マインドフルネス vs マインドワンダリング ~クリエイティビティを高めるのは?~
マインドフルネスとマインドワンダリング
私たちは、普段、目の前のことに取り組んでいるようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態になっていることがとても多いことがわかっています。特に、過去の失敗を思い出したり、未来の漠然とした不安が頭をよぎったりと、ネガティブな感情が心に浮かんでいることが多いようです。この状態をマインドワンダリングといいます。
一方で、このマインドワンダリングとは反対の状態、つまり、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意を向けている状態」をマインドフルネスといいます。
米ハーバード大学のマシューA.キリングスワース博士らの2,250人のアメリカ人を対象にした研究では、1日の起きている時間の46.7%がマインドワンダリングの状態であること、そして、マインドワンダリングな状態だと幸福度が下がることが明らかになりました。
この結果を見ると、高い集中力を発揮したり、鋭い感覚を働かせたりすることができ、ストレス低減にも有効なマインドフルネスの状態の方が、マインドワンダリングよりも圧倒的に良いと思えるかもしれません。確かに、マインドワンダリングは、反芻思考に結びつきやすく、メンタル不調につながる可能性があります。(詳しくは、「反芻思考はクリエイティビティには役立つ!?」をご覧ください。)
では、クリエイティビティの観点からは、マインドフルネスとマインドワンダリングのどちらが良いのでしょうか?マインドワンダリングはクリエイティビティには有効だという研究も多数あります。(詳しくは、「良いマインドワンダリングとは?」をご覧ください。)
クリエイティビティにとって、どちらが良いのかを説明する前に、そもそもクリエイティビティをどのように測定するかについて、説明したいと思います・・・
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【執筆者プロフィール】
板生 研一
WINフロンティア株式会社創業者&CEO / MBA&PhD(医学)/ SONY出身 / 東京成徳大学経営学部特任教授 / メンタル・マネジメント、クリエイティビティ・マネジメント、アントレプレナーシップの研究と実践 / 信頼できるエビデンス(海外学術研究等)に基づき発信 / noteで『起業家兼研究者が考える メンタル・マネジメント法』を連載中