運動のタイミングで変わる、睡眠の質と感情の安定 ~「リトルC」を引き出す新習慣~

「今日は疲れているのに、なかなか眠れない」「眠ったはずなのに、朝から気持ちが不安定…」。そんな経験はありませんか?ビジネスパーソンにとって、睡眠の質や感情の安定は、仕事のパフォーマンスを左右する大きな要素です。そして最近の研究から、これらを改善するカギの1つは「運動のタイミング」にあることが明らかになってきました。

 

朝の運動で深い眠り、夜の運動でストレス解消

忙しいビジネスパーソンにとって、日中の集中力や生産性を高めるための「眠りの質」は、見逃せないテーマです。しかし、ただ睡眠時間を確保するだけでは十分ではありません。眠りの「質」を左右するのは、実は日中の過ごし方、特に運動のタイミングに大きく関わっています。

米アパラチア州立大学の研究では、高血圧予備群の成人を対象に、午前7時、午後1時、午後7時のいずれかに30分の有酸素運動を行ってもらいました。その結果、午前7時に運動したグループは、夜の入眠が最もスムーズで、中途覚醒も少なく、深い睡眠を得られたことが分かっています。さらに夜間の血圧も安定して低くなり、体のリカバリーが促進されることが確認されました。

日本の北海道大学による研究でも、午前中の運動が副交感神経の活動を高め、睡眠中の深部体温を下げ、深い眠りを後押しすることが報告されています。逆に夜遅くの運動は交感神経を刺激し、体温や心拍数を上昇させてしまうため、眠りの質を大きく妨げてしまうのです。

ただし、夜の運動が必ずしも悪いわけではありません。例えば、寝る直前ではなく夕方から夜の早い時間帯(18〜20時頃)に行う運動は、筋力アップやストレス解消に効果的とされます。体温やホルモンが高まる時間帯であるため、パフォーマンスも向上しやすいのです。また、適度な有酸素運動であれば、リラックス効果により夜の過食を防ぎ、結果的に睡眠の質をサポートするケースもあります。

つまり、「睡眠の質を上げたいなら朝の運動が最適」ですが、「筋力アップや一日のストレスを解消したいなら夕方〜夜の早い時間帯の運動も有効」ということになります。出勤前に軽くジョギングをしたり、通勤の一部を徒歩に変えたりするだけでも夜の眠りが深くなる一方で、仕事終わりにジムで汗を流すこともまた、心身のバランスを整える有効な手段となります。

 

良質な睡眠が「感情の安定」をもたらす

では、なぜ睡眠の質がそれほど重要なのでしょうか。それは、睡眠が「感情のコントロール能力」と深く結びついているからです。

カリフォルニア大学バークレー校の睡眠科学者マシュー・ウォーカー博士らは・・・

 

 

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【執筆者プロフィール】

板生 研一

WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中