう!』文芸社刊。私生活では、4年間の両親の終末ケアを終えた1年後、5才年下の最適な人と出会い初婚同士で結婚。


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部


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