「五月病」への処方箋〜心・身体そして環境とのバランスは大丈夫?〜(前編)

温かい春を迎え、心機一転意欲に燃えている方も多くいらっしゃることと思います。その一方で、環境の変化などに伴い五月病なるものに気をつけたい時期でもあります。

今日は五月病について、その原因と対処法についてお話しいたします。

 

五月病って?

五月病とは、環境の変化にともなって、上手く適応できず(あるいは頑張りすぎて)抑うつ、無気力、不安、焦りなどの症状がみられることをいいます。主訴は、不眠や疲労、食欲不振、やる気が出ないなどです。(ちなみに名前に「病」とついてはいますが、医学的な診断名ではなく俗称です。)つまり五月病とは環境の適応に伴う心身的なトラブルということが出来ると思います。

 

五月病は環境への適応疲れ

環境の適応が必要な時期といえば、就職や転職、引っ越し、退職といったことが上げられます。就職や転職の場合には、新しい環境で相談できる仲間がいなかったり、就職できた満足感で目標を見失うかもしれません。

自分の思い描いていた期待とのズレに悩むこともあるでしょう。職場以外に息抜きできるような環境がなく、息苦しさを感じるかもしれません。引っ越しの場合には、ひとしきり家が片付いた時に、自分の属するコミュニティがないことに気づくかもしれません。退職にともなって生きがいを見失ったり、今までの人間関係とは別の世界を作っていくことの大変さに悩むかもしれません。

 

まずは居心地のいい環境づくりから

所謂、五月病はこのように、ライフステージの変化に伴って、いろんな年代で引き起こされる可能性のあるもの、ということが出来ます。

「人間とは関係の総和」と哲学者の内山節がいうように、「私」という人間は環境から独立して存在するものではなく、関係の中で作り上げられ、刷新されていくものであります。その意味で居心地の良い環境やコミュニティを持つことは、非常に重要なことであると言えます。

また、上記に示したようなはっきりした悩みがあるわけではないが、ただもやもやするような感覚だけがある方もおられるかもしれません。そんな時に自分を見つめ直す空間や、時間を改めて持つ必要があるかもしれませんね。

そのような意味で、「ヨガ」などを通して、趣味を通したコミュティづくりや、自分を見つめ直す静かな時間を持つということは、非常に効果的であると思います。

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