マインドフルネスと脳(後編)
瞑想で意志力が向上する
『スタンフォードの自分を変える教室』の著者であるケリー・マクゴニガル氏の研究によると、瞑想の実践をたった3時間行っただけで、注意力と自制心が向上するという結果が見られ、11時間後には、脳に変化が現れたそうです。
瞑想をはじめた人たちの脳では、集中力を持続したり、気が散るものを無視したり、衝動を抑制したりするのに重要な領域の神経間の連絡が増加していました。
さらに定期的に瞑想を行った場合、禁煙、減量、薬物やアルコール依存症への対策にも効果があることがわかっています。
瞑想を習慣化することで、注意力を高め、感情や欲望をコントロールする自制心を育くむことにもつながります。
瞑想で恐れを感じにくくなる
8週間のプログラムで脳の構造が変わることが科学的にも証明されています。
マサチューセッツ総合病院とドイツのギーセン大学の研究者らは、16人の被験者に対してマインドフルネス瞑想(MBSR)を使ったストレス解消コースを8週間受けるよう指示しました。
そして、トレーニングの前後に被験者らの脳のMRIを撮影し、まったく瞑想経験のない17人と比較しました。
すると、トレーニングを受けた被験者らは、脳内の海馬と呼ばれる部位にある灰白質の容積が密集し、増大していることがわかりました。
この部位は、学習や記憶、感情、思いやり、内省などに関係しています。
アルツハイマー患者はこの部分が縮小したり、この周辺に原因物質が蓄積することが明らかになっていることから、瞑想で記憶障害や認知障害を防止できるとも期待されています。
また一方で、不安や恐怖などに関連する扁桃体においては、灰白質の容積が減少している事がわかりました。
扁桃体が活性化しにくくなると、イライラや不安を抑えられ、感情的な行動が減り、適切な意思決定ができやすくなります。
いかがだったでしょうか?
本日は、「瞑想で脳の構造が変わる」をテーマに、脳科学的なデータをまとめてみました。
このようなデータにすると大げさに見えますが、最初に実感するのは変化かもしれません。
以前だったら感情的になっていたような状況でも落ち着いて対応できたり、
「なんだか気持ちが軽くなった」
「今日はいつもより他人の言葉が気にならなかった」
「仕事がはかどった」など、
最初はちょっとした気づきがあるだけかもしれません。
さらに続けることで、集中した状態を長く保てるようになったり、日常生活の中に小さな幸せを感じることが増え、自分自身が変わっていくのを実感できるはずです。
ぜひあなたの日常生活にもマインドフルネスをとりいれてみてください。
googleやゴールドマン・サックスなどの一流企業が続々導入し、アメリカでは一般市民レベルで大きな飛躍を見せている「マインドフルネス」。
一過性のブームではなく、現代人老若男女問わず必要とされるものとして認知されています。
科学的にもその効果が証明されており、ますます今後広がっていくと考えられます。
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