現役時代、最も苦しかったのはあの瞬間!元女子バドミントン選手・小椋久美子さん


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現代社会はストレスとの闘いです。「こころを整える」ためにどうすればいいのか、各界の著名人をゲストに招いてCOCOLOLOライフmagazine編集部がメンタル面の変化に着目しながら切り込んでいく「こころトーク」。

今回のゲストは、前回に引き続きバドミントンの女子ダブルスペア日本代表として「オグシオ」コンビで世界中を沸かせた元女子バドミントン選手の小椋久美子さん。COCOLOLOライフmagazine編集部の板生研一(WINフロンティア㈱代表・医学博士)との対談形式で、現役時代に最も苦しかったことについて語って頂きました。

 

「連覇」してからの追われる恐怖感が恐ろしかった

編集部:小学2年生からバドミントンを始めた小椋さんですが、現役時代で1番苦しかったことってありますか?例えば、全日本総合選手権5連覇されたときとか…。

小椋:ダブルスで優勝した2連覇が1番苦しかったですね。なぜかというと、その頃の私って2連覇を経験したことがなかったんです。だから「連覇」の大変さというか、連覇したいけど、どうすればいいのか分からなくて。
例えば、初めて優勝するときって優勝したことがないから怖さが無いというか挑戦者なんです。失うものもないし、優勝に向かっていくだけ。私も優勝するまではそう思っていましたが、優勝してからの1年間は、もう追われる恐怖感が凄かったです。

 

編集部:絶対王者としての恐怖やプレッシャーは優勝したら避けては通れないですよね。

小椋:そうなんです。だから日々の練習すらも恐怖感との闘いでしたし、自分の練習がこれで合っているの?と迷うことすらあるんです。この練習だと追いつかれるんじゃないか?抜かれるんじゃないか?そんなプレッシャーがずっと続いている状態でした。これが1年間続いてからの2連覇でしたので地に足がついた状況判断ができなかったというか。
目の前の対戦相手に勝つことだけを考えながら、試合を積み重ねた結果が優勝に繋がるとシンプルに考えれば苦労しなかったんだろうなと今振り返ると思うんですけど、先ばっかり見てしまっていましたね。「2連覇!2連覇!」みたいな。それがすごく苦しかったです。でも、その経験があったからこそ3連覇、4連覇のときは少しだけ緩和されました。あの苦しみをどう乗り越えようと考えるゆとりが自分の中に少しだけ出てきたというか。結果として、3連覇、4連覇の方が2連覇のときよりは苦しくなかったなと思います。

 

編集部:でも、3連覇、4連覇となれば追われる感が余計にありませんか?トップに君臨している期間が長いほど、失いたくない思いも強くなるというか…。

小椋:追われる恐怖感はずっとありました。でも変な話、練習の中では自分の弱い部分を絶対に見せたくないという気持ちがあって。メンタル的な部分がONの状態になったままでしたね。だから心身を休めることがほとんどなかったんです。
でも、3連覇を目指すときは2連覇のときのようなプレッシャーや「連覇をしなきゃいけない!」という一方的な考えはなくて、5連覇を達成するまでの間、本当に紆余曲折、山あり谷ありの人生でした。じつは3連覇を達成するときに精神状態が落ちたんですよ。そのことが自分の中で大きなきっかけになっているのかもしれません。

 

どん底に落ちた時こそが自分を成長させる最大のチャンス!

編集部:落ちた…、それってスランプですか?

小椋:感覚的に言えばスランプとは少し違いますね。試合に負けて、立ち直るのに時間が掛かった時期があって。でもその経験があったからこそ、自分は他の選手よりも弱いんだと素直に認められたというか。だから、王者ではなく挑戦者になったつもりで3連覇を参戦できたと思います。

 

編集部:試合に負けたという事実だけを見ればマイナスですが、小椋さんが仰った意味ではプラスに作用されているということですよね

小椋:そうでうね。もちろん負けたくないという気持ちはありますよ!負けたくはないけど、大きな大会で負けた結果、その時の私にはプラスになっているのかな?と感じる部分はあります。私はどちらかといえば、どん底に落ちたり自分がうまくいかないスランプ時期に「これから何をするか?」を考えるタイプ。だから、どん底に落ちたときは自分が成長できるチャンスでもあるんです。結果プラスになったことを実感すると「あ、以前よりも大きくなれたかな?成長できたかな?」って自分の変化に気付きます。

 

優勝したその先にある「連覇」という恐怖にずっと追われていたという小椋さん。でも、その恐怖を知り、大会で負けることで自分の弱さと向き合えたからこそ、全日本5連覇を成し遂げることができたといえるのではないでしょうか。次回のインタビューでは、小椋さんが実際に経験されたスランプを語って頂くとともに、どうやって乗り越えてきたのか「スランプ対処法」についてお届けします。


編集:COCOLOLO ライフ magazine 編集部


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