呼吸と内臓(後編)

呼吸と内臓の連携プレー

前編から分かるように、内臓は腹壁の呼吸筋と密着している事がわかります。
つまり深い呼吸と連動して内臓も動くということです。
この関連性を詳しく解説していきます。

横隔膜は呼気時には第4肋骨、吸気時には第7肋骨の高さの範囲で上下します。
距離にして10センチ程度でしょうか。

横隔膜の下には肝臓と胃が密着していますので、深い呼吸とともに上下運動が行われます。
そして、腹壁に付いている上行〜横行〜下行結腸は呼吸に合わせて伸び縮みします。
このことは腸自身の蠕動運動に加え、それを促進し補助することになります。

吸気では前方、左右に広がり、上下は狭まる。
呼気では上下が広がり、前方左右は狭まる。
このように呼吸に合わせて腹腔内の内臓も運動が行われ、消化活動に一役買っていると考えられます。

 

便秘がちな人は姿勢に気をつけたい

便秘には様々な要因が関係していますが、その一つに呼吸があるかもしれません。
普段浅い胸式呼吸が中心の人は腸の運動も十分にその機能を発揮しているとは言えません。
加えてネコ背や左右に傾いた姿勢などは内臓を圧迫し、深い呼吸も難しくなります。

呼吸がスムーズに深く行い易い姿勢をご自分で探してみるといいでしょう。

普段の生活の中でも腹式呼吸は出来ますので、便秘がちな人に限らず、健康を保つために実践してみてはいかがでしょうか。

また、ついつい忘れてしまうという方は、ピラティスなどを通して深い呼吸とともに健康な内臓の状態をつくるための時間を敢えて取ることもいいかもしれません。
健康のためにあえて時間を割く、ちょっと贅沢な時間を過ごされてはいかがでしょうか?

 

<ライター>

神保洋平(じんぼようへい)

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1980年生まれ 山形市出身。H15~21 栃木県大田原市で回復期から生活期を支えるクリニックに勤務。 リハビリテーション部 主任を経て、 H19.2 認知運動療法士取得(マスターコース修了)。

H21~現在は、神奈川県の作業療法士養成校 作業療法学科にて専任教員を務めています。また、H27.3首都大学東京大学院 人間健康科学研究科 博士前期課程修了。現在 同大学院 人間健康科学研究科 博士後期課程 在学中。

趣味は楽器演奏(ギター、ドラム、ベース)、写真撮影、ドライブ、サイクリング。また、現在没頭していることは、質的研究(意味、価値観、同一性、自己論、ナラティブ、現象学)読書しながらの筋トレ。

好きな言葉は「真実の追求は、誰かが以前に信じていた全ての”真実”の疑いから始まる」(Byフリードリヒ.W.ニーチェ)。信念は「為せば成る」。
好きな音楽はWong Wing Tsan「夏の風車」。実は、以前某ワークショップで彼とご一緒させていただき、無理を承知でリクエストしたら快くOKを頂き、おまけにワーク中の演出としてサプライズ演奏!大感激でした。非常に思い出深い1曲です。とても奇策な方で、活躍されているにも関わらずとても謙虚、それでいて肩肘張らない柔らかい雰囲気が大好きです。

学会発表、講師活動、論文発表等多数。

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