アイデアを出すとポジティブ感情が高まる!?

アイデアを出せる人と出せない人
アイデアを出すことが苦手という人は多いですよね。仕事のちょっとしたミーティングでも、スモールアイデア(小さな解決策や改善案)を求められることが結構あるのではないでしょうか?でも中には、次から次と良いアイデアを出せる人もいます。
では、アイデアを出せる人と出せない人の違いは何でしょうか。
私は3つあると考えています。
1つ目は、失敗を恐れず、質よりも量を重視するかどうかです。
アイデアを出せる人は、1つ1つのアイデアの質にはあまりこだわらず、とにかく数を重視します。数を出せば、そのうちに質が高まるぐらいの気軽な気持ちでアイデアを出す感じですね。一方、アイデアを出せない人は、最初から完璧なアイデアを出そうと考えてしまい、失敗を恐れてしまう傾向があります。「自分の出したアイデアが賛同を得られなかったら恥ずかしい」といった思いが先行してしまいがちです。
2つ目は、異質なモノを組み合わせる力があるかどうかです。
アイデアを出せる人は、あるモノと全く別のモノを組み合わせてサラッと発想することが得意です。一方、アイデアを出せない人は、1つの視点に固執してしまいがちです。この異質なモノを組み合わせる力というのは、普段から興味のアンテナを高く保ち、一見興味がないと思ったモノに対しても、興味のアンテナをすぐに下げず、頭の引き出しに放り込んでおくこと(できればメモをとりたい)、そして、頭の引き出しの中の異質な情報を使って連想力を鍛えることで養われます。
3つ目は、アイデアを出しやすい環境にいるかどうかです。
一緒にいる人が安心して話せる相手か、変なことを言っても自分に不利益は生じないと感じられるか、つまり、心理的安全性が担保されているかが、アイデアの創出にはとても大事になってきます。心理的安全性を感じられる環境にいる人は、自然体でリラックスしており、副交感神経が優位な状態なので、脳の認知的柔軟性が高まり、連想力を発揮して多くのアイデアを出すことができます。一方、心理的安全性を感じられない環境にいる人は、カラダが緊張しており、交感神経が優位な状態なので、自由な発想がしづらくなります。
このようにアイデアを出せる人と出せない人の違いは、複数の要因が絡み合っていると考えられますが、脳科学的には、ドーパミンという快楽や報酬、モチベーションに関わる神経伝達物質の分泌量をある程度増やすことが、発想力の強化に関連するという研究がありますので、次に紹介します。

適度なドーパミンがアイデアを促進する
ドーパミンは、私たちの快感やモチベーションに関係する神経伝達物質です。何かを達成したときなどに分泌され、「報酬系」と呼ばれる脳の仕組みを活性化させます。このドーパミンの働きによって、「もっとやりたい!」という意欲が生まれてきます。そして、適度なドーパミンはアイデアの創出に役立つという研究結果があります。
研究を紹介する前に・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中