スマホの誘惑とクリエイティビティ
スマホとドーパミン
今回はスマホがメンタルとクリエイティビティに与える影響について書きたいと思います。
2020年に出版されてベストセラーになった『スマホ脳』(新潮社)という本があります。この本はスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著作ですが、スマホが私たちの脳やライフスタイルにどれだけの影響を及ぼしているかということが、科学的に、かつ、とてもわかりやすく書かれています。その第3章に「スマホは私たちの最新のドラッグである」という記述があります。この章の冒頭を以下、引用させていただきます。
ここに書かれているように、現代人のスマホへの依存は深刻な状況ですが、これには神経伝達物質のドーパミンが深く関係しています。ドーパミンは、私たちが何か新しいことを学ぶと脳内で放出されますが、これによって人間はもっと詳しく学びたいと思うようになり、その欲求が人類の進化に役立ってきました。つまり、ドーパミンの分泌によって、「新しい場所に行ってみたい」、「新しいことを体験してみたい」という欲求が湧き、それが人類の生存に重要な行動を促進する役割を果たしてきたのです。
一方で、急速にスマホが普及した現在、私たちの注意・関心は、スマホからの情報収集に奪われています。例えば、スマホでプッシュ通知が来たとします。この時、「何か大事な連絡かもしれない」と思うだけで、ドーパミンの分泌量が増えます。そして、ついついスマホを手に取って画面をチェックしてしまうということを、私たちは10分に1回の頻度で行っているのです。
スマホが側にないと・・・
上述の通り、多くの人にとって、今やスマホは片時も欠かせないツールになっており、多くのことをスマホに依存しています。そんなスマホが一時的に側に無い状態が起きると、私たちにはどのような影響があるのでしょうか・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中