自律神経を整える食べ物はトマトがおすすめ!血圧低下や疲労軽減、更年期障害の予防に!(後編)

大学や病院でトマトの作用が認められている

実際にトマトに含まれている成分が、さまざまな症状を改善に導いたと推測される試験を紹介しましょう。

まず、高知県立大学で行われた試験では、血圧が高めの男女46人(40~60代)を2グループに分けて、一方のグループにだけトマトジュース(150ミリリツトル)を1日おきに約半年にわたって飲んでもらったそうです。

その結果、トマトジュースを飲んでいたグループでは、約6割の人に降圧効果が認められ、最大血圧の平均値も154ミリ(正常は130ミリ未満)から144ミリに低下したとのこと。仙台市立病院でも似た試験が行われ、降圧作用と疲労感の軽減が認められています。

更年期障害を緩和するトマトの働きについては、東京医科歯科大学の研究で明らかにされています。

この研究では、のぼせやほてり、不眠、めまい、イライラなど、更年期障害の症状が1つでも認められる女性95人(40~60代)に、200ミリリツトルのトマトジュースを1日2回、8週間にわたって飲んでもらいました。

そして試験終了後に、更年期症状スケール(MSS)、不安と尺度(HADS)、不眠尺度(AIS)、血圧、心拍数といった複数の調査項目で総合的に評価した結果、ほとんどの項目に改善が見られ、トマトジュースの摂取は更年期障害に効果的であることが認められたそうです。

こうした結果からも、トマトには自律神経の乱れを整えて交感神経と副交感神経をバランスよく働かせる作用が期待できるとおわかりいただけるでしょう。

 

トマトを黒酢につけて作る【酢トマト】がおすすめ

トマトはどんな食べ方でもおいしいのですが、ぜひおすすめしたいのがトマトを黒酢で発酵させて作る「酢トマト」です。

酢トマトの材料は、トマトのほかに、砂糖・塩・コショウなどの調味料(バジルやクローブなどのハーブを加えてもいい)、それに黒酢です。
黒酢は、玄米から作った酢を長期間熟成させた米酢の一種で、通常の穀物酢よりも乳酸菌やアミノ酸(たんぱく質の構成成分)、クエン酸(有機酸の一種)などの成分を多く含んでいます。

そのため、トマトのグルタミン酸を発酵させる乳酸菌の働きとともに、アミノ酸の血流促進作用やクエン酸の疲労回復作用など、黒酢の健康作用が期待できるのです。

酢トマトの作り方は、とても簡単です。

トマトは一般的な中玉のトマトでもミニトマトでもかまいませんが、赤く熟したものを選びましょう。色が濃いトマトほどグルタミン酸など有用な成分も多くなります。

酢トマトは冷蔵庫で保管して夏場は翌日まで、それ以外の季節も2〜3日以内に食べきるようにします。

日ごろからストレスや疲労感が抜けない人、血圧が高めの人は、酢トマトを毎食とり、中玉のトマトなら1個半〜2個が目安です。

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